![]() 近年になって再結成を果たし、以降活発な活動を続けるイタリアン・フォーキー・シンフォバンドの91年デビュー作がオリジナル・マスターからのRemaster&6曲のボーナス入りでリイシューされたので即GET! サックス入り編成5人組(現在は女性フルート奏者をメンバーに含む4人組)でデビューした当時の彼等(オリジナル・キーボーディストの Paolo Racitiは既に鬼籍。RIP)が放ったイタリア物としては異色なサウンドは、一般的なユーロ・ポンプ作でもイタリアン・シンフォ作でもなく、プログレ定番のキーボードが活躍しない、メロディアスで繊細なアコギを筆頭に、涼やかなフルート、リコーダー、ソプラノ・サックスらの管楽器を全面的にフィーチャーした、アコースティカルで穏やかな、けれどしっとり艶やかな叙情感と透明感あるメロディが堪能出来るフォーキー・サウンド系だった為かリスナーの反応はイマイチだった模様で、間もなく解散してしまった。 本作はそんな1st『Rings Of Earthly Light』のリマスタード音源と、バンド解散後に主要メンバー Alessandro Serri(G&Vo)とEdmondo Romano(Sax)によるTHE ANCIENT VEIL名義のデュオの音源がセットになった変則的なアルバムとなっており、注目の6曲のボートラはそのTHE ANCIENT VEILの音源で、内3曲が未発音源となっている。 初期ERIS PLUVIAの未発音源収録でない(デビュー前の4曲入りデモテープ『Pushing together』'90の楽曲は1stに収録済)のは少々残念だが、内省的で民族音楽やジャズ、そしてクラッシック要素多目なアコースティカルで軽やかな、余りにも繊細で美しく儚げな珠玉の楽曲の数々が納められた、GRYPHON好きなら一発で虜になる事間違いなしなTHE ANCIENT VEILのアルバムが大好物なので、その未発音源がこうして今回初めて陽の目を見れたのは大歓迎だ(*´ω` *) ERIS PLUVIAのデビュー作のリマスターサウンドについては、元々音圧高めで音数で攻め立てるタイプでない自然な響きを大事に活かしたバンドサウンドな為か、音のクリアーさや響き、音の艶が増した印象が大きく、オリジナル盤をお持ちの方でも改めてより磨かれ輝きを増した本作を購入しても決して損ではないと思う次第であります。 THE ANCIENT VEILの未発音源の方は、意外な事に木訥なヴォーカルもので、インスト曲ばかりだったTHE ANCIENT VEILのアルバムに当時この楽曲が納められていたならば、完成度の高い艶やかで優雅な美麗インスト・サウンドだけが詰め込まれた至極なアルバムのレベルを一つ下げる事になっていただろう、そういう穏やかなヴォーカル入り楽曲で、出来は悪くない(ヴァイオリンやオーボエの絡みが、マジで堪りません♪)もののヴォーカルのレベル的に言うとアルバム収録を見送って正解だった、そんな小曲だ。 こちらの方もリマスター効果はバッチリで、艶やかな音の響きやブライトな音の抜け等、しっかりとサウンドの質が上がっているのが本当に最高過ぎで、こんな不完全な形でなく今度は是非ともTHE ANCIENT VEILのデビュー作をリマスター盤で出して欲しいものです。
by malilion
| 2019-04-30 18:49
| 音楽
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