![]() 元ASIAメンバーでASIA Featuring John PayneやGPSの他にも多彩なプロジェクトで活動する John Payne(Bass、Vocals)と、プログレ系のROCKET SCIENTISTSや Lana Lane、HM系ではLAST IN LINE等ジャンルを問わず幅広いアーティストとコラボレートし、ゲスト参加やプロデュース等で多忙な Erik Nolander(Keyboards)を中心とするプロジェクト・バンドの前作から2年ぶりとなる2ndアルバムを今頃入手したのでご紹介。 ちょっと待ってみたけど、案の定国内盤リリースは見送られたっポイですね…まぁ、前作の評判はあんまりだったようですから、半ば予想はしていましたから驚きもしないんですけど…orz 前作は、そもそもASIA Featuring John Payne名義で活動する予定だったのが、まさかの15年にも及ぶ相棒 Geoffrey Downesに裏切られる形で突如オリジナルメンバーで再結成したASIAとの契約上の問題でか、既にアナウンスされていたオリジナル楽曲の発売が出来ぬ状況に陥り、結局別名義の新バンドとしてアルバムを発表するという顛末でありました。 そういう経緯もあってかバンド固有のオリジナリティという点でブレ(ASIAを受け継ぐ音楽性で制作してたんだから致命的ですわ)が生じていたように思え、急遽新バンドとしての体裁を整えるお色直しが成されたのか、後期ASIAの音楽性まんまな楽曲やサウンドなのに、ちょいちょいハード寄りサウンドなGPS要素も顔を出したりと、新バンドのデビュー作なのに下手をするとAISAとGPSの未発音源集的な、今一つまとまりの悪いアルバムであったのは長年のファンであっても否めないでしょう。 本作では、そういった一連の問題を解決するべく二人が積極的に動いた模様で、やはり当人達的にも時間的な制約もあって前作はあの形でリリースせざるを得ない状況だったのが窺えます。 そんな前作の反省を活かしてかメンバーの変更が行われ、Jeff Kollman(Guitar)、Moni Scaria(Guitar)、HURRICANE、CIRCA、WORLD TRADE、UNRULY CHILD、ASIA、GPS、YES(!!)等への参加で有名なベテランドラマー Jay Schellen(Drums)に替わり、Alex Garcia(Guitar)、Eric Tewalt(Saxophone)、I AM、HOME COOKIN'に参加し、現在はゲームミュージック・コンポーザーとして活躍するマルチ・ミュージシャン Frank Klepacki(Drums)をサポートに迎え制作されている。 前作はメンバーフォトも公表されていたが、本作では John Payneと Erik Nolanderのみがジャケに映っており、前作時点では幾分バンドっぽさも感じさせていたが、ここに至っては吹っ切れたのか二人だけがコアメンバーで後はサポートのプロジェクト体制へ舵を切った模様だ。 有名どころで John Payneとも友好が長く本プロジェクト・バンドの重要なメンバーと思っていた Jay Schellenがまさか抜けるとは思わなかったが、売れっ子故に繋ぎとめておくのが難しかったのかもしれませんね、ギャラ的な問題でも…(´д⊂) そしてサウンドの方も当然変化しており、後期ASIAの音楽性を引き継いだAORとプログレをMIXしたサウンドであった前作のサウンドをベースにしつつ、より洗練されたAOR寄りのサウンドへ接近しており、何より今回は Eric Tewaltのサキスフォンが複数の楽曲で大活躍で、ASIAの焼き直し、劣化コピーと皮肉られた前作のイメージをガラリと変える大きな影響を与え、バンドのオリジナリティ確立の大きな助けになっているように思う。 そういった新要素やサポートメンツが持ち込んだ音楽性がポジティヴな影響を与えたのか、従来の楽曲スタイルを踏襲しつつもハイクオリティな楽曲は良くまとまっており、楽曲構成にもメリハリが強く感じられ、それでいてサキスフォンをフィーチャーした新要素やUKポップス風味なコーラス(ちょいHEEPっぽかったりして)等、これまで余り感じられなかった要素など、新バンドである存在理由と言えるオリジナリティがサウンドから感じられ、どちらかと言うと比較的ベーシックな音色を聴かせる Erik Nolanderのプレイにポピュラー音楽的要素や所謂プログレ的なニュアンスが強く、John Payneのヴォーカルアプローチやコーラスの使い方等に実験的な新要素を多く感じ取れる、中心の二人で新要素と従来要素のバランスを取りつつ、サポートメンツによる外部からの要素でサウンドに分かりやすい新鮮味を感じさせる二段構えな、なかなかに老獪な構成となっているのは流石はベテランの作品と言えよう。 正直、前作はアルバムリリースまでのゴタゴタが長過ぎたので、本作を真の意味でのデビュー作にしたいと二人は考えているのではないだろうか? それくらい吹っ切れた感のある、前作の中途半端さが嘘のように見事に調和の取れたアルバムだ。 John Payneのパワフルで骨太なヴォーカルが、クラシックなシンセサイザーとキーボードの音色の上で伸びやかに躍動し、Erik Nolanderの魔法の鍵盤が描き出す繊細なメロディーと豊かなハーモニーが満ちた楽曲は瑞々しく輝いており、後期ASIAの伝統を受け継ぐメロディアスでよく練られた、ハード且つソリッドでダイナミックなサウンドが味わえるヴォーカル・オリエンテッドなAOR&メロディアス・ロック作は、本当の意味での再出発作に相応しい仕上がりとなっているので、前作の悪評を気にして本プロジェクト・バンドに興味を無くした方にこそ、是非一度耳にして欲しい作品であります。 DUKES OF THE ORIENT Musicians: John Payne (Lead Vocal、Guitars、Bass) Erik Norlander (Keyboards) with Alex Garcia (Guitars) Frank Klepacki (Drums) Eric Tewalt (Saxophone) P.S. しかし、 ブックレットのメンバーフォトに Frank Klepackiだけドラムのクレジットが無いのはなんでですかね? まぁ、単なるミスなんでしょうけど、最初『ドラム以外にもプロデュース等で八面六臂の活躍で全面的にアルバム制作に貢献しているからクレジットがドラムに限定されていないのか?』とか考えてしまいましたよ(w
by malilion
| 2020-10-26 10:08
| 音楽
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