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北欧フィンランドから叙情派フォーク・シンフォ・バンドSUNHILLOWがデビュー作をリリース!

北欧フィンランドから叙情派フォーク・シンフォ・バンドSUNHILLOWがデビュー作をリリース!_c0072376_21100044.jpgSUNHILLOW 「Eloise Borealis」'20

70年代プログレ要素と、ポップス、そして民族音楽的フォーク要素をMIXした一風変わった叙情派シンフォ・サウンドを奏でる、キーボーディストがヴォーカリストを兼ね、さらに女性ヴァイオリニストも擁する5人組バンドが北欧フィンランドからデビュー作をリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

プログレ好きなら即分かる、Jon Andersonのファーストソロ作『Olias Of Sunhillow』からバンド名をいただいたと思しき所が気になって購入した訳ですが、結果的にYES系フォロワーサウンドのバンドではありませんでした(汗

SUNHILLOWは15年秋に結成されたフィンランドのヘルシンキを拠点とする新バンドで、中心人物の Matti Kervinen(Keyboards、Lead Vocals)はレコードレーベル兼プロデューサーとして既にフィンランドの音楽シーンでは著名人であり、SUNHILLOW以前に短命に終わったKATAYASTA、WOLF LARSEN、フォーク系のPAX ROMANAや同じくプログレバンドのWOLMARI等の幾つかのバンドに席を置きながら新たに本バンドを立ち上げた模様だ。

本バンドのサウンドを個性的にしているのは、殆どリード楽器と言っていいくらいに大活躍している Elisa Heikkinen嬢(Violin、Backing Vocals、Autoharp)の紡ぐヴァイオリンの繊細で艶やかな音色と、Matti Kervinenが操る鍵盤サウンドが生み出す如何にも北欧バンドと言ったメランコリックでダークさ滲む怪しげなメロディだろう。

さらに単なる北欧シンフォ系バンドのサウンドとの差異を強く感じさせるのは、そこここから滲むフォークタッチな民族音楽的要素なのは紛れもなく、定番の70年代期YESや初期のネオプログレ期から脱却したMARILLIONを連想させる要素に、中期RUSHやFMからの影響も窺えるモダン・プログレ要素とアンビエントな雰囲気漂うPINK FLOYDっぽい要素などが複雑に絡み合ってちょっとレイドバックした古臭さも漂う独特の木訥とした叙情派フォーク・シンフォ・サウンドを生み出している。

これで Matti Kervinenのヴォーカルがもうちょい巧ければ言うこと無かったのだが、残念ながら良く言ってジェントリー系、悪く言えば音域狭い只のオッサン声(カントリーなら似合いそう…)でメロディを殆ど歌い上げていない、歌詞を伝えるだけの語り的役割なのが少々残念だ。

まぁ、その辺りは本人も理解しているのか楽曲におけるヴォーカルパートの比重はかなり少なく、またリードヴォーカル的に Elisa Heikkinen嬢のヴァイオリンが楽曲の中心で大活躍しているし、Pekka Hakkarainen(Guitar、Backing vocals)と Elisa Heikkinen嬢が男女混声バッキングヴォーカルで楽曲に変化を付けるべく歌メロパートを補強したり、Elisa Heikkinen嬢の可憐なバッキングヴォーカルがドリーミングな雰囲気を醸し出す曲もあったりで、Matti Kervinenのヴォーカルの不味さは余りに気にならない構成にはなっているのがせめてもの救いだろう(汗

Matti Kervinenが操るエレピやオルガン等の鍵盤プレイはリーダーバンドにも関わらずどちらかと言えばバッキングや雰囲気重視で派手なソロや楽曲を主導するようなプレイが聞けないので、所謂、通常の北欧シンフォ的サウンドを期待するとガッカリするだろう本アルバムではありますが、ヴァイオリンの哀愁漂う美しい音色や、あくまで美旋律を紡ぐのに注力しているデリケートなギター・サウンドやムーディーでリリカルなシンセサウンドにはフォークタックのみならず北欧らしい透明感と木訥としたファンタジックさがあって実に味わい深く、定番の重厚な北欧シンフォ・サウンドは聞き飽きた方なんかには一服の清涼剤になりえるかもしれない。

個人的には美しく艶やかなヴァイオリン大活躍なサウンドを堪能出来たので本作を購入して後悔はしていないが、中心人物の Matti Kervinenがコレ一本で活動している訳ではなく、またプログレ系ファンにも大いに受けるような定番サウンドでもないので、単発プロジェクトに終わるかもしれないのが少々心配だし残念な所だろうか…

もし次作があるならば、せめて Elisa Heikkinen嬢をリードヴォーカルに据えるか、ちゃんと歌えるヴォーカリストをメンバーに招くかして欲しいものだ。

あ、後このご時世にアルバムの再生時間が37分(!?)とメチャ短いので、今度はもっとタップリとその美しいサウンドを堪能させて欲しいものです。



by malilion | 2020-03-05 21:05 | 音楽 | Trackback
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