ASTRAL DOORS 「Black Eyed Children」'17
花粉症とコロナでせっかくの連休も引き籠もり確定でアンニュイ(涙)な本日は、間もなく新譜『Worship Or Die』がリリースされる彼等のアルバムを引っ張り出して耳を傾け気分を無理矢理ハイにしておりました。 このスウェーデン産6人組HMバンドの一番の話題性と言えば、やはり桁外れのパワーと Ronnie James Dio+David Coverdaleな声質を備えた超絶シンガー Nils Patrik Johanssonの存在を外しては語れないでしょう。 Richard Andersson率いるSPACE ODYSSEYでその名をHM界に知らしめ、以降CIVIL WAR、LION'S SHARE、WUTHERING HEIGHTS等多種多様なジャンルのバンドやプロジェクトに引っ張りダコなその強靱な歌声は、まさにDEEP PURPLE、RAINBOW、BLACK SABBATHを彷彿とさせる70年代にレイドバックした、ASTRAL DOORSがデビュー当時から一貫して追及している正統派の様式美HMを歌うに相応しく、時にはDIOのように強力なコブシを轟かせ、また或る時は David Coverdaleのようにシブいディープヴォイスを聴かせ、北欧ミュージシャンらしくダークでドゥーミーな荘厳さも垣間見せるその暑苦しく粘っこい熱唱は唯一無二の個性なのに、これまでイマイチその存在がメジャーにならなかったのはどうにも彼の創る歌メロがイマサンな出来(CIVIL WAR紹介の記載をご覧下さい)だったからなんですよね…… DIOの代役として Tony Iommiに良いように使いっぱしり(涙)されていた悲運のヴォーカリスト Tony Martinと声質的には殆ど同じなものの、Nils Patrik Johanssonの方がパワフルでラフな迫力や伸びやかさもあるし、ディープヴォイスの芯の太さと重厚さでは一枚上手で歌唱スキルも勝っている(穏やかな歌唱や深味ある歌声はまだ若いので流石に巧さに欠けますが)と思っていますが、如何せんヴォーカリストにとって重要な才能である歌メロをクリエイトする能力は完全に Tony Martinに軍配が上がっておりました。これまでは。 その声質や歌唱力ばかり話題にされる Nils Patrik Johanssonですが、本作に置いてやっとウィークポイントだった凡庸で平坦だった歌メロにも変化の兆し(前作でも歌メロは頑張っていたが歌唱アプローチを変える挑戦の反動か、売りの野太い歌声が妙な甲高い声、アメリカで売れた白蛇アルバムでのデビカバの歌声みたいでマイナス印象だった)が訪れ、A級まで行かぬまでも極上のB級様式美HMバンドに相応しい、キャッチーさや派手さはイマイチでもどの曲もフックがあり様々なタイプの正統派HMサウンドを盛り下げぬ歌メロになったのが当時、嬉しくありましたね('(゚∀゚∩ この成長はステージを重ねた事と各種プロジェクトやバンドで色々な音楽やミュージシャンと交流したのが糧となって、彼の中で成熟されてこうして本作で現れてきたのかと思うと、バンドを見捨てず長らく凡作(涙)を買い支えてきて良かった、と感慨もひとしおで…(ツд`) 売れ線や流行のサウンドに目もくれず、コツコツと枚数を重ねる毎により完成度とピュアなユーロHMサウンドの純度を高め続けていたバンドメンツも、これでやっと質の高いソング・ライティングと高練度のスリリングな演奏が報われた訳です。 日本盤リリースが絶えて久しい彼等ですが、順当に行けば間もなくリリースされる新譜は本作を凌ぐ素晴らしい良作になるのは間違いないでしょうから、正統派様式美HMサウンドを好む古参メタル愛好家は是非にASTRAL DOORSの新譜をチェックしてみて下さい。
by malilion
| 2020-03-21 07:45
| 音楽
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