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イタリアン古典シンフォ派なIL CASTELLO DI ATLANTEが発売25年記念盤としてデビュー作をリ・レコーデイングしてリリース!

c0072376_20582938.jpgIL CASTELLO DI ATLANTE 「Siamo Noi I Signori Delle Terre A Nord」'19

大昔からお気に入りのイタリア・インディレーベル VINYL MAGIC New Prog'90から、70年代から活動していたにも関わらず92年にようやくデビューを果たした、ヴァイオリンをフィーチャーした6人組イタリア産シンフォニック・ツインキーボード・バンドの、3年ぶり7枚目(LIVE2枚含むと9枚目)となるオリジナル・スタジオアルバムがリリースされたのを、ちょい遅れてGET!

久しぶりの新作は、92年のデビュー作『Sono Io Il Signore Delle Terre A Nord』のリリース25周年記念として現在のメンバーで新録されたニュー・レコーディング・ヴァージョンで、収録曲を曲順にニュー・アレンジで再録しているが、内1曲(オリジナル・アルバムでは7曲目『Estate』)のみカットし、代わりにボーナストラックとして新曲を1曲を収録しており、オリジナル・アルバムを持っている方も無視出来無い内容となっている。

デビュー当時はヴァイオリニストをメンバーに含む5人組で、ドラマーがキーボードも演奏する変則的なツインキーボード体制だったが、現在はちゃんとキーボーディスト2人、ヴァイオリニストも擁する6人組体制となっており、既にオリジナルメンバーは Aldo Bergamini(Guitar、Vocals)と Dino Fiore(Bass)、そして Paolo Ferrarotti(Keyboards、Vocals、Drums)のみとなっているのでメンツの半分が違う編成でデビュー作を単にリメイクするだけでも雰囲気が違ってくるのは簡単に予想出来る訳だが、初めて彼等のアルバムを聴いた時、小雨の情景が浮かぶシットリした情緒が香るものの70年代プログレの影響から抜けきれぬマイナー・バンド特有なイマイチ垢抜けないサウンドなれど、妙に心に残る儚くも美しい繊細なメロディを聞かせてくれたのを今も良く覚えており、そんなウェットで穏やか、そして柔和なサウンドだった印象がどのように変化したのか、に注目しつつアルバムの音に耳を傾けてみました(*´ω` *)

25年の時間の経過によって当然、メンバーのテクニックやミュージシャンとしての質、そして録音技術も向上しているのでオリジナル盤よりクリアで密度の高く艶やかな輝きあるサウンドに仕上げられているのは無論の事、PFMやQUELLA VECCHIA LOCANDAに近い、流麗でドラマチックなイタリアン・シンフォの伝統をアナログキーボードを多用して表現する事に拘りを持つバンドらしい、クラシカルなヴァイオリンや軽やかなピアノの音色をアクセントに華やかでメロディアスなアコースティック・アンサンブルを組み合わせ、リリカルな美しいメロディやナチュラルな楽器の響きに70年代古典イタリアン・プログレ直系バンドならではの気品が色濃く漂い、さらにデビュー当時の90年代ネオ・プログレ・バンド達からの影響(ポンプチックなシンセが堪ら~ん♪)もうっすら感じ取れる点が、今の耳で聞くと古臭いのに新しい要素が混ざり合ってサウンドに面白い効果を生み、絶妙にして繊細な陰影を楽曲に浮き立たせているのがなんとも新鮮に思えてしまう。

ただ、オリジナル盤にあったギターによる爽やか系のラテン・ポップスやフォークなどの要素も感じさせるシンフォニック・ロック、といった軽目のサウンドな印象はすっかり本リメイク盤では払拭されて、イタ公ならではの暑苦しさがサウンドにかなり濃厚に漂っているので、オリジナル盤にあった小雨の情景が浮かぶシットリした情緒が香る、といった濃厚プログレサウンドが専売特許なイタリアン・バンドらしからぬ弱々しく繊細なイメージはかなり後退しているのがちょっと残念ではありますが、デビュー当時のマイナーB級イタリアン・シンフォバンドまんまといった脆弱なイメージのサウンドより、本作のしっかりプロダクションされ磨き上げられた艶やかで深みある響きのサウンドな方が、同じインディ作と言えどより大衆受けする音なのは間違いなく、コレはコレで彼等の進歩を体現するサウンドなので、後はリスナーの好みの問題と言えましょう。

あれこれ妄想しても無駄なのは百も承知ながら、デビュー当時はインディリリースだった事もあって劣悪なサウンド(特にボトムが…)でこじんまりした音のアルバムであった訳だが、本作での美しく艶やかなヴァイオリンや軽やかなピアノ、そしてアコギの木訥ながらシンプルな響きが絡み合い、芳醇な香りを放つワインのように様々な味わいを放って拡がっていく調べの数々を聞くに、デビュー当時ちゃんとしたメジャーレーベルのバックアップや資金的援助が有ったならば、間違いなく『90年代初頭に蘇った70年代古典イタリアン・プログレ直系バンド!』とか『QUELLA VECCHIA LOCANDAの後継バンド現る!』みたいに、もっとシーンにその名を華々しく轟かせていたのだろうに『惜しい!』と勝手に悔しがってしまうくらいこの発売25周年記念盤の出来は良く、是非懐かしの70年代イタリアン・プログレ好きな方や古典イタリアン・シンフォサウンドがお好みの方々には一度本作をチェックしてみて欲しいですね。



by malilion | 2019-03-28 20:52 | 音楽 | Trackback
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