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華麗なるヴァイオリン・シンフォサウンド再び!('(゚∀゚∩ 新生SOLSTICEが新譜リリース!

華麗なるヴァイオリン・シンフォサウンド再び!(\'(゚∀゚∩ 新生SOLSTICEが新譜リリース!_c0072376_17343281.jpgSOLSTICE 「Sia」'20

80年代当時から高い評価を得て活動するベテランで、2020年に結成40周年を迎える英国のネオ・プログレ&シンフォ・バンドSOLSTICEが、13年にリリースされた『Prophecy』以来7年ぶりとなる6枚目のスタジオ・アルバムをリリースしたので即GET!

このバンドはアルバム毎のインターバルが長く常にメンバーが流動的で今回も再びメンツ変動があり、97年の3rdアルバム『Circles』から長らくフロントを務めて来た Emma Brown嬢に代わって新たに4代目フロントマンに Jess Holland嬢が迎えられており、他のラインナップは新たに英Giant Electric Peaレーベルへ移籍し制作された本作でも変わらず、リーダーでギタリストの Andy Glassを筆頭にヴァイオリニスト、キーボーディストを含むいつもの6人編成となっている。

ファンなら既に承知の事とは思うが、このバンドは30年以上のキャリアで6枚しかスタジオ・アルバムをリリースしていない寡作アーティストなものの、小まめにLIVEアルバムやリマスター&リミックスによるボーナストラックが追加された旧譜リイシューやBEST盤等のリリースなどで断続的に空白期間を埋める気遣いは一応してはいて、地味にオサイフが嬉しい悲鳴を上げる事の多いバンドだ(w

前作はコンセプト作の為か若干サウンドが変化し、デビューからのメランコリックなフォーク&トラッド色とニューエイジやポンプ要素をを加味した軽快かつ爽快なYES+RENAISSANCE風な華麗にして叙情派な透明感と清涼感を漂わせるドラマティックなケルティック・シンフォ・サウンドなのは同一路線なものの、いつになくリーダー Andy Glassが弾くギターの渋い泣き泣きのブルージーなトーンを筆頭にバンドサウンドにジャージーなテイストが漂う、YES風味が薄れてCAMELっぽさが感じられるヴァイオリンの艶やかな音色が美しい幻想的なメロディアス・サウンドだった訳ですが、Jess Holland嬢の可愛く透明感ある歌声に変わった事により、前作のジャージーなテイストはそのままに初期の朴訥かつ美麗で爽快なシンフォ・サウンドの味わいが蘇ったように思え、個人的には前任の Emma Brown嬢より、新たな歌姫 Jess Holland嬢の方が本バンドのサウンドにはマッチしており、彼女のコケティッシュで可憐な歌声と屈託ないヴォーカルパフォーマンスが生み出す瑞々しい存在感がバンドを再び活性化させたのか、久しぶりに放たれた『Sia(ゲール語で「Six」を意味する)』はデビュ-作に匹敵する傑作アルバムだと個人的には思っとります(*´ω`*)

バンドが持つメロディアスで親しみやすい楽曲の魅力はそのままに、アルバム全編を通して演奏はシンプルで複雑にし過ぎる事は殆ど無く、メロディを第一に考えたアプローチを保っており、ケルティック・トラッド、ニューエイジ、フォーク、JAZZ、ポンプ、ブルーズ、カンタベリー、民族音楽、シンフォ要素等を内包した美旋律の数々には前作では感じられなかったファニーで楽しい『感触』があり、Jess Hollandの朗らかで伸び伸びと歌い上げるヴォーカルはまさに喜びに満ち溢れて眩く輝いているようで、穏やかなアコースティック・サウンドと可憐なコーラス、そして控えめなキーボードが非常にメロウなサウンドを紡ぎ、艶やかなヴァイオリンの音色が微妙な色合いを楽曲に加え、アルバム全体に絶妙なハーモニーと熟練の演奏が散りばめられており、それら全てが見事に溶け合って極上の美旋律を奏でている様は本当に本当に優美で華麗で復活作に相応しい充実の内容となっている♪

初めて本作からSOLSTICEに触れた方は、一聴した所では非常にシンプルでアッサリ目に思えるかもしれないが、その実様々な音楽要素が複雑に溶け合った美旋律満載な作品なので、何度も聴く必要があり、また何度聴いても新たな発見がある手の込んだアルバムだと言え、ロック的なダイナミズムとアップビートが少な目で序盤の掴みが多少弱く感じられるかもしれないが、聴き込むうちにその思慮深く柔らかで穏やかな素晴らしい楽曲と、独特のファンタジックな雰囲気と艶やかなサウンドの深みに引き込まれていく事だろう。

また、可憐な歌声で伝える本作の歌詞には、個人の自由と恐怖を克服する為の呼びかけや励ましが多く感じられ、より希望に満ちたメッセージを伝えるだけでなく本年に全世界を襲ったコロナ・ウイルス騒動を鑑みてか、互いへの責任感を思い起こさせる風な歌詞も散見するのを見るに、美しく幻想的な音楽であっても世相と全く無縁ではいられないのだな、と再確認させられてしまいました…

折角、こうして素晴らしい新譜をリリースした彼等ですが、世界を覆うコロナショックの状況を見るに恐らくLIVE活動はままならぬ事でしょうが、どうかめげずに創作活動を続けて欲しい、そう切に願う次第であります。

英国的リリシズムと艶やかなヴァイオリンの音色がお好きなシンフォ・ファンの方や、幻想的でメロディアスなシンフォサウンドがお好きな方に是非お薦めしたい一作であります。


SOLSTICE Members:

Andy Glass     (Guitars、Vocals)
Jess Holland    (Vocals)
Steven McDaniel  (keyboards)
Jenny Newman   (Violin)
Robin Phillips    (Bass)
Pete Hemsley   (Drums)


by malilion | 2020-12-09 17:31 | 音楽 | Trackback
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