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80年代中期に活動していたスペインのメロディアスHMバンドJUPITERがリユニオン!?

80年代中期に活動していたスペインのメロディアスHMバンドJUPITERがリユニオン!?_c0072376_17201072.jpgJUPITER 「Radio Rock n' Roll +5」'16

スペインのマドリード出身で1985年結成、80年代初期ユーロHM色が濃い正統派スパニッシュHMバンドGOLIATHのメンバー達が改名して結成した、キーボード入り5人組スパニッシュHMバンドの88年リリース2ndアルバムが16年に手書きナンバリング500枚限定&リマスターで、1stと同時にデモ音源他をボーナス収録してオフィシャル初CD化されていたのを今頃にご紹介。

GOLIATHは地元スペインではカルトな人気を博したもののメンバーチェンジが勃発してしまい、それを契機に世界を席捲するゴージャスなUSメタルの時流を察知してかさらなるメジャー展開を狙ってバンドは音楽性の変化を断行し、GOLIATHの元メンバーである Javier Ponce(Guitar)と Jose Barta(Keyboards)に加え、新たにGOLIATHへ加わった Narciso Lopez-Tenorio(Vocals ex:BABEL)、Jose Rubio(Bass)、Juan Jesus Garcia(Drums)等と共にJUPITERへとバンド名が改名された。

70年代から続く英国で発展してきたクラシックHMの流れを汲む音楽を演奏していたGOLIATHのサウンドをベースとしつつも、よりアメリカナイズされたBON JOVIやWHITESNAKE 、EUROPE等の当時USAチャートを賑わしていたブライトでキャッチーな洗練されたポップ・メタル・バンド群のサウンドを目指してJUPITERは結成される。

この売れ線サウンドへの路線変更は、当然のようにブリティツシュHM好きなGOLIATHファンには不評であったが、バンドは変化を恐れず音楽活動を続行した。

なお、本作制作前に、新たなキーボーディストとして Guillermo Pascualが、ドラマーには Carlos Leonが迎えられている。

メジャー路線なサウンドで新たな聴衆層を得たデビュー作が予想以上に好評だった事からポリグラムとメジャー契約(!)を結んで制作された本作は、前作以上にポップでキャッチーなアメリカナイズされた軽めのHRで、80年代特有のブライトな感触と産業ロックに近い売れ線に走ったそのサウンドは、当時アメリカでメインストリームであったサウンドと比較するとスペイン産バンドらしい垢抜けなさは未だにに感じるもののバンドの2作目としては上々の出来であったが、けれどバンドやレーベルの思惑とは裏腹にセールスは惨敗で、LIVEの集客も散々な結果に終わり、結果的にバンドは分裂、そして解散してしまう引き金となった曰く付きの作品だ…(´д⊂)

Guillermo Pascualが操るキーボードがモロにEUROPEや産業ロックの影響を感じさせる、華やかでデジタリーなシンセが高らかに鳴り響く如何にも80年代というサウンドで、その筋がお好みの方ならそれだけで破顔しそうになる古き良き懐かしきサウンドな訳ですが、AORや産業ロックに接近した楽曲ばかりでなく、バンドリーダーとして Javier Ponceもエッジを失わぬハードなギタープレイを控えめにではあるが随所で繰り広げ、疾走感とフックあるメロディアスな楽曲では如何にもHMバンドらしいスリリングなプレイや美旋律を聴かせており、バックのサウンドも他の同時代の同郷バンド達に引けを取らぬレベルであるのに、どうして本作のセールスが惨敗したのかイマイチ不思議でなりません。

ジャケは芋臭い如何にもインディってな野暮ったいデザインですが、それが不評で即メジャーが見放す程メチャメチャ売れなかった理由とは考えられませんしねぇ…謎だ(汗

当初、ポリグラムはこのアルバムの出来具合に満足し、このアルバムの英語ヴァージョンを録音して(PFMみたいデスネ)ユーロ圏での販売を開始しようと考えていた程なのに、計画が全て白紙になる程にスペイン語盤の売り上げが悪かったとは少々信じられないし、もし英語ヴァージョンをリリースしていたら、もしかしたらチャートアクションも変わっていたかもしれないのに、とは思うけれど、今となっては、な話ですよね…('A`)

考えられる点としては、やはり Narciso Lopez-Tenorioの歌う歌詞がスペイン語なのがワールドワイドな活動をする上で大きなデメリットであったのと、ブライトでポップな楽曲を歌うには Narciso Lopez-Tenorioの浪々とした歌い上げる歌唱スタイルとポップ向きでない声質、そして音域的にも余り広くない点がイマイチ楽曲にアジャストしていなかったかも、という点くらいでしょうか?

もうちょい Narciso Lopez-Tenorioがブライトで通りの良い声質で活動を継続していたならば、同時期の同郷バンドで90年代初期まで活動して好評を博していたSANGRE AZULと同じくらいメジャーな存在になっていてもおかしくない、そう思えるカラフルなキーボードをフィーチャーしたキャッチーでメロディアスなサウンドなんですけどね。

個人的にはスペイン語歌詞も、Narciso Lopez-Tenorioのヴォーカルも問題無く、絶賛する程でもないが酷評する程悪くないヴォーカル・スキルだとは思うのですが、やっぱり巻き舌っぽいのが産業ロックサウンドにフィットしなかったんですかねぇ?

もっとUSAバンドっぽい分厚いバッキングコーラスでキャッチーな歌メロを覆いつくせば良かったのか、もっとUSA風な抜けの良いドライで爽快なサウンドにすればよかったのか…でも、本作は英国録音なんですよね…(汗

後はスペインのリスナーが、アメリカナイズされたサウンドのスペイン・バンドのアルバムを聴くなら、本場アメリカのバンドのアルバムを聴く方を選んだ、という事もあっかのかもしれません。

ちょっと北欧風味な哀愁漂うメロディだったりスペインらしい臭いメロディが感じられたりと、お手本のUSAバンド群に無い独特な魅力もあって、ユーロ風味がそこはかと香るUSA風サウンドはなかなか他で聴けぬサウンドで、確かに無理にアメリカナイズしたサウンドを演っている感は多少あったが、個人的には実に興味深いユーロとアメリカンの折衷案的HMサウンドだったのに短命で終わったのが残念であります。

まぁ、ルックスに関してはさすがに煌びやかでバブリーな本場USAバンド群に及ばないイモ臭さ(汗)は拭い難い訳ですが、それだってルックスがダメダメでも売れたUSAバンドが居ない訳じゃないので最大の敗因とは言えないと思うんですよね……月並みですが、レコード会社のプロモーションが悪かったのか、プレゼンする方向性がバンドの音楽性とマッチしていなかったのかもしれませんね…

その後、メンバーはバラバラになり、現在まで音楽活動を続けている者もいれば、Javier Ponceのように警察官になる為に音楽業界から足を洗う、という風にシーンから姿を消す者もいた。

と、ここまでは完全に過去の話な訳ですが、なんとバンドは2018年に、残念ながら完全に昔のメンバーが揃った訳ではないが(オリジナル・ギタリストで中心人物であった Javier Ponceが03年に他界している)リユニオンしてLIVE(!)を披露しており、このニュースを耳にした時は同窓会的LIVEの為のリユニオンかと思っていたのですが、予想外にも21年にフランスのパリのイベントでLIVEを披露する予定(!?)となっているので、現在も活動中な模様だ。

もしかしたら新作をリリースするかもしれないので、続報を待ちたいですね(*´ω`*)





by malilion | 2020-10-23 17:14 | 音楽 | Trackback
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