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UKシンフォ界の重鎮バンドIQが、5年ぶりに2枚組の大作を放つ!

UKシンフォ界の重鎮バンドIQが、5年ぶりに2枚組の大作を放つ!_c0072376_20333751.jpgIQ 「Resistance ~Limited Edition~」'19

MARILLIONを旗頭に、英国ポンプロック・シーンを代表するGENESISフォロワー・バンドの1つとしてPENDRAGON等と共に80年代初頭に唸りを上げてシーンを賑わした新鋭バンドであった彼等も既に活動40年を超える重鎮バンドであり、その彼等が前作『The Road Of Bones』'14以来となる、5年振りの通算11枚目の3面開き紙ジャケット仕様の2枚組限定盤を、ちょい遅れてGET!

なんでも当初は1枚モノとボーナス・ディスクという構成で制作を進めるものの、バンド創立メンツにして唯一不変のオリジナル・メンバーであるギタリストの Michael Holmesが語る所によると『ディスク1の雰囲気と全く一致しなかった』という素材を元に15分超えの大作3曲を含むなど楽曲が予定より増え、結果収まりきらぬマテリアルをカットするのは惜しい、と言うことで2枚組アルバムへ変化したと言う本作だが、頭っから如何にも彼等らしい英国プログレッシヴ・ロック直系の重厚にして濃密な王道シンフォ・サウンドが飛び出してきて、これにはファンならずともニンマリしてしまいます(*´ω` *)

さて、新作の内容についてですが、基本的にこれまでと同一路線なGENESISをルーツとした明快なメロディアス・サウンドと、このバンド独特のリリシズムを湛えたこれぞ英国叙情という気品とミステリアスなダークさ漂うドラマ性を継承しつつ、静かで憂鬱な詩と、軋むようなシンセサイザー、70年代風ハモンド、荘厳な教会オルガン、中東の影響を受けた倍音素材、お約束の重厚なメロトロン、不吉で邪悪な雰囲気漂わす多彩なサウンドなど、多種多様な鍵盤楽器を用いて幻想的で優美な物語を綴り、センチメンタルでデリケートなタッチのサウンドから一転爆発するような激しくドラマチックな楽曲展開と、絶妙な緩急の付け方で思わず息を呑む美旋律の数々を対比させる事で、カラフルでイマジネイティヴに満ちた劇的な効果を何倍にも高めて魅せる、ハードなダイナミズムを前作より一段と強めた作品だ。

ファンの方には、Peter Nichollsのシアトリカルなヴォーカル、長らく屋台骨を支え続けてきた Paul Cook のタイトでソリッドなドラム、Michael Holmesのエレガントなタッチから一転ハードに切り込む鋭く歪んだギター、そして『Frequency』'09 以来再結成IQの特徴となっているダークなトーンの音の壁がアルバムをタップリ埋め尽くした、鈍色な闇の奥でキラキラ光るメロディが輝きながら今にも滴り落ちそうなシンフォニック・サウンド、と言えば即理解していただけるかと。

それにしても前作『The Road Of Bones』から加入した新キーボーディスト Neil Durantの影響がこんなに大きく感じられるアルバムになるとは思いませんでした。

前作の時点では出たり入ったり忙しいオリジナル・キーボーディスト Martin Orfordの穴を埋められるのか、少々心配(前任者 Mark Westworthは一作のみの参加だったから…)な塩梅だったものの、本作に至っては完全にバンドサウンドの要とも言える大活躍をしており、彼の持ち込んだフレッシュな感覚や重厚にして華麗なキーボードワークと魅力的なサウンドメイキングが、より進化したバンドサウンドを反映した新たなIQサウンドの特徴になりつつあるように思いますね。

極論すると、以前は Michael Holmesのギター・サウンドがバンドサウンドの中心的存在だったが、今では Neil Durantの操るキーボード・サウンドがバンドサウンドの中心となっている、と言っていいくらいに感じられますから。

ディスク2の方は、如何にもプログレっていう変拍子とリズムチェンジの激しい派手でスリリングな楽曲が納められており、ある意味でこっちの方が一般的なプログレ好きにはウケがいいだろうが反面古臭くも聞こえ、やはりモダンサウンドを追求しさらなる進化を目指しているバンドとしてはディスク1のサウンドコンセプトにマッチしない、という判断をしてディスクを分けたのは賢明だったと思いました。

でも、正直言って嫌いじゃないんだよなぁ~~~~~~~~っ! ディスク2のサウンド(w

プログレ系で二枚組大作アルバムというのは今となってはそう珍しい事はありませんが、IQが今回放った本作はこれまでレジェンド・バンド達がリリースしてきたアルバムと比べて即効性の強いメロディやテクニカルで派手なプレイは乏しく、ちょっと聞き“弱く”感じるかもしれないけれど、じっくり聞き込むに相応しい緻密なアンサンブルと細心の注意で構成された楽曲は魅力に満ちており、決して期待を裏切らぬ一作だと言えましょう。

イマイチ落ち着きの悪かったキーボーディストの座も Neil Durantで安定したようだし、今後はメンツ変化などなくますますの活躍をして欲しいですね。




by malilion | 2019-12-23 20:22 | 音楽 | Trackback
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