![]() 以前ここでデビューEPをご紹介した首都ロンドンをベースに活動するUKのKey入りツインギター6人編成な新バンドが、6年の歳月を経てやっとこデビュー・フルアルバムをリリースしたので国内盤あるかもしれないけど我慢仕切れずに即購入してしまいました(汗 EPの時点で、ちょっと線の細い甘い声質のハイトーンVoをメインに、日本人好みな北欧風のウェットな叙情派メロディと爽快感ある美旋律を奏でるバックの演奏がマイナー調の哀愁漂う英国独特の煮え切らぬポップ感を伴った楽曲の上を軽やかに交差するスタイルだった彼等。 ESCAPEレコードかAOR HEAVEN辺りと契約するんじゃないのかと予想しておりましたが、まんまAOR HEAVENからのデビューと相成りました(*´ω` *) 本作もそんなEPの音楽性を受け継ぎ正統に進化したウェットな美旋律と甘口でキャッチーな歌メロが実に日本人好みな翳りある英国産メロディアスHRを聴かせてくれているので、フルアルバムのリリースを今か今かと待ちわびていたファンの方々は大満足な一枚と言えるだろう('(゚∀゚∩ まだまだ知名度が低いインディ・バンドにも関わらずデビューEP同様に Dennis Ward(元PINK CREAM69のアメリカ人ベーシスト)によるマスタリングで音の方は新人バンドらしからぬクオリティな上に、なんと今回は全編に渡ってバッキング・ヴォーカルで客演してくれているという肩入れっぷりで嬉しくなってしまいます。 それにしても、元々彼等はイギリスの名門国立大であるハル大学で Robert Fenning(Vo)と Alex Markham(G)を中心に04年に結成されたスクールバンドだったのですが、その当時は IRON MAIDEN、DREAM THEATER、BLIND GUARDIAN等に影響を受けたパワー・メタルを演奏していたと言うのだから面白い。 そしてメンツ皆が卒業し07年にバンドは活動を休止するが Robert Fenningと Alex Markhamは11年にバンドを再始動させ、新たに Adam Carruthers(G)と Chris Smurthwaite(Key)が加入し、徐々にメンツを固めつつ14年に前記のEPを Dennis Wardの助けを借りてリリースする。 この時既にバンドサウンドは Robert Fenningと Alex Markhamが影響を受けた Peter Gabriel、Phil Collins、JOURNEY等のサウンド要素を取り込んだ、EPで聞ける80年代メインストリーム・ロックと80年代UKポップをMIXし、メロディアスなHMやプログレ、70年代HRやAOR等の音楽要素も織り交ぜたコンテンポラリー寄りな叙情派UK産メロディアス・ロックへ変化していた。 EPリリースに前後して大小様々なフェスや大物バンドのサポートアクトとして幾度もステージを踏んで実力を磨き、順調に活動を軌道に乗せたかに見えたが17年に Andy Cooper(B)と Garth Vickers(Ds)のリズム隊がゴッソリと脱退してしまう。 だが Robert Fenningと Alex Markhamはめげること無くメンツを補充し、新たに Dominic Swords(B)と Michael Levy(Ds)という新メンバーを迎え、EPリリースから6年という決して短くない時間を経てバンド初のフルアルバムをこうして届けてくれたと言う訳だ。 Robert Fenningの線が細いものの甘い声質な伸びやかなヴォーカルは以前と変わりなく、爽快で溌剌としつつハードにスピーディに果敢に攻め込む鮮烈なサウンドに実に良くマッチし、EP時点では幾分か穏やかでAOR向きだった歌唱スタイルもバンドの進化に伴って変化が見え、本作ではステージで鍛えた成果か80年代北欧HMのフロントマンで良く聴けた甲高い歌声やハイトーンのシャウトを聴かせたりと、以前と比べ幾分か歌唱力が増して逞しくなったのが窺える。 もっともまだまだ不安定な所や線の細さがパワー不足を感じさせる場面や、フラットすれすれでヨレヨレ(汗)な歌唱が耳につく箇所も多々あるので、これは今後克服すべき課題だろう…… また、Alex Markhamのギタープレイは以前とは段違いにテクニカルで流暢、そして派手なプレイを聴かせ、剛柔様々に楽曲にマッチしたプレイやフレーズ、印象的なリフを紡ぐだけでなく、スクールバンド時代に培っただろうヘヴィでダークなキレあるギタープレイも織り交ぜ、バンドサウンドに一層の深味と奥行きを生み出しているのは、伊達に6年も活動を続けてきた訳ではないと強く主張しているかのようだ。 そしてこのバンドで忘れちゃならないのが Chris Smurthwaiteが操るキーボードが時に煌びやかに、時に冷ややかに、と変幻自在にメロディを彩って、モダンにノスタルジックにバンドサウンドを色づけする楽曲への貢献度だろう。 余り自己主張せず目立たないけど彼のソツないキーボードプレイと音色のチョイスが、実はこのバンドならではのサウンドと味わいを増させている大きな要因だと個人的には思っとります。 ハード過ぎないツインギターのエッジあるサウンドと微妙なバランスでバッキング多目な煌びやかなシンセサウンドが織り成す80年代風英国モダン・メロディアスロックを精一杯歌い上げる Robert Fenningの、技量はまだまだなものの直向きで真摯な熱唱が、そこかしこからインディバンド特有な臭い立つマイナー調なメロディや垢抜け切れぬ楽曲の上で絶妙な化学反応を起こして輝きを放ち、なんとも言えぬ甘くノスタルジックな喜びをもたらしてくれるこのサウンド、ホント堪りません(*´ω` *) ただ、このバンドサウンドは実は危ういバランスの上に成り立っているように思え、今後益々バンドがキャリアを重ねていくにつれ、このB級バンドだからこその荒削りな勢いと危うさ、けれど壊れ物のように眩い輝きを放つ未完成故の無垢なサウンドや独特の雰囲気が消え失せてしまいそうで、そこが少しだけ心配ですね…… とまれマイナー調な英国産ポップロックがお好みの方なら必ず気に入る期待の新星ですので、ご興味あるようでしたら是非彼等のサウンドを一度チェックしてみて下さい。 因みにバンドは自身の影響源としてSHY、SERPENTINE、MAGNUM、HAREM SCAREM、STRYPER等を挙げているので、前記のバンドやアーティストも合わせてこのバンド名にピン! と来た方は是非チェックして見てね!(*´ω` *)
by malilion
| 2020-03-04 21:12
| 音楽
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