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Greg Giuffria率いるUSAメロディアスHMバンドHOUSE OF LORDSの3rdアルバムがDIGITAL REMASTERでリイシュー!

Greg Giuffria率いるUSAメロディアスHMバンドHOUSE OF LORDSの3rdアルバムがDIGITAL REMASTERでリイシュー!_c0072376_20515249.jpgHOUSE OF LORDS 「Demons Down」'92

現在はフロントマンである James Christian率いるアメリカン・メロディアスHRバンドだが、解散前は元ANGELのキーボーディスト Greg Giuffriaが率いるシネマティックHNMサウンドを高らかに宣言して活動していた彼等の92年リリース3rdアルバムが20年度DIGITAL REMASTERでオフィシャル・リイシューされたのを、ちょい遅れてGET!

いきなりですが、大人の事情により即廃盤(!?)となった模様で、現在出回っている商品のみ取り扱いと言う事らしいので、お求めの方は即GETしておきましょう。

うーん、折角の再販なのに何があったんでしょうかねぇ…当時グランジーの闇に飲み込まれ、メジャーリリースにも関わらず惨敗した一作故に長らく廃盤で入手困難となっていた本作ですが、フランスのBad Reputationが折角リイシューしてくれたと言うのに、契約に漏れでもあって揉めたんでしょうかね?

しかし、再販即廃盤って…本当に本作はツイていないですねぇ……当時は時代にそぐわなかったが現在ならその内容が再評価されて、という再発定番の流れからも見放されてしまうとは…内容はとても素晴らしいのに…(´д⊂)


            ~閑話休題~


さて本作は解散前の最終作であり、Greg Giuffriaが操る映画サントラのような大仰でスケール感のデカいキーボードサウンドを大々的にフィーチュアした作風が頂点に達したUSメロディアスHMハサウンド作である3rdアルバムのDIGITAL REMASTER、さらにボーナストラックとしてアルバム収録曲のシングルエディット・ヴァージョンの2曲を追加した全12曲収録のリイシュー盤であります。

元々HOUSE OF LORDSはデビュー以来メンツが安定せず、本作も Greg Giuffria(Key)と James Christian(Vo)以外のメンツを一新して制作されており、有名どころではドラマーに全米を制覇した元白蛇の Tommy Aldridgeを迎えているのが当時は話題になっていたように記憶しております。

仮にメンツが安定して地道な活動を続けていたとしても、時代の流れと正反対の大仰で煌びやかな映画サントラのようなメロディアス・サウンドを演るというボスの Greg Giuffriaが掲げるバンドコンセプトでは、そのまま活動出来るはずもなかった時代でしたから解散は必然であったとも言えますね。

サウンドの方はシーンを覆い始めたグランジーなんぞに一切目もくれず、80年代後期から連綿と受け継がれてきたキャッチーで煌びやか、そして躍動感溢れるダイナミックでブライト感の強いUSメロディアスサウンドにいささかのブレも見えず、他のどのバンドよりも分厚く重厚なキーボードサウンドが華麗に鳴り響くスタイルを堅持しており、ある意味で他の誰でもない確固たるオリジナリティを築いている Greg Giuffria入魂の素晴らしい仕上がりだ。

まぁ、この後流行るギター主導のテク否定系ギターソロ皆無のダークでダルいグランジーサウンドを思うと、キーボード主導でテクニカル系ってだけでもかなりアゲンストなのに、さらに造り込まれた大仰でデジタリーで小奇麗なブライト・サウンドが売りでは、どうしたって売れるハズもなかったんですけど…(´д⊂)

一応、これまでで一番ヘヴィなギターもかなりフィーチャーされた、トータルでのバランスを考えたキーボード・サウンドばかりでないスケール感ある新機軸サウンドではあったんですけどね…

凡庸な楽曲でさえも James Christianの抜群の歌声と絶品の歌唱力ならば、フックあるメロディと重厚なハーモニーが交差する叙情感たっぷりな80年代風HMサウンドへと光り輝かせるのは当時からこのバンドの金看板であったので、そこは相変わらず抜群な仕上がりであります。

いやー、ホントに James Christianは歌が上手いなぁ、ここぞとばかりにオーケストラ・アレンジされたキーボードが艶やかに鳴り響く甘いバラードなんてUSバンドと思えぬ叙情感タップリ具合でホント絶品ですわ~♪('(゚∀゚∩

キーボード主導でムード満点なミステリアスなキーボードがたっぷりフィーチャーされ、終始グイグイと楽曲を引っ張る孤高のオリジナル・スタイルは本作で終了し、再結成してからは James Christianのヴォーカルを主軸に据えたキーボーディスト不在なまま、コンパクトでキャッチーな、ある意味で類型的なメロディアスHMサウンドを展開するバンドへ生まれ変る事を思うと、もう聴くことの叶わぬ本作のシネマティックHMサウンドは実に感慨深いものがありますねぇ…(´ω`)

オリジナル盤のジャケは全体的にブラウン系のフィルターが掛けられていた模様ですが、今回のリイシュー盤のジャケはフィルターが外された結果か全体的に青味がかった色味になっております、一応念の為。

リマスター効果で全体的に音圧がアップされ、ボトムもアタック感アップな今の耳で聴いても十分試聴に耐えるサウンドへブラッシュアップされているので、オリジナル盤をお持ちの方でも本作を気に入っているならもう一度購入しても決して損にはなりませんよ。

とか言っておいてなんですけど、元々悪い音のアルバムではありませんでしたから70年代アルバムのリマスター作みたいに『リマスター効果絶大!』ってな事はありませんけどね。正直な話(汗

現在活動している James Christian率いるHOUSE OF LORDSのファンは無論ですが、キーボードがたっぷりとフィーチャーされたキャッチーでブライトな80年代後期スタイルのUSメロディアスHMサウンドがお好きな方は是非一度本作をチェックして欲しいですね。

HOUSE OF LORDS Members:
James Christian   (Vocals)
Gregg Giuffria   (Keyboards)
Tommy Aldridge  (Drums)
Sean McNabb    (Bass)
Dennis Chick    (Guitars)



by malilion | 2020-11-30 20:42 | 音楽 | Trackback
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