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ドイツのアメリカン(?)・メロディアス・ロックバンドHARTMANNが、新曲、カヴァー曲、LIVE音源と変則なアルバムをリリース!

ドイツのアメリカン(?)・メロディアス・ロックバンドHARTMANNが、新曲、カヴァー曲、LIVE音源と変則なアルバムをリリース!_c0072376_20514815.jpgHARTMANN 「15 Pearls And Gems」'20

ドイツのHMバンドAT VANCEの元フロントマンであり、近年ではAVANTASIAをはじめ様々なプロジェクトやドイツのPINK FLOYDのトリビュート・バンドECHOESのリードヴォーカルも務めているヴォーカル&ギタリスト Oliver Hartmann率いる4人組ドイツ産AOR&メロディアス・ロックバンドの、前作から約2年ぶりとなる通算7作目がリリースされたのを、ちょい遅れてGETしたのでご紹介。

本作は通常のアルバムと少々趣が異なっており、今年でアルバムデビュー15年を迎えるのを記念して Sascha Paeth(AVANTASIA、BEYOND THE BLACK、KAMELOT)と Oliver Hartmannが共同ミキシングした、新曲5(厳密には4)曲、LIVE音源5曲、カヴァー曲5曲の、アルバムタイトル通り計15曲を収録した変則的な構成のアルバムとなっている。

メンツは前作と変わりなく、Oliver Hartmann(Vocals、Guitars)、Mario Reck(Guitars)、Armin Donderer(Bass)、Markus Kullmann(Drums)の4名で、前作では Mr.BIGの Eric Martinがゲストで招かれていたが、今回はカヴァー曲でドイツを代表する女性ロック・ボーカリストの一人である Ina Morgan嬢(AVANTASIA)を招いて Oliver Hartmannとデュエット曲を披露しており、LIVEトラックで1曲で EDGUY&AVANTASIAの Tobias Samiasと Sascha Paethの2人を招いている他はゲストは招かれていない。

さて、注目の新曲の方だが、ドイツ産バンドなのに如何にもアメリカンなカントリー風味も漂うAOR系ロックサウンドが身上な彼等らしい、Oliver Hartmannの白蛇のデビカヴァを彷彿とさせる図太く渋い歌声と黒っぽい女性バッキングコーラスなどがフィーチャーされたそこはかとポップで枯れたギターの音色が味わい深いブルージーな楽曲が納められており、前作同様にアーシーで埃っぽい枯れたサウンドやSCORPIONSを彷彿とさせる歯切れ良いギターをフィーチャーした楽曲、ヘヴィネスな味のあるミッドテンポのナンバーなども有り、総じてオールド・アメリカンスタイルが顕著なそのメロディアス・サウンドは、これまでの彼等のアルバムが気に入っている方なら文句なくお気に入りとなる事だろう。

5曲目の『Glow』は本作で唯一のリミックス曲で16年リリースの『Shadows and Silhouettes』収録曲なのだが、今回のバージョンでは少しだけ音の大きさと瑞々しさが増して感じる他は特にオリジナルとの違いは余り感じられない仕上がりとなっており、何故この曲をわざわざ再び収録したのか理由は判然としない。

まぁ、単に Oliver Hartmannのお気に入りの楽曲だったからなのか、前回収録時の仕上がりに何らかの不満があったのかも?

新曲から続くカヴァー曲は、Jermaine JacksonとPia Zadoraが映画『Voyage of the Rock Aliens』のサウンドトラック用に録音したポップス『When The Rain Begins to Fall』がオリジナルで、ポップな雰囲気を漂わせつつも現代的なモダンなタッチを感じさせ、ヘヴィなコーラスで Oliver Hartmannと『AVANTASIA』で名を馳せている Ina Morgan嬢がデュエットを披露しているのと、頭5曲と全く赴きの変わったデジタリーなメロハー・サウンドを披露しているのが注目点だ。

2曲目のカヴァーにはオーストラリアのパブロックバンドICEHOUSEの『Street Cafe』が選ばれており、ちょっとムーディーでミステリアスなアコースティック・サウンドと Oliver Hartmannの深くてパワフルな抜群の歌唱は初期HARTMANN風な楽曲で、言われなければカヴァー曲と気づかないのでは?

3曲目は Billy Joelの『I Go to Extremes』で、ミッドテンポのシンプルな楽曲を力強く Oliver Hartmannが歌い上げており、オリジナルがそうだから当然だが正しくヴォーカリストの素晴らしい歌唱力だけに焦点を絞ったような曲で、Oliver Hartmannの素晴らしい歌声を堪能出来る他にも、Mario Reckの乾いたスライドギターが大活躍しているのが聞き所です。

4曲目は Alanis Morissetteの楽曲『Uninvited』で、ゆったりとミステリアスなテンポとダークでメランコリックなメロディ(ちょっとZEPぽい?)はHARTMANN的には珍しいタイプの楽曲と言え、この意外な選択は何故かと思ってしまうが、似通ったアメリカン・ロックな楽曲ばかりになるのを避ける為の工夫かもしれない。

5曲目はご存じFREEの『Fire and Water』で、Oliver Hartmannが Paul Rodgers張りなソウルフルな歌声をここぞとばかりにパワフルに披露しており、オリジナルを彷彿させる鋭いギターが溢れ、素晴らしいブルージーなエッジが息づいている。

アルバムを締めくくる、ドイツのナイトクラブ Colossaal Aschaffenburgで数年にかけて録音された5曲のLIVEトラックは、アルバムよりもハードエッジがある小気味良いギター・ワークとLIVE映えする Oliver Hartmannの伸びやかな熱唱と抜群の歌唱力を堪能出来、中途半端なコンピレーション版LIVEトラックでなく、フルLIVEアルバムでもっとその素晴らしい演奏と真摯でパワフルな歌声を聴かせて欲しいと願ってしまう、文句なく素晴らしい出来だ。

Track List:
01. Can’t Stop This Train
02. Walking On A Thin Line
03. How Does It Feel
04. You Will Make It
05. Glow(Remix 2020)

06. When The Rain Begins to Fall (Featuring Ina Morgan:Originally Recorded By J.Jackson/Pia Zadora)
07. Street Cafe         (Originally Recorded By Icehouse)
08. I Go To Extremes       (Originally Recorded By Billy Joel)
09. Uninvited          (Originally Recorded By Alanis Morissette)
10. Fire And Water        (Originally Recorded By Free)

11. The Sun’s Still Rising   (Recorded Live At Colossaal Aschaffenburg / 01.10.16)
12. What If I          (Recorded Live At Colossaal Aschaffenburg / 01.10.16)
13. Don’t Give Up Your Dream  (Recorded Live At Colossaal Aschaffenburg / 01.10.16)
14. Brothers           (Recorded Live At Colossaal Aschaffenburg / 21.11.09)
15. Out In The Cold       (Recorded Live At Colossaal Aschaffenburg / 20.05.18)

今回は15周年記念盤と言う事で少々変則的な構成のアルバムではありますが、相変わらず Oliver Hartmannの素晴らしいディープ・ヴォイスが堪能出来るAOR&メロディアス・ロック・サウンドが満載な好盤でありますので、もしご興味あるようでしたら一度チェックして見て下さい(*´ω` *)




by malilion | 2020-05-28 20:42 | 音楽 | Trackback
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