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北欧スウェーデンから Peo Pettersson率いるブリティッシュHRをリスペクトしたクラシックHRバンドSTAGGERWINGがデヴュー!!

北欧スウェーデンから Peo Pettersson率いるブリティッシュHRをリスペクトしたクラシックHRバンドSTAGGERWINGがデヴュー!!_c0072376_13130617.jpgSTAGGERWING 「Same」'19

北欧スウェーデンから登場のキーボード(ハモンドB3)入り5人組クラシックHRバンドによる'19年制作のデヴュー・アルバムがやっとこリリースされたので即GET!

デジタル先行でEPがリリース(本作と楽曲かぶりは無し)されていたが、やっとフルアルバムがお目見えとなった。

本作はAXIA、LEVITICUS、AOR系ソロ、P.A.L.などの各種プロジェクトやゲスト参加等々と多彩な才能を幅広く披露しているスウェーデン人ヴォーカリスト&ギタリスト Peo Petterssonと彼のデビュー・ソロ作から長年の盟友であり二人が中心のプロジェクトKINGS & DREAMSでも共演していたギタリスト Dan Bostromが本作でも中心となっているプロジェクト・バンドだ。

『KINGS & DREAMSがあるのに、また別名義バンド作!?』と、思われるのは当然ですが、どうやら本作のサウンドを聴くにKINGS & DREAMSはアメリカンなAOR系サウンドを追求し、本バンドでは古き良き70年代後半から80年代前半頃までのブリティッシュHRサウンドをリスペクトした伝統的なHRサウンドに焦点を当てた、ブッちゃけて言うと北欧ミュージシャンが愛して止まないDEEP PURPLE、WHITESNAKE、RAINBOW風サウンドに北欧ポップフレーバーをまぶしたメロディアス・サウンドを追求する方向性でバンドを区別している模様だ。

まぁ、これまでの二人の活動を見ていれば只のキーボードサウンドが欲しいだけならわざわざ専任キーボーディストを招く訳もなく、わざわざハモンド奏者を招いているのを見ても分かるように本作の重要なキーポジションは中心人物の二人以上に鍵盤奏者、もっと言うと Jon Lordポジションのハモンド奏者と言う事になるでしょう。

もっとも、サウンドの方向性故にハモンドB3の味のあるサウンドが楽曲の味付けに大きく関わっているとは言え、あくまで中心メンツは Peo Petterssonと Dan Bostromなので、DEEP PURPLEの Jon Lord程に楽曲内で自己主張は出来ていないしサウンドのウェイト的にもクラッシック風サンドの味付け以上には活躍させてもらえていないのが、ちょっと悲しいですね(´д⊂)

それでもEPではかなり多目にソロパートを与えられていたり、アルバムでも印象的なフレーズをイントロや間奏パートで披露し活躍しているので単なるサイドメン以上の扱いだとは思えますけど……

バンドの方向性がクラシックHRサウンドと言う事もあってか Peo Petterssonのヴォーカルは普段のAOR系より幾分ロートーンやミドルレンジを多用した、いつもの爽快ハイトーンを控えた歌い方でHR風にパワフルに歌い上げる事に注力しているのが分かり、Dan Bostromに至ってはモロに Ritchie Blackmore風なブルーズフィール香るプレイを繰り広げており、時折チラつくRitchie風ギターリックやミステリアスなフレーズが飛び出す度に素のギターキッズな顔が垣間見えて微笑ましい(*´ω`*)

時にワイルドに暴れ、時に甘いオルガン・ラインを現わす Axel Karlsson Kraftが操るキーボードが大活躍し、ブルージーなコーラスがさらにクラシックな雰囲気を盛り上げる、全体的に70年代後半から80年代前半頃のクラシックHRサウンドだが、細かなアレンジやモダンなアプローチ、そして Peo Petterssonと Dan Bostromの二人が編み出すフックある豊かなメロディと華やかな楽曲には隠しようもなく北欧フレーバーが色濃く漂っており、DEEP PURPLEやWHITESNAKEという古典的HRサウンドをモダンでキャッチーな現代的メロディアスHRに仕立て直した素晴しいHRサウンドが詰め込まれており、古典的ブリティッシュHRバンド好きな方ならきっと気に入るだろう一作と言えましょう。

と、ここまで褒めて置いてなんですけど、あくまで“ブリティッシュHR風”サウンドなので、お手本のバンド群のような破れかぶれなパワフルさや鬼気迫るスリリングなインタープレイが火花を散らす、なんて事は無く、他の何者でもない唯一無二の個性とアーティスティツクな孤高の感性の輝き、なんてものも見当たらない、ベテランらしいバランス感覚が活かされコンポーズが成されたアルバムなので、そういったポイントで70年代ブリティッシュHRを好んでいるような方には物足りない、お行儀の良過ぎる軟弱B級HRサウンドと捉えられてしまうかもしれませんのでご注意を。

所で今回 Dan Bostromが一曲でリードヴォーカルを披露しているが、そのヴォーカルスキルの高さと良い声に驚かされましたね。

ベーシストの Hakan Anderssonも一曲でブルーズ風味強い楽曲に良くマッチした力強いリードヴォーカルを披露しており、意外にHR形態バンドなのに第三期DEEP PURPL以上の三重コーラス(w)も可能というなかなかに強力な布陣のバンドなので、是非このメンツで次なるアルバムも届けて欲しいものであります。

Musicians:
Peo Pettersson:Lead & Backing Vocals、Guitar
Dan Bostrom:Guitar、Backing Vocals (Lead Vocal on Track3)
Hakan Andersson:Bass、Backing Vocals (Lead Vocal on Track9)
Kjell Andersson:Drums
Axel Karlsson Kraft:Organ、Keyboards




by malilion | 2020-08-29 13:07 | 音楽 | Trackback
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