![]() 先月 Michael Thompson Bandの3rdアルバムが海外で無事リリースされ、国内盤の情報を揉み手しつつ待っている所で Michael Thompson Band周辺のラックを漁っていたら見付けた本作を今頃ご紹介。 確か17年頃には既に輸入盤店で購入出来た本作だが、L.A.の人気セッションギタリストである Michael Thompsonが組んだメロハー・プロジェクトでESCAPE Musicリリースなのに何故かソレ系のお店等でも話題になっておらず、未だに本作の存在を知らぬ方も多いのではないだろうか? まぁ、Michael Thompsonファンと言うとAOR系好きな方が多いだろうから『メロハーに寄ったサウンドは守備範囲じゃない』って事でAOR系からソッポ向かれ、メロハー系からは『Michael ThompsonっていうとAOR系だろ?』って事でソッポ向かれたのかもしれない。 本作は Micheal Thompsonとヴォーカルの Billy Trudelだけによるデュオ・プロジェクトで、参加プレイヤーのクレジット等が見当たらない所を見るとギターをはじめ殆どバックのサウンドは打ち込みサウンドも含め Micheal Thompsonの手によるものと思われる。 ハード且つキャッチーでメロディアスなブライト・サウンドにピッタリとマッチする上から下まで伸びやかな歌声を聞かせる甘い声質の Billy Trudelは以前 Micheal Thompsonと一緒にバンド活動をしていた旧知の仲で、 Michael Thompson Bandのバッキングコーラスにも実は参加していたりする実力派セッション・ヴォーカリストらしく、ポピュラー・ミュージックシーンの大物達のアルバムにも多数参加していると言う。 どうしてその2人がパーマネントなバンドを組まずにいるのかは謎だが、まぁお互い有名セッションマンとして引っ張りダコな訳だから、裏方作業の方が稼ぎが安定して良いので妙な冒険はしない、っていう安定思考な活動スタンスなのかも…… さて、本作のサウンドだが、名うてのセッション・ミュージシャンが創り上げただけあって、売れ線バッチリなポップさとキャッチーさ、そしてAOR系にも訴求するアダルトなメロディとソツなくコンパクトに纏められたモダンでコンテンポラリー寄りな楽曲は如何にもプロの仕事と言う隙無い仕上がりで、打ち込みサウンドなのが全く気にならない程だ。 アルバムに納められている楽曲は総じてソフト目な印象ながら、Michael Thompsonのギターは思いの外にハードでエッジが立っており、メロハー系に相応しくHR張りのテクニカルなギター・プレイを縦横無尽に弾きまくるものの、そこは流石に勢いだけのメタルヘッドな駆け出しミュージシャンとは違って敏腕セッションマンらしく抑制の効いたプレイを心得ており、Billy Trudelのキャッチーで爽快な歌メロ(ちょっとSteve Perryっポイとこアリ)を阻害する事の無い曲の全体像をしっかりと捉えた、楽曲に相応しくコンポーズされたギターワークを披露している。 レベルの高いモダンサウンドな仕上がりのAOR風味なメロハー・アルバムながら、逆に言えば大きな破綻や勢い任せな所もなく新鮮な驚きも無い、有名セッションマンが主導したプロジェクトという点以外にコレと言って大きく注目するようなポイント(元々そんなに個性のキツいギタリストでもない優等生セッション・ミュージシャンってのが、また…)も少ない、宣伝する立場としては少々困りものな平均的に高レベルな仕上がりのキャッチーでメロディアスな“良く出来た”作品でもあるかもしれない…(汗 メロハー系にキンキンのドポップな勢い有るキャッチーでアップテンポな楽曲ばかりを求める向きには本作はAOR風味が強すぎる作風ながら、Michael Thompsonのファンや、質の高いアダルトなポップロックを許容出来る方ならば本作はきっとスルメのように長く味わい深い作品となるに違い無い。
by malilion
| 2019-05-27 20:54
| 音楽
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