AUTUMN'S CHILD 「Same」'19
Mikael Erlandsson関係の音源だし出来は保障されてるんだから慌てて買う事もないか、と後回しにしていたらこんなに遅れてしまいました(汗 ソロ、数多くのプロジェクトやセッション、バンドに参加し、北欧メロディアス・ロック好きにその名を知られたスウェーデン人シンガー Mikael Erlandsson(Vo)がドイツのメロディアスHMバンドFAIR WARNINGの元ギタリスト Andy Malecek(G)と新バンド結成を画策し、EUROPEで有名な Ian Haugland(Ds)、Mic Michaeli(Key)、John Leven(B)が2人の要請に応え、メロハー・バンドLAST AUTUMN'S DREAMが誕生したのが2003年だった。 続く2ndアルバムで元EUROPE組の3人はEUROPE再結成の為に脱退し、代わって元TALISMANの Marcel Jacob(B)、TREATの Jamie Borger(Ds)が参加し、以降16年に渡り毎年決まって年末にキャッチーな素晴らしいアルバムを届けてくれた彼等も、15枚目のアルバムをリリースする頃には主要メンツだった Andy Malecekが病気が原因で脱退、Marcel Jacobは自殺、Jamie BorgerはTREATの再結成で多忙でバンドに時間が取れない、と諸々の問題が持ち上がる中で当初のバンドの勢いは失せていき、 Mikael Erlandssonは2018年LAST AUTUMN'S DREAMの活動休止を決意する。 そんな Mikael Erlandssonが新たに結成したバンドのデビュー作が本アルバムだ。 LAST AUTUMN'S DREAMは結成メンツが豪華でHM界隈で話題を呼んだが、本作も知名度では劣るが実力では決して引けを取らぬ猛者揃いだ。 結成メンバーは以下の通り、 Mikael Erlandsson (Vocals) Pontus Akesson (Guitars:MOON SAFARI) Jona Tee (Keyboards:H.E.A.T) Robban Back (Drums:ex:ECLIPSE) Claes Andreasson (Guitars、Additional Keyboards:HEARTBREAK RADIO) の5名で、いずれも名のあるバンドに参加している実力者揃いで、この中で一番メロハー系リスナーに訴求するのは先日傑作アルバムをリリースしたばかりのスウェディッシュ・メロハー・バンドH.E.A.Tのキーボーディストでもある Jona Teeと、Erik Martensson率いるスウェディッシュ・メロハー・バンドECLIPSEの元ドラマーであった Robban Backだろう。 また、長年 Mikael Erlandssonの作曲パートナーでもある Claes Andreassonは、これまでにもLAST AUTUMN'S DREAMに楽曲を提供したり、北欧オタスケ・ミュージシャン Tommy Denander率いる北欧AORプロジェクト・バンドHEARTBREAK RADIOに参加し、Michael ErlandssonがLAST AUTUMN'S DREAMの3rdアルバム用に作曲したものの未収録に終わった楽曲を中心に構成されたHEARTBREAK RADIOのデビュー作をリリースしている等、LAST AUTUMN'S DREAMの影のメンバーと言える活動をしてきた人物で、LAST AUTUMN'S DREAMファンには既に馴染みがある名だろう。 そして、個人的に本作参加のメンツの中で最も興味を惹いたのが、唯一違うフィールドであるプログレ系から参加しているギタリスト Pontus Akessonで、北欧のプログレTHE BEACH BOYSの異名を誇るMOON SAFARIのメンバーである彼がどうしてメロハー系のアルバムである本作に参加する事になったのか興味津々であります。 まぁ、同郷スウェーデンで活動しているのだし顔見知りであってもおかしくは無いんですが、スウェーデンと言えばメロハー系の実力派ギタリストや有名プレイヤーは他にも数多くいる訳ですから、そんな中で彼が参加した何か特別な理由があったのかちょっと気になりますね。 現時点ではベーシストは未定で、本作はセッション・ベーシストを複数招いて制作されております。 残りの1人が一体誰になるのか、どんな実力者や名前の知れた猛者が迎えられるのか、今から興味が尽きません(*´ω` *) さて、本作の内容の方ですが、バンド名を見ても分かる通りにLAST AUTUMN'S DREAMの延長線上のバンドと簡単に予想がつき、そんな思いを裏切らぬ極上の北欧メロハー・サウンドでありまして、Andy Malecekのカラーや Jamie Borgerのカラーが混ざって独特の味わいになっていたLAST AUTUMN'S DREAMの優しく朗らかなキャッチー・サウンドが、より『Mikael Erlandsson』カラーが強まったイメージと言えば伝わりますでしょうか? LAST AUTUMN'S DREAM同様にアップ・テンポな泣きのクリアーなギターが大々的にフィーチュアされた哀愁漂う叙情感ある楽曲を、北欧ならではの煌びやかなシンセがうっすら覆い、そんな中で Mikael Erlandssonのハスキーな歌声が良く映えるキャッチーでフック満載なポップサウンドが実に心地よく、LAST AUTUMN'S DREAM後期から恒例の所々で往年のUSAポップなサウンドテクスチャーも顔を出す遊び心もあって、HMと言うよりHRな温かみ有るサウンドの本作を、素晴らしい出来の一枚だと言ってもメロハー・ファンから異論は少しも出ないでしょう(*´ω` *) メンバーが既に名うてのプレイヤーなのでサウンドやプレイに不備や不満は少しも無く、切なく咽び泣くギターの音色は哀愁タップリに響き渡り、ポップでキャッチーなサウンドを飾り立てるキーボードのアレンジはお洒落で小気味良く、リズム隊は手堅くボトムを支えつつここぞと言う所でワイルドに暴れ、メランコリックな北欧メロディアス・サウンドにほんのりUSAポップなテイスト(意図的にTOTOっぽい?)が加わったブライトサウンド、その全てが Mikael Erlandssonの優しく伸びやかな歌声を輝かせており、LAST AUTUMN'S DREAMのデビュー作を初めて聴いた時のような、なんとも言えぬ満たされた気持ちになって大満足な一枚であります♪ そうそう、初期はちゃんと専任キーボーディストがいたけれど、いつの頃からか Mikael Erlandssonがキーボードを兼任するのがスタンダードになってしまったLAST AUTUMN'S DREAMですが、久しぶりにちゃんとキーボーディストがいる形態のバンド作と言う事もあってか、やはりキーボードの鍵盤捌きはLAST AUTUMN'S DREAMより優れており(当然か)、所々で聴けるフレーズやプレイ、そして音色のチョイスなどにLAST AUTUMN'S DREAMには感じられなかった特色が加わって感じられる点は大きな変化と言えるかもしれません。 文句らしい文句は無いのですけど、全編高品質な楽曲で占められているアルバムなのですが、ちょっと Pontus Akessonのギターの印象が薄く感じられるので、次なる新作ではもう少しテクニカルなプログレっぽい自己主張するプレイなんかも聴かせて欲しいなぁ、と言うのが唯一の不満点かな? 各メンバーが他のバンドとの掛け持ちと言う事もありますし、LAST AUTUMN'S DREAMの時のように一年に一枚というハイペースで消耗するのは避けて、出来る事なら末永く本バンドのアルバムを届けて欲しいものです。
by malilion
| 2020-05-30 17:22
| 音楽
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