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YES+ASIA×UKポップスなDOWNES BRAIDE ASSOCIATIONの4thをご紹介。

YES+ASIA×UKポップスなDOWNES BRAIDE ASSOCIATIONの4thをご紹介。_c0072376_16510934.jpgDOWNES BRAIDE ASSOCIATION 「Halcyon Hymns」'21

元々はMTVで派手なデヴューを飾ったUKポップ・デュオBUGGLESのオリジナルメンバーで、今では御存知ASIAのキーボーディストにして近年はYESにも在籍する、プログレ系ミュージシャンとしてだけでなくポップ・ヒットメイカーとして80年代初期から第一線で活動を続ける Geoff Downesが、プロデューサーとしても知られる英国人シンガー Chris Braideと組んだUKポップ・ユニットが前作より4年ぶりにCherry Red RecordsからCD+DVD2枚組/3面デジパック仕様となる4thアルバムをリリースしたのをちょい遅れてGET!

前作は、プログレ、ポップ、ニューウェーブをベテランの風格たっぷりにMIXしたアダルト&モダンでシャレオツなメジャー路線の高品質UKポップ・ロックを基軸にしつつシンフォサウンド寄りにアプローチしたサウンドというイメージの、XTCの Andy Partridgeをギターに迎えるのをはじめ Ash Soan(Ds)、Andy Hodge(B)、Dave Colquhoun(G)を加えたバンド編成で製作されたアルバムで、ハードエッジな感触も備えた淡く英国叙情漂うウェットなモダンサウンドであったが、待望の新作も同一路線なアコースティカルな味わいとほんのりセンチメンタルな雰囲気漂う軽快なプログレ・ポップなのに変わりなく、彼等のファンにとってはプロフェッショナルなミュージシャン達の仕事ぶりが堪能できる一作となっている(*´ω`*)

デビュー作から一貫して堅持している親しみやすいキャッチーな80年代風UKポップスのサウンド・フレイバーはそのままに、70年代のGENESISやYESを思い起こさせるサウンドテクスチャーや、70年代イーストコースト風のレイドバックしたヴァイブを感じさせるメロディアスな英国ライト・ロック風味、E.L.Oをはじめとする80年代USAポップロックや、MARILLION風のメランコリックなメロディ(と Steve Rothery風の泣きまくりギター)が光るポンプ風味までと幅広い要素が随所に編み込まれた楽曲の完成度は高く、よりヴォーカル・オリエンテッドな路線をさらに推し進めた爽快なメロディと英国ならではのウェットな美旋律が麗しく光る楽曲が詰め込まれた本作は、Geoff DownesとChris Braideが、コロナショックでそれぞれの音楽活動がままならぬ時に友人から『だったら気晴らしにDBAの新作を創ってみれば?』というなんの気無いアドバイスが切っ掛けで生み出されたというのが信じられぬ程に、モダンでソリッドに響き渡るさらに強まったバンド風なパワフル・サウンドに様々な音楽要素が詰まった充実作だ。

Ash Soan(Drums)と Andy Hodge(Bass)は前作に続いて本作にも参加しているが、今回も新たなゲスト奏者が数多く招かれており、中でも注目なのは英国シンフォ&トラッド・バンドIONAのリーダーであり、CELESTIAL FIRE、THE STRAWBSにも在籍している Dave Bainbridge(Guitars、Bouzouki、Mandolin、Keyboards)をレギュラー・メンバーに迎えて本作は制作されおり、他にも元SOFT CELLの Marc Almondと、BIG BIG TRAINの David Longdonがゲスト参加してその歌声を聴かせているので彼等のファンはチェックをお忘れなく。

個人的には前作のサウンドの方がロック色というかスピード感を感じられ、大仰なプログレ的な盛り上がりにも乏しく、よりマッタリとマイルドなサウンドになった本作より好みなサウンドではあったが、本作はAORアルバム的には何ら魅力を損なっていないし、前作参加のXTCの Andy Partridgeが持ち込んだエモーショナルなフックと陰影を生み出すモダンでハードエッジなギターテイストが本作では失せているが、代わって Dave Bainbridgeが持ち込んだアコースティカルでトラッドなギターテイストと枯れた味わい深いサウンドが新たな魅力となってDBAサウンドへ加わっているので、本質的にはサウンドは変わっていないが細かなアレンジが活かされたミッドテンポ中心の楽曲の感触が変わって感じられる、そんな差異も実に面白く聴ける完成度の高い本作を是非一度お試しあれ(*´ω`*)

尚、ボーナス・ディスクとなるDVDにはジャケットを手掛けた巨匠 Roger Deanが解説しながらジャケット・アートを制作していく模様とらえたドキュメンタリーと本編収録曲'Love Among The Ruins''Yur Heart Will Find The Day''Today'のプロモ・クリップを収録している。


MUSICIANS:
Geoff Downes (Keyboards)
Chris Braide (Vocal、Guitar、Keyboards)

With:
Andy Hodge (Bass)
Ash Soan (Drums:イギリス人名セッションドラマーで Trevor Horn BAND、Squeeze、Adele、Robbie Williams、Gary Barlow、etc…)
Dave Bainbridge (Guitars、Bouzouki、Mandolin、Keyboards:IONA、CELESTIAL FIRE、THE STRAWBS、etc…)
David Longdon (Vocals:BIG BIG TRAIN)
Marc Almond (Vocals:ex-SOFT CELL)
Tim Willer (Drums:セッションドラマー)
Barney Ashton-Bullock (Narration)
Joe Catcheside (Narration)



by malilion | 2021-02-22 16:47 | 音楽 | Trackback
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