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次世代北欧メロハーの星! ARIONの2ndアルバムをご紹介。

c0072376_20103966.jpgARION 「Life Is Not Beautiful」'18

フィンランド産メロディックHMバンドの前作から4年ぶりとなる2ndアルバムがリリースされたのを、半年遅れてでGET!

正直、ここ日本では北欧メロディックHM系バンドは80年代の昔からマイナーどころからデビュー間もない新人インディ・バンドまで、ともかく『哀愁のメロディと透明感あるキャッチーささえあればOK!』という感じで『なんでコレが国内盤リリース!?』と我が目を疑うC級バンドまで青田買い状態でリリースされて来た歴史(ジャーマン系も同じ流れだなぁ…)があるのをメロハー好きな諸兄なら良くご存じな事でしょう。

ですので『有望株な北欧メロディアスHMバンドの新人がデビュー!』と、言われても北欧系メロハーHMに食傷気味な国内リスナーや昔からの耳の肥えたファンならば、なかなかSTRATOVARIUSやSONATA ARCTICA級のヒットを放つ新人の登場は難しいと予想するし、ぶっちゃけデビュー作はヴォーカリストの力量が悪くはないが特別良くもない、という没個性的な優しい歌声だった事もあって、その他大勢のマイナー北欧メロハー・バンドの新人の凡作の一つ程度にしか思っておらず記憶の彼方へ消えかけていた彼等なのですが、本作2ndで“大化け”したとの噂を小耳に挟んで(遅っ!)慌てて今頃購入した次第であります(汗

STRATOVARIUSの Matias Kupiainen(G)の実弟、Topias Kupiainen(Ds)が在籍している事でデビュー当時は注目を集め、その兄のプロデュースの元、歌詞の面で元SONATA ARCTICA、現CAIN'S OFFERINGの Jani Liimatainenの協力を得て楽曲制作を進め、新人としては恵まれ過ぎな環境で3曲入りデビューEP『NEW DAWN』'13 をリリース、それと前後してフィンランドでのバンドコンテストEurovision予選にエントリーし、この時のパフォーマンスを観たSpinefarm Recordsの創始者で、現在はRanka Kustannusレーベルを率いる Riku Paakkonenの目に止まり契約、そのままデビューアルバム『Last of Us』'14も制作と、鳴り物入りでデビューしたのも束の間、まさかの即来日決定でLOUD&METAL ATTACKへ出演と、2011年にフィンランドはヘルシンキにて Topias Kupiainen(Ds)と Arttu Vauhkonen(Key)を中心に結成され、順次 Gege Velinov(B)、Iivo Kaipainen(G)が加入し、ARIONとバンド名を決め、最後に Viljami Holopainen(Vo)が加わり編成が固まって以来、本当に新人(デビュー時にメンバー全員がティーンエイジャーだった!)としては破格の待遇と順調な活動を続けて来た彼等だが、15年の夏にフロントマン Viljami Holopainenが脱退と初めてのメンバーチェンジが勃発。

しかし、ここでも幸運に恵まれた彼等はフロントマン選びが難航する事なく、CONSTANTINEなるテクニカルHMバンドでフロントマンを務め既に三枚のアルバムをリリースしたキャリアを持つ Lassi Vaaranen(Vo:CONSTANTINEと兼業)を新たなフロントマンへ迎え入れ、バンドはLIVE活動しつつ新作へ向けての制作をスタートさせる。

前任者の幾分垢抜けぬ北欧マイナーHM風な歌声と至らぬ歌唱スキルと違い、既にキャリアを積んでいるだけあってアグレッシブでエモーショナルな堂々とした歌いっぷりの Lassi Vaaranenの歌声が起爆剤となったのか、デビュー時と同路線なエピック・スタイルのシンフォニックなメロディック・パワーHMにさらに多様な音楽要素を加えて進化させ、スケールの大きな楽曲と抜群のキャッチーさを誇る新曲をズラリと揃えた、アルバム二枚目の新人とは思えぬ圧巻の仕上がりな新作を約4年ぶりにリリースとなった。

