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ライオンは消えたまま…北欧スウェーデンのクリスチャンHMバンドNARNIAが約3年ぶりに8thアルバムをリリース!

ライオンは消えたまま…北欧スウェーデンのクリスチャンHMバンドNARNIAが約3年ぶりに8thアルバムをリリース!_c0072376_22525435.jpgNARNIA 「From Darkness To Light」'19

北欧スウェーデン産クリスチャンHMバンドが約3年ぶりとなる8thと最新LIVE盤『We Still Believe Made in Brazil』を収録した日本独自仕様となる2枚組アルバムをリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

デビュー当時はインギー張りの早弾きギターとキーボードのインタープレイが飛び交うド派手な様式美サウンドを奏でていたが、アルバムを重ねる毎によりテクニカルに、さらにヘヴィに、もっとモダンに、と音楽性の幅を半ば強引に拡げ、解散前には看板ヴォーカリストにして盟友の Christian Liljegrenと決別し、バンドコンセプトさえかなぐり捨ててヘヴィネスなダークサウンドにまで貪欲に手を広げた彼等だが、暫しの後の再始動作となる前作で一気に熟練度が増した、派手さの無い骨太なメロディアス・モダンHMサウンドを提示して初期からのファンを驚かせた訳だが、続く本作でも前作の流れを汲んだモダン・メロディアスHMサウンドを提示している。

また以前からイマイチ安定しないベーシストのポジションだが再び変動があった模様で、一度脱退し前作で復帰した Andreas Olssonが二度目の脱退をし、新ベーシストに Jonatan Samuelssonを迎えた以外は、リーダーの CJ Grimmark(Guitars、Backing Vocals)にデビュー作から相棒の Christian Liljegren(Vocals)に加え、2nd『Long Live The King』'98以来参加し現在はROYAL HUNTでも叩いているドラマー Andreas Johanssonの中心メンツに変動はなく本作は制作されているので、ファンの方には一安心といった所だろう(*´ω` *)

まぁ、MODEST ATTRACTION、DIVINE FIRE、GOLDEN RESURRECTION等でも活躍する人気フロントマン Christian Liljegren脱退以上のメンバーチェンジの衝撃はもう誰が抜けようと無いでしょうから、ファンはそんなに驚かないか(w

前作の流れを汲んだ作風ではあるものの、初期テイストも残しつつ今風な鈍色北欧HMサウンドも取り込んだ、メランコリックでダークな雰囲気を漂わす、バランス重視のコンパクトな楽曲と、渋く隙無いツボを心得た手堅いプレイとメッセージ性の強い歌詞世界を繰り広げる王道ユーロピアンHM的なモダン・クリスチャンHMサウンドまんまと言う訳でもなく、以前挑んで巧く表現出来ず導入を断念したプログHM要素が再び本作には感じられ、明らかに複雑な楽曲構成でキーボードをプログHM的にフィーチャーしたDREAM THEATERやSPOCK'S BEARD等の影響が透け見える楽曲や、IRON MAIDENっぽさを臭わす楽曲もあり、それだけでなくグルーヴとテクノ風味をMIXした独特の雰囲気を持つパワー・メタルサウンドや、グルーヴィでありつつブルーズフィールあるサウンドなど、新たな試みにも果敢に挑んで叙情感ある北欧クリスチャンHMサウンドをさらに進化させようとしているのが分かる。

ライナーで Christian Liljegren自身が語っているように様々なアーティストの要素を取り込み、影響を受けつつして音楽性の幅を拡げる行動自体はアーティストなんだし当然だし、健全な行為なんだろうけど、以前の事があるのでちょっと心配になってしまいますね…(汗

LIVEアルバムの方は、信心深いお国柄と言う事もあってか熱狂的にバンドを迎え入れているのが伝わってくる一作で、バンドもそんな聴衆の熱気に導かれるように渾身のプレイを繰り広げており、聴衆との熱いやり取りや、大合唱に煽られるように熱が籠もっていく各メンバーのプレイといい、大層な盛り上がり(手拍子にオーレ~オレオレー♪って、サッカー会場かw)でこれだけ盛り上がってくれたらそりゃLIVE録音しちゃうよね、ってなアーティスト冥利に尽きる国なのは間違いないだろう。

しっかりしたバランスで録音されたLIVE作で曲間の編集もされており生々しさには少々欠けるかもしれないが、 CJ Grimmarkもアルバム以上に派手でエッジあるギタープレイを繰り広げており、Christian Liljegrenの安定した抜群の歌唱といい、力強くバンドサウンドを支える Andreas Johanssonのソリッドなドラムプレイといい、聴いていて実に爽快で、お手軽BEST的な聴き方も出来る一枚だ。

尚、日本盤にはボーナストラックを1曲追加収録予定とあったが、残念ながらボートラは追加されておらず Σ(゚д゚lll)ガーン 同梱のボーナスLIVEアルバムだけで我慢するしかないようだ。

まぁ、別売りされていたLIVEアルバム丸々一枚同梱してくれたんだし、そこは我慢しましょう(値段に文句は言いたいけど!)

でも輸入盤で既にLIVEアルバムを入手していた忠実なファン的には、8thもLIVEも輸入盤のままでOKって事になって買い直ししなくて済むと前向きに考えられるのかな? 価格的に手が出せない、って方はお安く輸入盤で済ませましょう。

妙な売れ線への色気を微塵も見せず、ヘヴィネス、パワー、そしてプログHM要素を巧みにMIXし、クリスチャンHM定番の分厚くパワフルで荘厳なコーラスをバッチリとフィーチャーしつつ真摯なメッセージを切々と歌い上げる、今時こんなに奇をてらわぬドストレートで勇壮な味わい深い王道ユーロピアンHMサウンドを聞かせる良いバンドもなかなか居ないので、クリスチャンHMと言うだけでも色眼鏡で見られるだろう彼等が無事活動を続けられる事を祈って、次作が一日も早く届けられるのを待ちましょう。



by malilion | 2019-09-29 22:44 | 音楽 | Trackback
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