人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Alessandro Del Vecchio率いるイタリアン・メロハーバンドEDGE OF FOREVERが10年ぶりに新譜をリリース!

Alessandro Del Vecchio率いるイタリアン・メロハーバンドEDGE OF FOREVERが10年ぶりに新譜をリリース!_c0072376_12484116.jpgEDGE OF FOREVER 「Native Soul」'20

今や欧米問わずメロハー界隈でその名を知らぬ者は居ないだろう、Serafino Perugino率いるイタリアン・メロハーレーベル Frontiers Music御用達ミュージシャンとしてのみならず、プロデューサー、ソングライター、そしてキーボーディストとして、有名所はHARDLINE、SUNSTORM、Jorn、REVOLUTION SAINTS、FIND ME、FIRST SIGNAL、HAREM SCAREM、HOUSE OF LORDS等々のプロジェクトやバンド作でメンバーや裏方プロデューサーとして参加したり、マイナー所ではVIANAやLIONVILLE、LANESLIDE等に参加したりと、数多くのアルバム制作に関わるそのワーカホリックぶりに驚かされるイタリア人ミュージシャン Alessandro Del Vecchio(Vo、Key))がまだ無名だった頃に結成し活動を断続的に続けてきた4人組バンドが10年振り、通算4枚目となるスタジオ・アルバムをリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

残念ながらこれだけのインターバルが開いたのでメンツはまたも変わっており、前作と同じメンツは Nik Mazzucconi(B:LABYRINTH)のみで、新たに Aldo Lonobile(G:SECRET SPHERE)と Marco Di Salvia(Ds:HARDLINE)という名うてのイタリア人ミュージシャンが迎え入れられている。

それぞれ有名所なバンドに在籍して活動中だし、本作の楽曲は全て Alessandro Del Vecchioの手によるものだし、オリジナルメンツも彼だけだし、彼が中心でその気にならねばバンドも始動せぬ状況を見るに本作参加のメンツもいつまでその名を留めるか甚だ疑問ではありますが、ともかく新作をこうしてリリースしてくれたのをまずは祝いたい。

そもそも02年結成時は Francesco Jovino(Ds:U.D.O.)と Bob Harris(Vo:AXE)の二人を擁するのが目玉な、そこに Alessandro Del Vecchio(Key)、Christian Grillo(B)、Matteo Carnio(G)のイタリアの精鋭ミュージシャンが加わった5人組バンドで、Marcel Jacob(Yngwie Malmsteen、TALISMAN、LAST AUTUMN'S DREAM)プロデュースの元でデビュー作『Feeding The Fire』'04 にリリースした当時の音楽性は、RAINBOWや Yngwie Malmsteenが築き上げたネオ・クラシカルなドラマ性とキャッチーなポップセンスを融合した80年代北欧HMなマイナーな叙情感漂う些か類型的なメロディアスHRサウンドを演っていた訳だから、今のアメリカンHR要素とユーロHR要素を絶妙のバランスで融合し、AORとメロハーをMIXした極上のポップフィールをまぶした煌びやかでブライトなキャッチー・メロハーサウンドとかなり距離があるのに改めて驚かされる。

まぁ、2ndアルバム『Let The Demon Rock 'N' Roll』'05 が好評でバンドは欧州中心にツアーを行おうとしたが、Bob Harrisがアメリカ在住という理由もあり脱退し Alessandro Del Vecchioがヴォーカルを担う4人組体制になった時点で音楽性共々別バンドになったという捉え方も出来るし、初期の彼等のマイナー北欧HM風味なサウンドが好きだった方々はもうとっくに彼等の事を追いかけていないだろうから問題ないでしょうけどね……

さて、本作についてですが、一聴してまず驚かされるのは Alessandro Del Vecchioのヴォーカルスキルがメチャ上がっている事だろう。

それまで勢いあるヘヴィなHRサウンドにはマッチしそうな、良く言えばソウルフルな歌声、悪く言えばAORに不向きな音域の狭い暑苦しい苦汁声で、徐々にソフトでバランス重視な楽曲が増えてきたEDGE OF FOREVERの方向性には些か応え切れぬ力量を露呈していた訳だが、この10年で幾多のバンドやプロジェクトに関わり、巧いヴォーカリスト達の歌唱スキルを間近で見聞きして来た経験と弛まず歌唱スキルを上げる努力を怠らなかった結果か、音域も広がり、元々ソウルフルだった声質も加齢と鍛え込み故か深味と芯の有る伸びやかさが加わった艶やかな声質になっており、正に自身が求める音楽性にバッチリな歌声と歌唱スキルを身につけた大変身を遂げている。

