![]() イタリア人ギタリスト Stefano Viana率いるVIANAが、アメリカ人シンガー&ギタリスト&プロデュース業の Bryan Cole(GIANT、STEEL CITY、ソロ)を新たに迎え制作した、2年ぶりとなる待望の2ndアルバムがリリースされたのを、ちょい遅れてGET! いやー、このバンド名を最初見た時、メロハー・バンドとは違う印象を持ったんですよねぇ…ヴィアナって名前を聞いて、ブラジルのサグラドを思い浮かべるのはプログレ好きだけですよね。ハイ、関係ない話スミマセン(汗 幾度も挫折しつつアルバム制作を決して諦めなかった苦労人 Stefano Vianaの念願であったデビュー作は、イタリアン・メロハー界の重鎮 Alessandro Del Vecchio全面協力の元、イタリアのトップ・ミュージシャン達により制作されたプロジェクト作であったが、本作では前作に引き続き参加となった美貌のベーシスト Anna Portalupi嬢(B:HARDLINE)とキーボーディスト Pasquale India、そしてギタリスト Francesco Marrasのイタリア人ミュージシャン達に加え、新たに Terry Brock(Vo:STRANGEWAYS、THE SIGN、ex:GIANT、etc...)の協力も得て制作されており、前作でも感じられたUSメロディアス・ロック色がより強調された爽快メロハー・サウンドとなっている。 逆に前作で感じられたウェットな叙情感や欧州的メロハー・テイストは弱まっており、これはどう考えてもSURVIVORの二代目フロントマン Jimi Jamisonっぽい雰囲気も漂わす歌唱に Mark Free(ex:KING COBRA、ex:SIGNAL、UNRULEY CHILD)のようなクリアなハイトーンがMIXされた歌唱スタイルな Bryan Coleのヴォーカルを念頭に置いて制作されたが故のサウンド変化で、粋の良いUS風のキャッチーなメロディアス・ロックと欧州風なウェット感あるメロディアスHRの良いトコ取りを目指した風な方向性は悪くなかったもののデビュー作の完成度を著しくスポイルしアルバムをB級メロハーに貶めていた濁り声シンガー Alessandro Del Vecchioが今回はヴォーカルを担当していない点(ミックスとマスタリングは今回も担当)も大きいからだろう。 まぁ、デビュー作はその Alessandro Del Vecchioの人脈フル活用で創り上げたようなものなので、何度もアルバム制作をしてリリースに至らなかった Stefano Vianaにしてみれば彼無しには完成まで漕ぎ着けなかったとの思いは強かっただろうし、プロデュースのみならず楽曲制作にも関わって無名のイタリア人ギタリストのデビュー作をあそこまでのレベルへ持って行った功績もあって Alessandro Del Vecchioのイマサンな歌声(ワイルドなHR系ならマッチしそうなんだけど…)をフィーチャーするのも致し方なかったかも知れないけど… また、今作は前作と違って Stefano Vianaと Bryan Coleがアルバムを共同プロデュースしている点と、ベテラン・ヴォーカリストである Terry Brockをバッキングヴォーカルに迎え、その熟練した技術と経験(ヴォーカルパートのプロデュースは Terry Brock!)が活かされた為か、Bryan Coleの元々持っていたポテンシャル以上にボーカルアレンジメントやコーラスワークはデビュー作とは比べものにならぬパワフルさとキレ、そして美しく爽快なハーモニーの質が急激に上がっている大きな要因なのは間違いなく、2ndを恐ろしい程のハイレベルなメロハー作へ引き上げる事に成功している。 さらに、イタリアのインディレーベルからイギリスのEscape Musicからのリリースへ移籍と、着実な飛躍を遂げている点も見逃せないだろう。 前作は欧州風メロディアスHRをベースにUSメロディアスHR、さらにAOR要素等を巧みに取り込んだ興味深いサウンドであったものの、やはり Alessandro Del Vecchioのヴォーカル能力がその手のキャッチーでフック満載な売れ線メロハ-を歌うには十分でなかった為か Stefano Vianaのテクニカルで流暢なギターが所々で耳を惹くもののアルバムを繰り返し聞かせるレベルに達していなかった訳だが、クリアーで爽快感ある Bryan Coleのシャープな歌声を得た事によって、STARSHIP、WINGER、GIANT、BAD ENGLISH、SURVIVOR等に通じる80年代風の産業ロック&クラシックUSメロディアスHRサウンドな、如何にもアメリカンでカラッとした空気を感じさせるシンプルでストレートな美旋律が印象的な楽曲は、質、サウンド共に数段向上しており、誰が聴いても前作を遥かに超えるメロディアス作だと Stefano Vianaが自信満々に強く主張しているかのような快作で、メロハー愛好家は是非ともチェックせねばならぬ一枚と言えるでしょう。 ここまで手放しで褒めておいてなんですが、楽曲の方向性が産業ロック系に寄ったバランス重視型になった事もあって Stefano Vianaはクレバーにソツなくその方向性にマッチした実にツボを押さえた楽曲に映えるギタープレイをしているのですが、デビュー作で時折垣間見えた派手な弾きまくりというようなパートはすっかり姿を消してしまったのがちょっと残念ではあります。 ま、この方向性に進んだ方が間違いなく認知度は上がるし、活動範囲も拡がるだろうから大人な判断で賢明だと思いますけどね。 因みにスペシャルゲストで John Roth(G:WINGER、STARSHIP)が招かれ、鮮やかなソロプレイを数曲で披露している他、GIANTに関わりある Bryan Coleと Terry Brockがデュエットも披露しているのでメロハー愛好家は本作を見逃せませんね(*´ω` *) 歌詞からアレンジメントに至るまで、楽曲は美しいメロディーとブライトなハーモニーに徹頭徹尾満たされ、それでいてしっかりロック的なリズムとグルーヴのパワーも感じられる、それらが絶妙に調和したキャッチーでクラシックなAOR&USメロディアスHRの教科書的な本作は、隠し味的に若干ユーロテイストとウェットな叙情がメロディに仄かに感じられ個人的に大好物なサウンドなので、是非ともこの方向性のままメンツを変えず精力的な活動を続けて欲しいものであります。
by malilion
| 2019-02-28 11:34
| 音楽
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