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80年代産業ロックの模範的アルバムな唯一作を遺したアメリカンHRバンドMELIDIAN

80年代産業ロックの模範的アルバムな唯一作を遺したアメリカンHRバンドMELIDIAN_c0072376_17324212.jpgMELIDIAN 「Lost in the Wild」'89

スペインのJUPITERを聴いていてフッと彼等の事を思い出したのを思い出し(w)、ガサゴソとラックを漁って引っ張り出し、本日は本作に耳を傾けておりました。

ニューヨーク出身で1989年にアルバムをたった一枚を残して解散したキーボード入り5人組メロディアスHR&産業ロック・バンドMELIDIAN(メリディアン)のアルバムが10年に2010年度24Bitリマスタードされ、ROCK CANDY RecordsよりREMASTERED & RELOADED シリーズでオフィシャル・リイシューされていたのをご紹介。

当時、メジャーのCBS/Epicから発売された事もあって長らく廃盤であったが、『レア盤ながら内容も最高』という評価がメロハー愛好家達にされていた一品で、後から彼等の作品を買い求めて苦労させられたメロディアスHR愛好家は多いと言う曰く付きの一枚だ。

そう言う訳で既にリプロ盤(海賊コピー盤)CDが出回っていた模様ですが、今ではちゃんとリマスターされた正規盤が容易に安価で入手可能になっており、メロハー・ファンには嬉しい事だろう。

実際、彼等のアルバムはリリース当時に日本国内では好評であったにも関わらず、アメリカを中心にメジャー・レーベルを筆頭に音楽業界がグランジーの闇に覆われ始めた丁度その時にデビューが重なったのも災いしたのか、全く売れず、素晴らしいその作品の内容とは無関係に“時代遅れ”のレッテルを張られ、歴史の闇へ消えてしまった不運なUSAバンドの一つであります…(´д⊂)

英国を中心に勃発したティーンエィジャーの情熱の迸りのようなNWOBHMの荒々しく生々しいサウンドに対するカウンターのように米国から登場し、瞬く間に全世界の音楽市場を制圧し時代の趨勢を極めた、煌びやかでゴージャスでバブリーな華やかな人工的サウンドが特徴のポップ・メタル&産業ロックが爛熟期を迎えた90年代突入直前に、アメリカン産業ロックの最大公約数的サウンドを引っ提げて登場したのが彼等でありました。

ポップでキャッチーなヴォーカルラインを中心に、濁り声で伸びやかさがイマイチな荒くワイルドなイメージのリード・ヴォーカルの歌声ながらそんな点は分厚く爽快で透明感あるビッグコーラスでガッチリと楽曲を包み込んで一切気にならぬ仕上がりの、コンパクトでカッチリと纏まったブライトな音色満載な楽曲の上を、印象的なメロディーを刻むそこそこテクニカルなギタープレイと、産業ロック定番の涼やかでカラフルなキラキラとしたデジタリーなキーボード・サウンドが軽やかに交差する、ゴージャスな美旋律目白押しな、メジャーリリースされる産業ロック・バンドの教科書とも言える典型的なUSAポップ・ロックアルバムで、何か足りないものが見当たらない、本当に細部にまで気の配られたコンポーズとプロデュースが成された高い完成度のアルバムだ(*´ω`*)

SURVIVORやNIGHT RANGER、そしてAUTOGRAPHやDEF LEPPPARD、基本中の基本なJOURNEY等の売れ筋なメジャーのアリーナ・ロックバンド達の影響がそこかしこで散見(RATTのギターリフのモロパクとかw)する、ポップス、カントリー、L.Aメタルや産業ロック等の多様な80年代USAロック・サウンドの集大成的な磨き抜かれたメロディアスな王道ポップHRサウンドで、本作が全く売れなかったのを鑑みるに、当時は同じ路線でどんなバンドがどれだけ金を掛けた質の高いアルバムをリリースしようとグランジーという正反対の音楽性を提示する“流行”という名のカウンター・ムーヴメントには敵わなかっただろうと言うのが良く分かります。

メジャー・インディ問わず、同じように歴史の闇へ消えていった素晴らしいバンドがどれ程当時に居たのか、本バンドのアルバムを聴くにいつも心が痛みます…

で、なんでスペインのJUPITERを思い出したかと言うと、遠くスペインの地から彼等が想いを馳せ追い求め続けて結局は叶わなかった理想像が、きっと本作のような隙無く造り込まれた美旋律満載の華やかでバブリー、そしてゴージャスな産業ロック・サウンドだったんではないのかな、と思ったからなのです。

ホント、煌びやかで華やかなシンセサウンドに爽快な分厚いコーラスワーク、キャッチーなメロディーにフックあるギターフレーズ、ミッドテンポ中心ながらバラードやアコースティカルな楽曲も外さない、レーベルのバックアップやプロデュースも万全な、完璧に全てが揃えられたこれ以上足すモノも引くモノも無いソツなく纏まった非常に完成度の高い、80年代USAロックの教科書的なアルバムだから…

とは言え、最大公約数サウンドなので幅広い層に受け入れられるだろう事は容易に想像がつきますが、コレと言った独創性や強烈な個性は無いのも事実だし、本作はバンド作というよりも多くの人間の手によって“工業製品のように作られたアルバム"なのは明らかなので、もしグランジーの闇が訪れなかったとしても、そう長くシーンで活動出来なかったのじゃないかとは予想つきますけど(汗

時が流れ、最近になって80年代、90年代初頭の所謂メロディアスな80年代メジャー路線のバンド達が遺した音源が発掘リリースされる機会が増えてきておりますので、本作のような陽の目を見なかった素晴らしいアルバムが続々と発見され随時リリースされる模様なので、80年代産業ロックやバブリーでゴージャスな当時の朗らかなサウンドがお好きな方はインディ・レーベルのリイシュー情報から目が離せませんね♪


by malilion | 2020-11-17 17:28 | 音楽 | Trackback
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