怒濤の勢い止まるを知らず! 新世代イタリアン・プログレバンドSYNDONEが再び傑作をリリース!

c0072376_15515597.jpgSYNDONE 「Mysoginia」'18

前作で70年代の古典プログレ・バンド群と肩を並べる創作レベルへ到達した、正に破竹の勢いと言える新世代イタリアン・プログレバンドの復活後第5弾、通算7枚目となる前作より2年ぶりの新譜がリリースされたのでご紹介。

復活後メンツがイマイチ安定していなかった彼等だが、本作に置いては前作とメンツの変動がなく、Vibraphone(鉄琴)とXilophone(木琴)を操る女性Keyプレイヤー Marta嬢を含む6人組なままなのですが、前作のギターも含むトリプルキーボード編成は流石にやり過ぎと思った(今更!?)のか本作では Riccardo Ruggeriは一切ギターをプレイせず歌唱のみに集中し、従来のギターレスのツインキーボード体制に戻り、また Marta Caldara嬢は鉄琴、木琴、パーカッションのみの演奏となっている。

まぁ、前作でもストリングス・カルテットをゲストに迎えて重厚なサウンド造りに心血を注いでいましたが、本作ではそれをさらに推し進め、ブダペスト・シンフォニー・オーケストラや合唱団をフィーチャーした、如何にもイタリアン・プログレという胸焼けしそうに濃密な味わいと壮大なスケール感を誇るアルバムとなっているので、キーボードが三人も要らなかった、というか恐らく居ては邪魔になるという判断なんでしょう。

ギターレスながらハモンド、シンセ、メロトロン、ムーグ、ピアノ等々の多彩なキーボード類を今回もふんだんに織り交ぜつつ、シンフォニー・オーケストラの分厚いストリングや荘厳な美声を響かせる合唱団をフィーチャーして前作での本物の大聖堂パイプ・オルガンを使った重厚なサウンドに負けず劣らずの超弩弓に壮大で複雑、そして華麗なシンフォニック・サウンドを炸裂させるその様は、何世紀にも渡って続く女性達への性犯罪や時代や権力に翻弄され犠牲になった悲劇のヒロイン達を題材にした、重苦しい社会テーマを扱ったコンセプト・アルバムなものの、まるでオペラか映画のサントラかという圧巻の一大絵巻のようで、下卑た感触や後ろめたさを微塵も感じさせず、これでもかと暑苦しいイタ公の熱気ムンムンに豪快に、時に密やかに、繰り広げられていく。

復活後は初期のような押しまくるスピードやけたたましいパワーといったテクニカルHMバンドの如きサウンド要素が消え失せ、リーダー Nik Comoglioの創作とミュージシャン・レベルが上がった証とばかりに、引きのサウンドの美しさや優雅でアーティスティックな要素が前面に押し出されていた彼等だが、メンツが充実し安定したからなのか前作で初期曲を再録したりと初期のパワー圧しの片鱗を感じさせ、本作では初期のパワフルさも随所で感じさせる暑苦しさ(主にシアトリカルなヴォーカルが)も効かせつつ、復活してから積極的に表現していた地中海音楽や中世音楽等の古典要素も巧みに楽曲に織り込みながら、リリカルに優雅に気高く磨き抜かれた極上の美旋律が紡がれ唯一無二のSYNDONEワールドが構築されていく様からは、正に70年代の巨人達を追い抜かんばかりの熱い息吹と勢いがヒシヒシと感じられ、ホント感無量であります(*´ω` *)

NEW TROLLSの Vittorio De Scalzi(Flute)やARTI E MESTIERIの Gigi Venegoni(Electric Guitar)といった有名所がゲストで参加してアルバムに華を添えている以上に、イタリアン・ポップス歌手の Viola Nocenzi嬢(Banco del Mutuo Soccorsoと繋がりが深い)が可憐な歌声でフロントマンの Riccardo Ruggeriとデュエットしたりバックコーラスを聞かせたりとアルバムの華麗さが増すのに一役買っているのも見逃せぬポイントでしょう。

そうそう、Marta Caldara嬢がキーボードプレイを止めて鉄琴、木琴のプレイに集中したせいか、思いの外軽やかな鉄琴や木琴のサウンドがキーボードとは一味違った音色を豊かに響かせ、このバンドならではの特色になっているのに今回改めて気付かされましたね(*´ω` *)

唯一の不満は、こんなにスケールのデカイサウンドのアルバムなのに、アッサリと終わってしまう、ってトコでしょうか?
いや、長ければいいってもんでもないんで、綺麗にまとまって終わる方がいいんですけど、もっと聞きたい! っていう欲求の方が大きいのですよ…

アルバムのサウンドが重厚であればある程に、フッと訪れるピアノの軽やかな独奏やクラシカルな味わい深い音色を紡ぐ様は本当に美しく、キーボードサウンド・ファンやイタリアン・プログレファンは勿論のこと、モダン・シンフォ好きな方にも是非お薦めしたい一枚であります。



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by malilion | 2018-10-02 15:45 | 音楽 | Trackback
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