イヤ、ホントに。『これマジで同一人物?』って、真っ先にクレジットを確認した(失礼!)くらい、VIANAのデビュー作で聞かせたヘッポコな歌声とまるで別人のようで、KEEN HUEの復活作に、デビュー作でダメダメな歌声を披露した Lars-Ake "Platis" Nilzonが再び参加し、見事な歌声を披露したのを聞いた時に似た衝撃を受けましたね。

これまで歌唱スキルに自信が持てなかったのか分厚いバッキング・コーラスだったりゲストのバッキング・ヴォーカリスト達のヘルプを借り、厚塗りなスタジオ・プロダクションで誤魔化して来た手法(多彩なゲストも売りだった)が全て消え、堂々とした歌いっぷりで自信満々に自らの歌声“だけ”を『どうだ!』とばかりに轟かせており、 Alessandro Del Vecchioのドヤ顔が見えるかのようだ。

そんな強力なフロントマンの歌声が当然バックにも良い影響をもたらしたのか、テクニカル・プログHMなSECRET SPHEREでは聞くことの出来ぬ Aldo Lonobileのワイルドでエッジある自由奔放なギター(ちょっとリフがWHITESNAKEっぽい…)が、煌びやかでキャッチーなメロディが躍動する楽曲の上でここぞとばかりに暴れまくり、プログHMで十分に鍛え上げられて来たアグレッシブでテクニカルなプレイも相まってブルージーなソロとメロディアスなフレージングで楽曲を輝かせ、新生バンドサウンドに新たな魅力を与えていると言えよう。

Marco Di Salviaのドラムは、タムを徹底的に叩き込むだけでなくビートやフィルのフレージングにもこだわっており、新要素としてネイティヴ感やトライバル感も加味したパワフルなプレイでグルーヴと疾走感を的確に生み出し、Nik Mazzucconiのベースプレイは、同じくプログHMバンドLABYRINTHで披露している腕前を如何なく発揮し、曲と相反することなく音階を上下させながらも面白いように動き回って歌うようなメロディアスなプレイを響かせ、実に創造的なのは流石の一言だ。

アルバム全体のリズム隊のプレイは、ノリの良い爽快感溢れる楽曲の魅力を一層に引き立てるタイトさと図太さで、幅広い音楽性を損なう事無く素晴らしく独創的なボトムを形成し、聴く者の耳を楽しませているのも見逃せない。

そしてボスでありバンドのブレインでもある Alessandro Del Vecchioの鍵盤捌きは、バランス重視な楽曲に相応しく的確にコンパクトで耳を惹くフレーズや爽快感ある音色を奏で、それでいてしっかり派手なソロプレイで暴れ回る事も忘れぬ、ヴォーカルをメインに据えた楽曲構成の中で正に痒い所に手の届くプレイでキャッチーでフックある楽曲の仕上がりに磨きをかけており、プロデューサーとキーボーディスト、そしてヴォーカリストを一人の人間が兼任しているが故に可能な、隅々にまで注意が払われた極上のバランス取りが成されたサウンドクオリティと言えるだろう。

DEEP PURPLEを源流にする80年代北欧HM的なウェットな叙情性あるメロディのユーロ圏と80年代アメリカで大成功を収めたWHITESNAKEをベースにJOURNEY等のアリーナロックや産業ロック要素を加えた派手でキャッチーなアメリカ圏のサウンドの折衷音楽と言うと北欧のメロハー・バンドECLIPSEが思い浮かぶが、ボスがキーボーディストである事も関係しているのだろうが、彼等の方がよりバランス重視でAOR風味が強い為かポピュラリティも高く、そして Erik Martensson率いるECLIPSEの方が勢いや自由奔放さを重視しているから当然かもしれないが、アルバムの創り込みや楽曲の完成度もECLIPSEの最新作と遜色ない、いや正直こちらの方が高いように思えます(*´ω` *)

これだけ素晴らしいアルバムをリリースしたのだから本格的にバンド活動を中心にして欲しいものですが、Alessandro Del Vecchioの置かれた立場や活動状況を考えると、各メンバーが掛け持ちで他バンドに在籍している事も鑑みて、恐らくそれ程のLIVE活動は出来ないのだろうなぁ…と、言うのが分かってしまうのが少々悲しいですね。

とまれキャッチーでメロディアス、コンパクトでフック満載なメロハー・アルバムがお好みな方なら間違いなく満足いく一枚だと言えますので、ご興味あるようでしたら一度チェックしても決して損はしないと断言しておきましょう。



by malilion | 2020-04-27 12:42 | 音楽 | Trackback
トラックバックURL : https://malilion.exblog.jp/tb/31092980
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< 北欧メロハーの旗手H.E.A.... カナダのMARILLIONこ... >>