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40年の歴史に幕を降ろしたカナダのSAGA…最終LIVE作をご紹介。

c0072376_19225693.jpgSAGA 「So Good So Far - Live At Rock Of Ages」'18

このアルバムだけは、正直聞きたくなかった…

もう随分前に本作のリリース情報を知り、ちょい遅れて入手していましたが、どうにも本作を聞く気になれなかったのです…orz

勿論、内容どうこう文句があるわけでなく、大好きなバンドの最終作、しかも活動終了というある意味で解散以上に悲しくも潔い結末を迎えた最後の勇姿が記録されているから…

本作は結成40周年を迎える2017年に“最終章”のLIVEツアーが行われ、18年のプログレ・クルージング・フェス“Cruise To The Edge”で行う特別な一回限りのパフォーマンスを最後に活動を終了(最終公演は18年10月12日プエルトリコ公演)した、カナダが誇るプログレ・ポップバンドSAGAの最終作であり二枚組CD+DVD LIVEアルバムだ。

17年ドイツのSeebronnで開催された『Rock Of Ages Festival』でのパフォーマンスを収録しており、夕刻から定評のある1時間半のセットを、数千人のフェスティバル参加者の前で披露した様子が納められた本作には、CD二枚組盤の他、アナログLP二枚組盤や、DVD盤、Blu-ray盤等のメディア違いのパッケージが多数用意され、有終の美に華を添えている。

『Rock Of Ages』フェスティバルの06年初開催時にSAGAが招聘されLIVEを披露して以来、毎年のように同地を訪れて人気を博し続けていた事から、常にSAGAにとって重要なLIVE会場先であった場に再び戻ってきてのLIVEを記録に納めるのは、ある意味で必然だったのかもしれません…

ここ日本での知名度や人気は信じられないくらい低い彼等ですが、結成以来、フロントマンの Michael Sadler(Vocals、Keyboards、Guitar、Bass)と、Ian Crichton(Guitars、Synthaxe、Banjo)と Jim Crichton(Bass、Keyboards、Moog synthesizer、Guitar、Synthaxe)のCrichton兄弟が中心なバンドで、そのトリプル・キーボードを活かした軽快でキャッチーなサウンドが、本国を始め北米、そしてユーロ圏、特にドイツでは昔から絶大な人気を誇るバンドでありました。

ですが、オルタナ&グランジーの影響か90年代末期から流行に日和った路線のアルバムを数作リリースして旧来からのファンの不興を買ったり、結成以来バンドの顔であったフロントマンの Michael Sadlerの脱退、そして一作だけ同郷のメロハーシンガー Rob Morattiを迎えてアルバムを制作した後すぐさま Rob Moratti脱退、電撃的に Michael Sadler復帰と、近年はゴタゴタ続きでイマイチ活動が軌道に乗れていなかった模様なものの、12年にはしっかり21作目となる新譜をリリースしてくれて、まだまだ素晴らしいアルバムを届けてくれるものとばかり思っていたのに…゚・(ノД`)・゚・

まぁ、Jim Crichtonは70歳になったし、他のメンバーも高齢なので流石にLIVE活動をこれ以上続けるのは辛くなったのだろうとは予想つきますけど、主要メンツを欠いてもメンバー補充して半ば懐メロバンド状態に陥りながらもDEEP PURPLEはまだ活動続けてるし、Ozzy Osbourneなんて引退、復帰、引退を何度繰り返してるんだかだし、KISSなんて引退ツアーを何年やってんだ、ってな金になるなら反吐の出るようなド汚い不義理がまかり通るショービジネス界に身を置き、そんな中で潔く活動終了を宣言した彼等には拍手を送るべきでしょう。

これまでも未発音源集やらアーカイヴ作は積極的にリリースしてきてくれた彼等なので、恐らく今後もなんらかの音源はリリースされるものと思われますが、ともかく活動中のバンドとしての音源はもう本作で最後と言うことになりますね…悲しい…orz

さて、本作についてですが、流石にベテランの最終作だけあって、全ての楽器のバランスはしっかり調整されており、各楽器は聞き取り易くバンドは実にタイトで、華麗なキーボードとテクニカルなギターのアンサンブルが活躍するポップなバンドサウンドに相応しくクリーンなサウンドに纏め上げられている。

99年以来、数多くのLIVEアルバムをリリースして来たが、幾枚かは本当にポップでクリアーな良いサウンドだったり、また幾枚かはダークでヘヴィな荒れたサウンドであったが、本作のプレイは最終作『Sagacity』から加入した新ドラマーの Mike Thorne(バンド史上最高のドラマーと称されている)のお陰もあってか非常にヘビィでソリッドで、そんなドラムに背中を押されるように各プレイヤーの演奏にも熱がこもり、トレードマークの螺旋を描くように上昇するギターフレーズで Ian Crichtonが魔術師のように聴衆を魅了し、さらにSAGAを特徴づける Michael Sadlerと Jim Crichton、そしてキーボーディスト Jim Gilmourらによるトリプルキーボードの分厚い音の壁がスリリングに迫り、キャッチーでファンタジック、そしてポップでコンパクトな楽曲を Jim Gilmourが操る華麗なシンセワークがまるで目の前で軽やかに跳ね踊るように繰り広げられ、馴染み深い名曲の数々をカラフルに彩っていく。

ドイツでのLIVEという事もあってか Michael Sadlerがドイツ語で聴衆に呼びかけたり、煽ったりしていてちょっと奇妙に感じるし、LIVE作にしては少々聴衆の声が聞き取りにくいように思えるものの、その事がLIVE作自体の質を決して落としている訳ではないのでご安心を。

これまでリリースしてきたアルバム枚数も多く、楽曲はさらに数多いので、さすがにまんべんなく全ての時代の代表曲を演奏する事は現実的に不可能だし、本作の殆どの人気曲は他のLIVEアルバムにも全て収録されているものの、『Help Me Out』『Will It Be you?』の二曲は非常に希にしか演奏されぬ楽曲なので、本作の目玉収録曲で聞き所と言えるかもしれない。


全SAGAファンにとって本作は『必需品』であり、まだファンではない方にとっては、名曲の数々が納められた本作はSAGA世界への完璧な紹介作と言える一枚と言えましょう。


by malilion | 2019-06-07 19:17 | 音楽 | Trackback
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