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QUEENSRYCHEの超名作コンセプト作で美声を聴かせた Pamela Moore嬢を擁するUSポップロック・バンドRADARの遺した唯一作をご紹介。

QUEENSRYCHEの超名作コンセプト作で美声を聴かせた Pamela Moore嬢を擁するUSポップロック・バンドRADARの遺した唯一作をご紹介。_c0072376_11531929.jpg

RADAR 「RPM」'00

女性ヴォーカリスト Pamela Moore Barlowと女性ギタリスト Debbie Michaelsを擁するKey入り5人組US産メロディアス・ポップロック・バンドRADARが2000年にリリースした唯一作を御紹介。

『なんで今頃、このアルバムを?』と、思われるかもしれませんが、先頃にGO WESTやWILD BLUEのギタリストとして知られる Gary Stevensonがキーボード奏者の David West(GO WEST、WILD BLUE、Robert Hart)とシンガーの Rod Jordanと81年に結成し1983年にWarner UKと契約し85年に録音されながらも未発表であった幻のブリティッシュ・シンセ・ポップ・バンドRADARのお蔵入りアルバム『Lost in the Atlantic』が限定1000枚で初CDリリースされ、そのバンド名を見て本作を思い出した訳なんですね。

ちょっと調べただけでも複数同名なバンドやプロジェクト等が存在しているので分りにくいですが、こっちはAOR HEAVENからのリリース作ですので、マニアックなメロハー諸兄ならその名を知っている方も多いのではないでしょうか?

本作の主役は、USプログ・メタルバンドQUEENSRYCHEの超名作コンセプト・アルバム『Operation: Mindcrime』にSISTER MARY役として参加し、強靭な喉を誇る Geoff Tateと絶妙なデュエットを披露した事でその美声を知るHMファンも多いだろうUSシンガーソングライター Pamela Moore Barlow嬢で、彼女は80年代初頭から活動しており18年までにソロアルバムを5枚リリースし、他にもUS産AOR&産業ロック・プロジェクト FAKE I.D.の『Dreaming Ezekiel』なる97年リリースの唯一作に楽曲を提供する他、北欧メロハーの元祖的バンドであるスウェーデン産メロハー・バンドALIENの初期作にも楽曲を提供する等、幅広くプロジェクトやバンドに参加してきた経歴の持ち主で、そのハスキーながらパワフルで伸びやかな歌唱を聴くに、もっとメジャーな存在になってもおかしくない個性的なヴォーカリストだと、フィメール・ヴォーカル嫌いな私でさえそう思う才能の持ち主であります。

さて、本作についてですが、Pamela Moore Barlow嬢の伸びやかで力強い歌唱を基軸に、ギタリスト Debbie Michaels嬢のツボを心得た弾き過ぎないエッヂあるメロディアスなギター、そして Russ Salernoの操る煌びやかで派手な分厚いシンセワークが、ポップでキャッチーな80年代後期風のUSメインストリームなフックある楽曲をゴージャスで爽快な男女混声コーラスを伴って展開していく、典型的な80年代後期USポップ・メタル風サウンドのUS産メロハー・アルバムで、リリースが暗黒のグランジーにアメリカが覆われていた時期でなければ十分に大衆に訴求しただろうメジャー志向のポップでブライトなサウンドだったのが悔やまれます…(´д⊂)

本作より先の97年リリース FAKE I.D.作では Pamela Moore Barlow嬢と Janet Morrison Minto嬢が組んで、JOHN WAITE、BAD HABITなどに通じる哀愁が効いた叙情派メロディアス・ロックな楽曲(ALIENの1stに提供された楽曲も再収録)を提供する等、アメリカンSSWながら Pamela Moore Barlow嬢はどうやらかなり叙情的なユーロ系サウンドを好んでクリエイトしてくれたアーティストであった事が窺え、後15、6年遅れて活動をしていれば、今頃はユーロ圏を中心に活動する有名メロハー系バンドのフロントマンとしてその名を馳せていたかもしれませんね。

QUEENSRYCHEの成功を受け一時期ステージを共にするなど新人バンドとしては上々の出だしであったが、時流に逆らえず2001年に解散し、僅か1年程の活動期間だった本バンドはその活動期間の短さ故当然ですが、今の時点で本作や Pamela Moore Barlow嬢の知名度がマイナーな存在である事から窺えるように、もう一人の主役 Debbie Michaelsが弾くギターもソツなく巧い(頑張ってる!)ものの、本質的に本作はキーボード主導なアメリカン・ポップスと言え、USロック独特の渇いた叙情香るバラードやちょっとハード風味な正統派アメリカンHRやドラマティックでメロディアスなミッドテンポの楽曲等々、Pamela Moore Barlow嬢の際立つ歌唱と分厚くゴスペル風味もある Debbie Michaels嬢も交えた男女混声バッキングコーラスが活された非常にバランスの取れた構成と楽曲が収められたアルバムだが、シンセサウンドの比重が多いのと広がりの無いデジタリー・サウンドな感触が強い為に生っぽいロック・フイールが弱く、さらにインディ・レーベルからのリリースだから致し方がないのですがプロダクションやミックスに少々問題(ノイズが…)があったのかイマイチ軽くて密度の薄い平坦なサウンドで、せっかくの素晴らしい楽曲の足を引っ張ってマイナスイメージを与えてしまっている感が否めないのは残念だ。

後はバックの演奏もちょっと優等生過ぎると言うか小洒落た王道産業ロック風な教科書的パフォーマンスが没個性化を招いており、このバンドならではの音というか強烈な個性(時々、VIXENポク聴こえる)のようなものが聴こえてこず、終始 Pamela Moore Barlow嬢の卓越したヴォーカル・パフォーマンスしか耳に入ってこない、今一つな惜しい仕上がり具合だったのも宜しくなかったように思えます。

まぁ、リリースされた当時の状況や時流もありますしこのプロダクションも仕方がないのですが、出来る事ならば今のメロハー市場向けにリミックスを施して、もう少しハードでヘヴィなサウンドを強調し、ボトムサウンドに厚みを増したロック指向のダイナミックなミックスでお色直しした本作をリイシューして欲しい、そう思わずにおれない暗黒のグランジー時代にリリースされた悪くないメロディアスな一作なのでした。

現在もソロ活動を活発にこなす Pamela Moore Barlo嬢ですが、最近はヴォーカルとパフォーマンスのコーチングビジネスで大成功を収めている模様なので、もしかしたら彼女が再びブレイクして注目を集めるか、自身で本作の権利を買い取る(バックカタログに未練なさそうだけど…)などして再販してくれるチャンスが訪れるかもしれませんね。


RADAR Line-up:

Pamela Moore Barlo   (Vocals)
Debbie Michaels     (Guitars、Backing Vocals)
Scott Novello      (Bass、Backing Vocals)
Steve Salerno      (Drums)
Russ Salerno       (Keyboards、Backing Vocals)


by malilion | 2021-03-13 11:51 | 音楽 | Trackback
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