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北欧メロディアス・ポップバンドSTONEFLOWERが6年ぶりに新譜をリリース!

北欧メロディアス・ポップバンドSTONEFLOWERが6年ぶりに新譜をリリース!_c0072376_20421319.jpgSTONEFLOWER 「Finally」'20

03年に1st『Crack a Little Smile』をリリースし以降音源等のリリースが無かったが、14年に11年ぶりとなる2ndを突如リリースしその爽快でAOR風味満点なキャッチー・サウンドでメロディアス・ハードポップ・ファンを魅了した北欧ノルウェー産バンドが、6年の時を経て新たなメンバーと共に本格始動し3rdアルバムをリリースしたので即GET!

まずはバンドのこれまでを大雑把に説明すると、Diesel Dahl(Ds:TNTの創設者にしてオリジナルドラマー)率いるDIEZELでアルバムを1枚リリースした後、メンバーだった Tom Sennerud(G)、Frode Henriksen(Vo)、Jon Johannessen(G)達は自分達のバンドSTONEFLOWERを1996年にノルウェーの首都オスロにて結成する。

03年デビュー作『Crack a Little Smile』は、Tom Sennerud(G&Vo)、Frode Henriksen(Vo)、Jon Johannessen(G)に加え、Svenn R.Huneide(B)の4人がメンバーで、ドラマーに Steinar Krokstad(STAGE DOLLS、VAGABOND、KING OF GROOVE)とキーボードに Dag Bardstuの二名をゲストプレイヤーとして制作された。

弱小レーベルStoryteller Recordsからデビュー作はリリースされ、AOR Heavenのディストリビューションで世界中で販売され Svenn R.Huneideの弟である Geir Johnny Huneide(Ds)が参加したビデオクリップも公開されたが時流はグランジー一色なせいもあってか活動はままならず、05年に中心人物の Jon Johannessenが脱退してしまう。

残されたメンバーはゲストの二名を加えて新作へ向け創作を進めるものの、10年にシンガーの Frode Henriksenが脱退した為にバンドは敢えなく解散。

しかし、Tom Sennerud(G)は制作途中で放棄されたアルバムをそのままお蔵入りにするのは惜しいと、一人でアルバムを仕上げる事を決意。

Svenn R.Huneide(B)や Frode Henriksen(Vo)、Steinar Krokstad(Ds)、Dag Bardstu(Key)等が残した音源を使い、2nd『Destination Anywhere』を自身のレーベル Late Night Musicから14年にリリースする。

『新作については何も話し合われていない』という残念なコメントがブックレットに述べられていたが、北欧的な哀愁とAOR風の洗練されたポップ・フィーリングを兼ね備えたキャッチーで清涼感あるメロディとコーラスが秀逸なフック満載のハードポップサウンドは当然のように好評を博し、それに気を良くした Tom Sennerudが再びメンバーを集め、前作から約6年ぶりとなる新作リリースの運びとなった模様だ。

現在のバンドメンツは、Tom Sennerud(Guitars、Keyboards、Vocals)、Svenn R.Huneide(Bass、Vocals)のオリジナルメンツに加え、1stのプロモにも参加していた Svennの弟 Geir Johnny Huneide(Drums)がやっと今回から正式メンバーへ昇格、そして新フロントマンに John Masaki(Vocals)を迎えた4人組体制となっている。

また、本作にはゲストが多数迎えられており、ノルウェーで最も有名な凄腕セッションドラマー Per Hillestad(LAVA、a-ha)や、デビュー作以来長らくバンドをヘルプして来た Steinar Krokstadも迎えてドラムは録音され、他にもスウェーデン人ギタリストなAORプロジェクト・オタスケマン Tommy Denanderや、ノルウェー人キーボーディストの Bjorn Ole Rasch(SECRET GARDEN)、ノルウェー・ハードポップバンドDA VINCIのギタリスト Gunnar Westlie、ノルウェーのポップ、フォーク系シーンで活動するノルウェー人キーボーディスト Johannes Winther Farstad等が参加している。

今回AOR Heavenとレコード契約を結んだ本作は、主にTom Sennerud自身のスタジオ『Late Night Music』でレコーディングされているが、一部のドラムは Leif Johansen(21 GUNS、PHENOMENA、a-ha)の『Stable Studio』で録音され、ミックスは Trond Engebretsenと Tom Sennerud、マスタリングは Jeff Northrup(KING KOBRA)が務めている、とこれだけの前情報だけでAOR好きやメロハー・ファンは俄然注目しちゃいますよね?(w

さて、本作のサウンドはと言うと、Diesel Dahl率いるDIEZELの元メンツが立ち上げた事や、Jon JohannessenがTNTに楽曲を提供していたりと、何かとTNTと縁のある彼等だがそのサウンドは全く似通っておらず、前作でも感じたTOTOっぽいフィーリングのギターやキーボードアレンジが本作でさらに色濃く感じられ、哀愁漂うウェットな美旋律を響かせる北欧ハードポップなフィーリングを保ちつつ、さらにウェストコースト&AOR要素を加味したモダンでアダルトなサウンドに仕上がっていると言えましょう。

また、ゲスト陣のインプットも大きかったのかウェストコースト&AOR要素が新生STONEFLOWERサウンドのクオリティを底上げしているように思え、さらに新フロントマンの John Masakiの歌声が前任者よりも甘い声質な上にストレートにハイトーンを響かせる伸びやかで溌剌としたクリアヴォイスな事もあって実にソフト化した新生サウンドにマッチしており、爽快感ある歌メロとフックある楽曲を、煌びやかなキーボードの音色と分厚いキャッチーなコーラスが美しく引き立たせております(*´ω` *)

現時点では、声の深味や歌唱スキルは前任者である Frode Henriksenの方が上だと思うのですが、まだまだ John Masakiは新人ヴォーカリスト(ちょっと Joseph Williamsっぽい歌い方や声なんだよなぁ…)ですし、この後の成長次第でさらにバンドに貢献出来るだろう事は確実なので、是非このまま着実に活動を続けて欲しい所です。

オリジナリティという点では特筆すべき強烈な個性と言うものは無いかもしれませんが時間を掛けただけあって総じて楽曲の質は高く、バランスをしっかり考えて磨き上げられたサウンドも実に心地よく、随所で北欧フィール漂うUSAハードポップサウンドは個人的には大満足なのですが、敢えて言うなら北欧ならではのマイナーさが漂うウェットなメロディ感が少し薄れ、よりメジャー向きなブライトなポップサウンドへ大きく傾いているこの新作のサウンド、マイナー調で哀愁色濃いからこそ北欧ハードポップなサウンドなんだ、と考えているような方にとっては少々ご不満な方向性へサウンドが発展したと言えるかもしれません。

まぁ、アレコレ小難しく考えるのは後回しにして、本作の軽快なAORタイプの聴きやすいポップサウンドやウェストコースト風の爽やかなコーラスが心地よいカジュアルな楽曲を楽しめばいいのです(*´ω` *)

TOTOは無論、WORK OF ART、LIONVILLE等のTOTOに影響を受けた北欧メロハー・バンドがお好みの方ならきっと気に入るに違い無い、そんなサウンドの彼等の新譜を是非一度チェックしてみて下さい。



by malilion | 2020-05-21 20:35 | 音楽 | Trackback
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