![]() Yngwie Malmsteenに見いだされ、以降長きに渡って様々な世界中のプロジェクトやバンドに参加してきたUSロック界きっての多忙ヴォーカリスト Jeff Scott Soto(現SONS OF APOLLO、ex:Yngwie Malmsteen Band、ex:TALISMAN、ex:JOURNEY、ex:Axel Rudi Pell、etc…)が、ソロ名義としては7作目となるアルバムを去年末にリリースしたのを、少々遅れてGET! 最近、活発な活動を見せている自身のリーダーバンドSOTOが所謂ゴリッゴリのダークネスな現代的モダン・ヘヴィネス・サウンドを基軸にするのに対し、ソロ作は彼の活動を80年代から追い続けているファン達が待ち望む通りな甘いメロディが主体なユーロ系メロディアス・ロック作なのは恒例なのだが、本作もその例に漏れずキャッチーなAORやフックあるヴォーカル・メロディが耳を惹くハードロック風味が強い作風となっている。 商業的な成功を最近やっと得て経済的な心配事が無くなった模様の彼ですが、それまでHMからプログレ、ポップスにAOR、ファンク、果ては子供向けアニメのサントラ参加に至るまで、様々な音楽スタイルを器用に歌いこなす抜群の歌唱力を活かし、数え切れぬほどのバンドやプロジェクト、世界中の有名無名ミュージシャン達のセッション等に参加して生活の糧を得て来た結果、36年の音楽キャリアで85枚以上(!?)のアルバムにその歌声を残す事になってしまったのだった。 正直、彼のファンでも彼の参加したアルバムの音源を全て所有する人は僅かなのではないかと思うくらい、有名無名問わず、国籍問わず、多岐に渡る音楽スタイルの創作活動(アニメのサントラまでとは…)に参加しているので、ホントに追いきれません(汗 で、そんな彼の最近のメインとなっているのはUSスーパーバンドのSONS OF APOLLOとSOTOと思われ、当然のように他アーティストのアルバムへの参加やソロ活動は控え気味なのかなぁ、と思っていた所で本作のリリース情報を知って『やっぱりJEFFはキャッチーでメロディアスな音楽で歌ってくれなきゃネ!』と、嬉しくなってしまいました(*´ω`*) ただ、多忙な彼の現状を反映するように、本作の楽曲は、作曲からプロデュース、ベースやキーボードまで手掛けているのがイタリアのメロハー・レーベルFrontiers Recordsお抱えミュージシャン Alessandro Del Vecchio(EDGE OF FOREVER、HARDLINE、SUNSTORM、Jorn、REVOLUTION SAINTS、FIND ME、FIRST SIGNAL、HAREM SCAREM、HOUSE OF LORDS、VIANA、LIONVILLE、LANESLIDE、etc…)となっており、Frontiers Records好みな Alessandro Del Vecchioの80年代後期~90年代初期を意識した曲に Jeff Scott Sotoがお仕事で作詞でだけ参加し歌も乗せているだけ、とも捉えられかねないソロらしくないソロな制作状況なのが、ちょっといただけないんだよなぁ… 無論、Alessandro Del Vecchioの仕事ぶりに落ち度は無く、キャッチーでメロディアス、そして程ほどにハードで勢いのある完成度の高い楽曲と、Jeff Scott Sotoの歌唱を活かすプロフェッショナルなプレイを他のバックのイタリア人ミュージシャン達と同様に提供し、高品質なプロデュースを行ってくれているので、本作の出来栄え自体になんら問題は無いんですけどね。 パワフルなハードロックからミッドテンポのAOR、そして美しいバラードまで、Jeff Scott Sotoの幅広い抜群の歌唱を存分に楽しめる仕上がりな楽曲は、人生、愛、ほろ苦い感情、日常生活における闘争、人の感情について奨励的な視点について語られ、情熱的に歌い上げられているのだが、なんというか彼がメジャーな成功を得ようと悪戦苦闘を繰り広げていた80年代から90年代にかけて数多のバンドやアーティスト達のアルバムで聴ける魂揺さぶる迫真の熱唱や試行錯誤の跡が伺える入魂の楽曲のように心に響かない、お行儀よく創られたそこそこ良い出来のソツなく纏まった売れ筋曲のように聴こえてどうにも釈然としないのは、単に私が懐古主義なだけではないと思うのですが…ウーム(=_=;) 典型的な楽曲展開にお約束のヴォーカルメロディ、そしてこれまたお約束の分厚いバックの爽快コーラス、ちょっとハードな風味を加えるメタリックでテクニカルななギター、とこれまで Jeff Scott Sotoのソロ作や彼が参加してきたバンド等のアルバムを聴いて来たダイハードなファンにとって些かマンネリ気味、そして予想通りで単調な要素が多く耳につく凡庸なアルバムに思えてしまうのですが、それ故に総じて楽曲の完成度もパフォーマンスも高いレベルで結実している期待を裏切らぬ出来とも言えるので、Jeff Scott Sotoのファンにとっては決して駄作ではない、これまでの Jeff Scott Sotoのキャリアを凝縮したような一作とも言えるのではないでしょうか? 折角のソロ作なので、目新しい音楽要素に挑戦とか他ジャンルの有名ゲスト等を招いての絡みなんかがあればまた楽曲の毛色も変わって面白味も出たんでしょうけどねぇ、どうにも予定調和な、もう一捻りが欲しいアルバムなのが個人的には少々残念ではあります。 尚、ボーナス・ディスクには、2019年に行われたFrontiers Rock FestivalにおけるLIVEの模様が収録されているので、動く Jeff Scott Sotoのパフォーマンスを楽しみたい方は是非本作をチェックしてみて下さい。
by malilion
| 2021-03-03 16:00
| 音楽
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