![]() 80年代風のクラッシックHR要素を全面に押し出したキャッチーでポップなノスタルジック・サウンドが特徴の、Andy Scott's SWEET、AIRRACE、MORTIZ等のバンドで活動してきた英国ベテラン・ミュージシャン達によって結成された6人組メロディアス・ロック・バンドの、クリスマスEPや1stのボーナス追加リイシューを挟んで約1年ぶりとなる4thアルバムがリリースされたのを即GET! 前作では、デヴュー作からエンジニアリングを担当していた Mick Wilson(ex:10cc Ds & Lead Vocal)がコンセプト・アルバムの一大組曲の分厚いヴォーカルパートや複雑な楽曲を収録する為のヘルプ要員としてエンジニアを超えて多数のパートで客演した為かメンバーとして名を連ねていたが、予想通り本作では姿を消していつもの6人組編成に戻っている。 まず注目なのは、これまでメンツに変動なく活動してきた彼等にも遂にメンバーチェンジが訪れてしまったようで、フロントマンの Paul Manzi(現ARENA、現RAW GLORY、ex:Oliver Wakeman BAND、ex:Andy Scott's SWEET)が脱退し、新たに『Elvisミュージカル』『The Roy Orbison Story』『The Who's Tommy』『Jeff Wayne's “War of the Worlds"』等の有名ミュージカル舞台やCMソング系の仕事、そしてソロアルバムもリリースしてきた英国人ヴォーカリスト Damien Edwardsがフロントマンに迎えられており、最近はJUDAS PRIESTの元ギタリスト K.K Downingの新プロジェクトにも関わっている実力派らしく、前任者以上な抜群の歌唱力と幅広い音域、そして滑らかで甘い声質の、AORからHMまで多様なジャンルの楽曲を演る本バンドのコンセプトにピッタリとマッチした力強くしなやかな歌声を聴かせ、その素晴らしいヴォーカル・パフォーマンスはバンド・サウンドを別次元へと導いている!('(゚∀゚∩ 19年リリースのクリスマスEP時点で Paul Manziは抜け、英国HRバンドDEPARTEDに在籍するヴォーカリスト Mark Pascallがフロントでパフォーマンスしていたし、LIVE動画もアップ(なかなか良い声だ)されていたが、元からして Mark Pascallは『DEPARTEDを抜けるつもりはない』と明言していたので、クリスマス企画EPのみのヘルプ参加でシリアスな活動(実質的にはお互いの試用期間だったのだろう)ではなかったんでしょうね。 でも、一応二代目フロントマンは Mark Pascallって事で、三代目フロントマンが Damien Edwardsという事になるんでしょうなぁ… しかし、インタビューで語っているけど、Mark Pascallが抜ける前後にバッキングコーラスで Damien Edwardsがアルバム制作に参加し、フロントマンが抜けたバンドから加入を要請されるものの当初は舞台のスケジュールが一杯だったので断った、ハズなのに突如英国を襲ったコロナ騒動で全てが白紙になった為と、残念ながら Mark Pascallがバンドに加入しなかった結果、こんなに上手いヴォーカリストがすんなりバンドへ加入する事になっただなんて予期せぬ顛末を聞くと、この一連のコロナ騒動も悪い事ばっかりではなかったんだなぁ、と思いましたね(w さて、本作のサウンドの方だが、前作『Day Trip to Narnia』'19 はコンセプト作故か幾分か楽曲のコンパクトさ加減やメロディのキャッチーさが弱かったように思うが、今回は初期の作風へ立ち戻り、ポップでキャッチー、そして華やかでコンパクトなこれまで以上にヒットポテンシャルの高い楽曲がズラリと並べられており、デヴュー作からのE.L.O、SWEET、QUEEN風なサウンド要素がさらに絶妙な溶け合い具合で極上の美旋律を奏でているだけでなく、THIN LIZZY風の甘美なギターハーモニーやSAXON風の豪快なリフだったり、三期DEEP PURPLEっポイ感じのするファルセットのコーラスだったりと、ちょこちょこ新しい要素が散見するだけでなく、Mike Moranと彼率いるオーケストラがシンフォニックなストリングスを追加して楽曲のスケール感と如何にも英国的な優美な上品さをアップさせている点が本作の一番大きな新しい要素だろう。 タップリと分厚く華やかなコーラスがフィーチャーされた、造り込まれたデジタリーなサウンドばかりでなく、英国らしい叙情感あるアコースティカルで繊細なサウンドもしっかりと聴く事が出来る、とても高揚感があるキャッチーで爽快なメロディとソリッドでタイトなリズムが躍動し、隠し味にトラッドやトロピカルな要素なんかも巧みにミックスされている、シリアスになり過ぎない英国人らしいブラックなユーモアーも忘れない、本当にエンタテイナメントに徹したサウンドが詰まった楽しいアルバムだ♪(´ω`) また、これまでの成功で資金を貯め込んで来たのか、ダイナミックレンジをフルに活かした広がりのあるプロダクションでの制作が成されており、良質なサウンドのアルバムな点も本作のイメージを著しく向上させているように思う。 本作はバンドのソングライターでありギタリストでもある Greg Hartがプロデュースし、エンジニアとミックスは Ian Caple (Simple Minds、Tindersticks)が担当している。 ダークでハードな鈍色ヘヴィ・ロックを好む向きにはお薦め出来ないが、楽しい時間を過ごす為の音楽を探している方にならお薦めしたい、本作のクラシック・ポップ&レトロ・ロック・サウンドを是非一度チェックしてみて下さい。 CATS IN SPACE Members: Damien Edwards (Lead & Backing Vocals) Greg Hart (ex:MORTIZ ex:IF ONLY ex:GTS:G、Key、Vo) Dean Howard (ex:BAD COMPANY ex:IAN GILLAN BAND ex:T'Pau ex:再結成AIRRACE:G) Jeff Brown (ex:Andy Scott's SWEET ex:STATETROOPER ex:WILDFIRE:B、Vo) Andy Stewart(ex:MORTIZ ex:IF ONLY:Key、Vo) Steevi Bacon(ex:Robin Trower BAND:Ds)
by malilion
| 2020-12-14 00:21
| 音楽
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