人気ブログランキング |

Bender一家率いる北欧スウェーデン産シンフォ・バンドINTROITUSの5年振り4thがリリース!

c0072376_22071738.jpgINTROITUS 「Shadows」'19

北欧スウェーデン産6人組シンフォ・バンドの5年振りとなる4thがリリースされたので即GET!

これまでどちらかと言うと美麗系なジャケのイメージだったが、ここに来ていきなりダークで妖しげなジャケになっているのを見てファンは驚かされた事だろう。

当然、何か変化が? と予想するがその予感的中で、前作でツインキーボード編成の7人組だったのがこのインターバルの間にメンバーチェンジが勃発して6人編成へと変わっている。

デビュー作の時点でBender一家(旦那 Mats BenderがKeyboards、妻 Anna Jobs BenderがLead Vocals、息子 Mattias BenderがDrums&Vocals)がバンドの中心で、2ndより娘の Johanna Bender嬢までもバッキングヴォーカルとして参加し、オリジナルメンバーで一家以外のメンツは皆無になった事からもBenderファミリーが仕切るバンドなのが見て取れた訳だが、今回の4th制作メンツはと言うと、2ndより加入したギターの Par Heljeとベースの Dennis Lindkvistの2人は今回もちゃんとその名を見る事が出来るものの、前作のサウンドに華やかな彩りを添えていたキーボード兼フルート兼ギターの Henrik Bjorlindの姿は無く、また Johanna Bender嬢も本作ではメンバーから外れてゲスト扱いになっている。

個人的には Henrik Bjorlindの活躍でバンドサウンドが飛躍的にグレードアップしたと思っていたので彼の脱退は残念(ボスの Matsより目立ったから? 結局シングルキーボード編成になってるし…)ではあるものの、代わりといっては何だが本作から Linnea Syrjala嬢(Accordion、Ocarina、Chalumeau、Vocals)が新たに加わり、前作で Henrik Bjorlindが聞かせた繊細で華やかな美旋律の補完のみならず Johanna Bender嬢の役目も兼ねる事になった模様だ。

因みにChalumeau(シャリュモー)とは、後期バロックから初期古典派の時代に用いられたシングルリードの木管楽器で、近代クラリネットの前身となった民族楽器となっており、アコーディオンやフルートを活用するシンフォ系バンドや北欧系トラッドバンドは多いが、このバンドはChalumeauのみならずOcarinaの音色も取り込み、ややもすると個性が弱く類型的なサウンドになりがちなフィメール・ヴォーカルのシンフォサウンドの独創性を高めようと模索しているのだろう。

また、Helena Tenstam嬢なるフルート奏者がゲスト参加で流暢なプレイを全編で披露したり、一曲だけゲストヴォーカルとして Martin Jobsを招くなど新しい試みにも臆する事なく挑み、これまでの重要なサウンド要素も保持しつつ、よりヴォーカルの厚みやコーラスの導入などを重視し、さらに楽曲の荘厳さや艶やかさ、そしてスケールを増すと共にINTROITUSならではのシンフォ・サウンドの進化と確立を図っているのが良く分かる。

北欧女性声シンフォ・バンドは数あれどフェーメールVo苦手な自分でもこのバンドが聴けるのは、アルバム枚数を重ねる毎に表現力を増し Nancy Wilsonを彷彿とさせる美声な Anna Jobs BenderのA級まで行かない、いい意味で木訥さも残すB級なヴォーカル・スキルもさる事ながら、やはりボスである Mats Benderの操る多彩で細やかな鍵盤プレイと目立たないけれどフィーリングバッチリで印象的なメロディを情熱的に紡ぐ Par Heljeのギタープレイがシットリ憂いを湛えた叙情的でドラマチックな物語を描き出す様や、モダン且つ格調高いクラシカルなサウンドの配合具合が絶妙なのが大きく、今回は特に物悲しいオカリナや鄙びたアコーディオンなど、これまで以上にセンチメンタルで淡い情感を漂わす新たなテイストが加わり、北欧特有の透き通るようなクリアーな空気感と哀愁漂う幻想性、そしてデビュー当時からこだわっている必ず導入されるフルート(今回、専任メンバーが居ないけれど)が紡ぐメランコリックな美旋律が本当に堪りません♪

幾分かこれまで以上に壮大でシンフォな響きのシンセ群(時々、ちょっと安っぽいサンプルな気がする時もあるが、今やソレも味と言える?)の音色がフィーチャーされた楽曲が納められているが、基本的にいつものスタンス通りに俗っぽいロックテイストやそこそこテクニカル、時々驚くほど複雑で活気ある鍵盤とギターのソロプレイがスリリングな展開を聞かせてくれる点も、そこらの無駄に壮大で纏まりが無い自己満足的で懐古趣味な、退屈極まりない無駄展開の連続な長尺曲を垂れ流してるB級マイナー・シンフォバンド群と一線を画していて、このバンドを気に入ってるポイントです。

実は Mats Benderのキーボードプレイだけに注意すると、モダン・シンフォ系と言うよりかなりネオ・プログレ的なプレイをしており、下手をすると野暮ったく古臭くなりがちなサウンドを Par Heljeの絶妙なフレージングとトーンコントロール、そしてしっかりコンポーズされバランスが考慮されたソロとリフが堅実にバンドサウンド支え、全体的にスケールアップし壮大になったロマンチックな響きの香る楽曲にソリッドなエッジと独特の輝きを与えているように思う。

プログレ的な独創性と進歩性は余り感じられないし、完成度が高く他の追随を許さぬ極上の美麗サウンドでもないけれど、非常に調和の取れた、円熟味さえ感じさせるドラマチックでシンフォニックなサウンドは、デビュー当時からの物悲しさを漂わせながら、ゆったりと淡く静かに拡がっていく波紋のようで、幻想的な艶やかな美しさをしっかりと湛え今にも零れ落ちそうだ(*´ω` *)

フルートやオカリナが物悲しい叙情を掻き立てる、リリカルでドラマティックな北欧シンフォ好きな方なら一聴の価値はある彼等の新作ですので、是非一度チェックしてみて下さい!



by malilion | 2019-06-24 22:01 | 音楽 | Trackback
トラックバックURL : https://malilion.exblog.jp/tb/30335069
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< UKベテランHRバンドT... KANSAS+RUSH+YES... >>