![]() イタリアロック界屈指の実力派シンガー Michele Luppi(現WHITESNAKEのKey)を迎え、遂に同郷イタリアのシンフォニック&パワメタ系バンドLABYRINTHやRHAPSODY等と肩を並べる高みへ到達した5人組イタリアン・シンフォ・HMバンドの、前作から4年ぶりとなる通算10作目のオリジナル・スタジオアルバムがリリースされたのをちょい遅れてGET! 大変残念な事に彼等を新たな高みへ導いた実力派シンガー Michele Luppiが2020年はじめに脱退してしまった…(´д⊂) デヴュー以来、各パートのメンバーチェンジが激しい彼等ではあるが、二代目フロントマンの Michele Luppiだけは手放さないで欲しかったなぁ…orz まぁ、白蛇での活動やソロ、そして彼のリーダーバンドなんかもある訳で、いづれこの時が来るだろうとは予想してはいましたし、同郷故でしょうがイタリアのマイナー・HMバンドによくこれだけの期間留まってくれたとは思いますけどね… Michele Luppiの後任に注目が集まったが、バンドはオリジナル・メンバーであり、初代フロントマンの Roberto "Ramon" Messinaを復帰(!?)させ、本作は制作されている。 『えー!? Michele Luppi加入前のバンドサウンド最大のウィークポイントであった歌唱力の弱さ、あの Roberto "Ramon" Messinaが戻って来るの!?』と、いうのがそのアナウンスを聞いた時の偽らざる第一印象でした。 確かに Roberto "Ramon" Messinaのか細くパワー不足な歌声はマイナー調なメロスピ特有のB級感を醸し出していたから初期のクサクサなB級メロスピ・サウンドにマッチしていたけれど、前作で一気に楽曲の幅もポピュラリティも高まって、よりA級メジャーレベルへ接近していただけに、この交代劇は不安でしかありませんでしたが『もしかしたらこの脱退期間中に歌唱力が上がる鍛錬を積んでいたかも!?』と淡い期待を抱いたんですが、残念な事に現実はそう甘くなかった模様です…('A`) フロントマンの歌唱力というのは楽曲の出来栄え、特に歌メロの質にモロそれが現れるもので、本作は一気に初期を彷彿させるクサメロと大胆なシンフォニック・サウンド、疾走するメタリックなリフとテクニカルな早弾きソロがこれでもかと忙しない楽曲の至る所でフィーチャーされた、良く言えば本来の彼等らしさが表現された初期ファンが歓喜する楽曲がズラリと並ぶ、悪く言えば前作のメジャー路線からB級マイナー路線へ後退した個人的にネガティヴな印象が大きいアルバムで、幾分か前作で見せたメジャー路線の名残が楽曲展開やモダンなアレンジ等に顔を覗かせるものの、どうしたってフロントマンのB級マイナー臭を放つ歌唱力は無視し難く、疾走感ある楽曲の数々は、エッヂがありパワフルでエネルギッシュ、そして壮大でシンフォニックなプログレHM風のテクニカルな楽曲展開、そしてちょっと80年代ジャーマンHMっぽい朗らかキャッチーな歌メロのサビも飛び出す、本作のみを聴いたならば悪くない仕上がりの、これぞ極上のイタリアンB級シンフォニック・パワーHMというサウンドとなっている。 B級メロスピとは言え、一度は高みへ昇りつめた訳で、モダンなサウンド使いや細やかなアレンジ、そして高いプレイヤースキルとハイ・クオリティなプロダクション等を見るまでもなく、A級クラスなポテンシャルのバンドである事に疑いはないんですが、やっぱりフロントマンの歌唱力が…(汗 Roberto "Ramon" Messinaの歌えるレンジに引っ張られたのか、彼の考案する歌メロに即したからなのか、ここまで楽曲の方向性が初期風のマイナー臭い作風へ戻ってしまうとは…いえ、散々酷い事言っておいてなんですけど、彼の甘い声質のウェットな哀愁を漂わす歌声自体は嫌いじゃないんですよ、ええ…でも、抜群の歌唱力を誇るブライトな声質の Michele Luppiと比べると…ねぇ…丁度、月と太陽くらいイメージが違い…冷静になって聴き返してみると、バックのサウンドの質や奏でられる美旋律の数々は前作に負けず劣らずなんですが、どうにも向かう方向が違い過ぎなんだよなぁ… 初期からのファンからしたら、Michele Luppiが参加したアルバムだけがイレギュラーで、本来は本作のようなテクニカルでスピーディなプレイとドラマティックな美旋律が飛び出すイタリアン・メロスピこそが彼等の真の姿だ! と、考えているだろうから、本作の作風はSECRET SPHERE的にはなんら間違っていないのかもしれませんね。 尚、バンドのボスである Aldo Lonobile(Guitars)は、長年所属していた国内レーベルのマーキーの仕事ぶりにイマイチ満足出来ていなかった模様で、別レーベルのワーナーへ移籍して前作はリリースされていたが、通算10作目である本作でもまた別レーベルであるワードへ移籍してのリリースとなっている。 まぁ、本国でもデヴュー以来アルバム毎にレーベルをコロコロ移籍して作品をリリースして来た経緯を見るに、元々 Aldo Lonobileはそういう質なんでしょう(汗 散々、酷い事を述べておいてなんですが、初期の作風が好きだった方には本作は間違いなく傑作に聴こえるハズですので、是非一度ご自身の耳でチェックしてみて欲しいですね。
by malilion
| 2021-03-27 22:44
| 音楽
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