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UKベテランHRバンドTENの新譜『ILLUMINATI』を今頃購入してみた。

c0072376_17492797.jpgTEN 「Illuminati」'18

盟友 Vinny Burns(G、ex:DARE ex:ASIA)の脱退以降メンツも定まらずどんどん売りの叙情的メロディもフックも色褪せていった Gary Hughes(Vo)率いる英国産ベテランHRバンドが、20周年記念盤『Albion』'14で劇的に作品レベルや楽曲クオリティが戻り、連作の『Isle De Muerta』'12も素晴らしい出来でメロハー・ファンを歓喜させた彼等の、前作『Gothica』'17に続く新作が1年半ぶりにリリースされたのを今頃手に入れてみた。

『Albion』と『Isle De Muerta』の二枚組構成に、さらにEP収録の新曲を収録した限定500枚『Battlefield』'16を手に入れた時は、その出来の良さに小躍りしたものですが、前作『Gothica』'17の出来は正直イマイチでガッカリでした。

毎度お馴染みなコンセプチュアルな雰囲気や全体のサウンドは良いものの、聞き終えた後でアルバムのメロディや楽曲の印象が薄く、しかも『Albion』以前の大仰さが鼻につく大作志向な楽曲にフックが乏しく退屈なミッドテンポな曲ばかりの駄AOR化していた頃のタルさが再びアルバム全体から強く感じられたからです。

勿論、『Albion』以前の楽曲よりもサウンドはモダンで出来は良かったし、楽曲構成やトリプルギターがイマイチどう活かされているか分からないもののメロディの質や各プレイヤーの披露する演奏も平均的で、これまで余り表現されてこなかった白蛇的エロティックな歌詞等、幾分か新基軸も聞き取れ期待したのですが、結局は『Battlefield』の時のような新鮮な驚きや歓喜は訪れませんでした…

やはりネックとなってくるのはボスでありバンドの頭脳でもある Gary Hughesの狭い音域のヴォーカルと激しさの余り感じられない歌唱法だと個人的に思うのですが、マンネリ気味になりがちな歌メロや楽曲展開をどう手を変え品を変え新鮮味を感じさせるか、という点で『Gothica』はバックのメンツの頑張りは余り感じられなかったと言うのが正直な感想です。

まぁ、バックばかりを一方的に責めるのも酷だとは分かっているんですけどね、なにせ仕切っているボスはヴォーカリストの Gary Hughesなんですから。

トリプルギターにキーボーディストまでいる7人の大所帯編成ながら音の隙間はしっかり感じられる流石はベテランというサウンドはよろしいのですが、やはりヴォーカル偏重な楽曲構成故かHRバンドとして見るとバックのメンツのインタープレイ・パートなんかは控え目で、壮大でシネマチックなサウンドはバランス重視と言えば聞こえは良いけれど、3人もいるギタリスト達の活躍の場が少ない退屈極まりないマンネリズムの波に溺れ勝ちな状況がなんとも…

折角『Battlefield』で再び購入意欲が戻ったものの前作『Gothica』でガックリ、だったので本作に手を出すのを再び躊躇した訳ですが、ダメ元と覚悟をして購入したもののヤッパリ本作も…な、出来と言わざるを得ません…orz

アルバムの制作に置いて意見が食い違い、所属していたFrontiers Recordsを離れ、新規一転新興レーベルから『Albion』と『Isle De Muerta』をリリースし、その出来の良さが耳に入ったのか再びFrontiers Records所属へ戻り前作『Gothica』をリリース、そして本作という流れが悪いとは言わないけれど、なんと言うか再び勝手知ったる安住の地を得たので、新興レーベルから心機一転新譜をリリースするぞ、という時のような冒険心や成功するぞ、というハングリー精神や意気込みが失せてしまったのでしょうかねぇ…(汗

本作もHRバンドお決まりのテーマを取り上げたコンセプト作で、彼等お得意の物語性ある壮大なサウンドが紡がれていくのですが、やはり以前の悪癖である楽曲のコンパクトさやフック、そしてキャッチーな歌メロ等が霞み、HRバンドらしいスリリングな展開や各プレイヤーのインタープレイ等も殆ど聞こえず、AOR的にも歌メロに耳を惹くような驚きもなく、所々で耳を惹くメロディや展開も聞けるものの終始雰囲気は良いし各メンツのプレイもソツないけれど、アルバムを聞き終えた後にメロディやメンバー達が奏でたプレイが殆ど耳に残らない退屈な一作でした。

厳しい事ばかり並べ立ててますけど、それだけ彼等には期待してるし期待に応えられるポテンシャルは確実に持っているバンドなんですよぉ…('A`)

しかし、残念ながら次作に手を出すかどうかかなり怪しい状況ですね……

メンツも時代も違うのは重々承知しているのですが、どうしても初期『The Name of the Rose』'96当時の素晴らしい美旋律と完成度と扇動力の高かったサウンドを知っているとなぁ…(ノД`)

『Albion』で取り戻した輝きを、次作でこそ聞かせてくれる事を祈って…




by malilion | 2019-06-29 17:43 | Trackback
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