既にアルバムをチェックされた方や北欧系マニアな方はご存じかと思いますが、まるでポップグループの如く幾度もシングル先行でデジタル配信オンリーの音源を発表するなど、アルバムオリエンテッドな作風を尊ぶメタルヘッド野郎のセオリーに囚われる事なく、ニュージェネレーションらしく時流も意識しつつ柔軟にあらゆる要素を取り込んで己の糧にし、怖い物知らずなヤングライオンの如くどこまでも貪欲に突き進む姿勢が本作で一層に浮き彫りになっていて、フロントマンの交代劇を大いなる飛躍へのチャンスに変え“次なるビックシング”だと期待させるに足る新人バンドへ生まれ変わったのは間違いありません!('(゚∀゚∩

特に今回は、新譜に先駆けてデジタル配信したシングル『At The Break Of Dawn』がAMARANTHEの Elize Ryd嬢をゲストヴォーカルに迎えた爽快でキャッチーなスピードチューンが既にダウンロードランキングで高セールスを記録と、新人バンド達が喉から手が出るほど欲しいシングルヒット曲を早くも掌中に収めたにも関わらず、さらに批判を恐れる事無くデジタル風味増し増しな『At The Break Of Dawn』のリミックスバージョンもリリースという大胆不敵な挑みっぷりは、失うモノが無い新人バンドならでは。やっぱ新人は活きが良くっちゃネ!

この目覚ましい躍進は、Matias Kupiainenをはじめ Riku Paakkonen等という優秀なブレーンがバックアップしているが大きいのだろうが、その期待に応える事が出来る高いポテンシャルを彼等が元来持っていたのと、既に名声を確立している有名所を招くという強かな(コネがないインディバンドは恨めしいだろうなぁ…)戦略を受け入れる柔軟な姿勢も彼等の成功を導いているのは間違いないでしょう。

北欧メロハーらしいキャッチーなメロディ・ラインに、北欧専売特許のキラキラしたキーボード・アレンジ、そしてハードエッジを効かせつつメロディ第一な美旋律を奏でるギター・ワークスと、メロハー好きなポイントはバッチリ押さえ、さらにシンフォニックHM系の影響も伺わすアレンジやエピカルな楽曲に相応しい壮大なスケール感を感じさせ、北欧メロハーお約束の疾走感あるチューンも健在で、それらのサウンドが総じてモダンなテイストを盛り込んだ音楽性と耳障り良いキャッチーな楽曲に無理なく収まっており、前作に引き続き裏方で Matias Kupiainenの手腕が遺憾なく発揮されているのは間違いなく、デビュー作以降のLIVEでの経験が活かされたのか Topias Kupiainen(Ds)と Iivo Kaipainen(G)による新人離れしたソングライティングのセンスとコンポーズ能力には所謂臭メロなるマイナーな北欧インディHM臭が皆無で、近年デビューした同系新人バンド群の中で間違いなくトップ・クラスのクオリティを誇る洗練されたサウンドに仕上がっている(*´ω` *)

バンドの中心人物の1人がドラマーという事もあってリズムアプローチが単調でなく、パワメタ系にしては手を変え品を変えと色々創意工夫をしている点や、もう1人の中心人物であるキーボーディストの活躍の場も大々的にフィーチャーされ、楽曲の表現を彩るキーボードの音色や煌びやかなシンセサウンドに所謂普通のシンフォ系やパワメタ系では聞けぬモダンな音色が持ち込まれている点もARIONのサウンドを独特なものにしている要因ではないかと個人的には思っとります。

とは言え総じてサウンドの完成度は高いものの独創性という点で言えばまだまだでSONATA ARCTICAやSTRATOVARIUS等の先輩バンド達からの影響や借り物的サウンドは隠しようもなく、他の誰でもない確固たるバンドサウンドを確立するには至っていないが、それでもアルバム二枚目にしてこのハイレベルなサウンドをクリエイトしている時点で彼等が非凡な存在である事は間違いないでしょう。

同郷の先輩バンドSTRATOVARIUS、NIGHTWISH、SONATA ARCTICAなどの荘厳でシンフォニック、そしてスピーディーなHMがお好きな方は勿論、今や中堅になりつつあるBATTLE BEAST、BEAST IN BLACK等がお好きな方にもお薦めな、新世代北欧メロハー・バンド最右翼候補な彼等の新作、是非にチェックしてみて下さい。



by malilion | 2019-03-04 20:06 | 音楽 | Trackback
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