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南国の風、で連想するのがSEBASTIAN HARDIEならプログレ脳! NUCLEAR VALDEZなら陽気なラテン野郎!

c0072376_10551847.jpgNUCLEAR VALDEZ 「Present From The Past」'17

クソ暑い夏の日差しにグッタリ干涸らびかけていると、無性に聞きたくなるアルバムがありまして。
それが、今回ここでご紹介する“気怠げな南国の夕暮れ゙”を感じさせるサウントなバンドであります。

実は今年もレコードラックに手を伸ばし、アルバムに耳を傾けつつ何気なく彼等の事を検索してみたら…え!? 去年の4月末に音源がリリース!?

USフロリダで結成されマイアミを拠点に活動し、そのモダンでラテン風な哀愁メロディが注目を集めた、キューバやドミニカ共和国出身者で構成されたポップ・ロックバンドの、全世界を覆ったグランジーの波に呑まれ敢えなく所属レーベルのSONYをドロップする憂き目にあった後に制作された80年代後半時期頃のDEMO音源が、アナログ盤オンリー(LP)ながらリリース(DL販売済)されていたのを今頃知った…Σ(゚д゚lll)

収録曲は計8曲で、全てアルバム未収録曲となっております。

00年に久々にアルバムをリリースしたものの、その後一切消息が伝わってこなかった事からとっくに解散していたものと思っていた訳ですが、メンバーの Froilan Sosaのインタビューを見る限りその予想は外れてはおらず、既にNUCLEAR VALDEZはパーマネントなバンドとして常時活動していない模様で、Froilan Sosaも半ば表舞台から身を引いているようだが、それでもファンの声に応えて不定期にLIVEを行ったり、こうして音源をリリースしてくれたのをまずは感謝したい。

ギター中心のブルージーなシンプルサウンドなれどラテンフレーバー漂うアダルティックでアンニュイ、それでいて心地よいポップさも伴った楽曲が素晴らしい4人組バンドによる、SONYからの89年メジャーデビュー作『I Am I』は英国でスマッシュヒットを飛ばし、続く92年にキーボード中心なよりメロディアスでメランコリックなサウンドへ変化し、一気にAOR&ラテンテイストを強めポップ化(個人的に彼らの最高傑作と思っとります!)が加速した2nd『Dream Another Dream』をリリースしたものの活動は滞り、敢えなくメジャーレーベルよりドロップして消息不明になってしまう。

しばしの後、00年により落ち着いたシンプルサウンドながら楽曲の完成度は実は今までで随一な3rd『In a Minute All Could Change』をUS再販中心レーベルからリリースするが、この時点でオリジナル・ギタリスト Jorge Barcalaが脱退した3人組バンドとなってしまう。

アルバムには Dan Ceratelliなるリードギタリストが招かれ作曲にも数曲で参加もしているが、最新のLIVEフォトでは3人組になっているのを確認するまでもなく、早い段階でバンドを脱退した模様だ。

時流がら仕方が無いがダーティでラウドなギターサウンドが耳に付くものの、特に奇をてらったサウンドでもなく、ドポップでキャッチーという訳でもなく流行に乗っかった訳でもないサウンドでは弱小レーベルリリースのアルバムがそう話題になる訳もなく、この後自然消滅的に彼等の情報は入ってこなくなる……

本作は、その3rd制作のかなり前にセッションされたDEMO音源という事で、3rdほど落ち着いた枯れた味わい路線へいっていないラフでシンプルなそのサウンドは寧ろ1stに近いものを感じさせます。

ただ、次なるメジャーとの契約も目論んでいたのか、多分に時流を意識したっぽいアングリーテイストを漂わす暗めな粗いサウンドは、正直、彼等っぽさが薄いサウンドだなぁ、とは感じました。

メジャーとの契約を諦めて挑んだ3rdのサウンドには、むしろ清々しささえ漂っているように思えるので、このDEMO音源の方向性でメジャー契約した末にアルバムがリリースされる事なく終わったのは、今から考えれば彼等のファン的には良かった事になるもかもしれませんね…

さて、やはりこのバンドを語るとなるとどうしても外せないのが、ボーカルにして、ギターやキーボードもこなすバンドの頭脳 Froilan Sosaの気怠げで艶っぽく、男の色気を漂わす渋みある歌声についてでしょう。

日本独自ジャケ(世界共通のオッサンジャケはイメージブチ壊しだ)が秀逸な1stのシンプルなギターサウンドに乗っかるブルージーな歌声より、シンセやリズムマシーンを中心にしたよりメジャー志向な2ndの楽曲に乗っかるスムースで熱を秘めたアダルティックでありつつ、ロックぽい力強さと渋さを感じさせるマイルドで伸びやかな歌声が実に映えます。

特にゴスペルコーラスや管楽器なんかもフィーチャーされて、よりアメリカン・ポップさとラテンフレーバーや黒っぽいヴァイブが絶妙にミックスされたモダン・ポップサウンドの完成度はかなりのもので、どうしてコレが当時メジャーで受けなかったのか不思議だと常々思っとりましたから。

本当に全米を襲ったグランジーのクソ波は一体どれだけの有望なメロディアス・ロックバンドの命運と前途有望なミュージシャンの未来を奪ったのか、想像するだけで腹立たしい限りであります(#・ω・)

シンプル且つ哀愁の漂う歌モノなロックポップもイケる! と、いう方に是非お薦めしたい、そんなバンドであります。

本作はサウスフロリダのレコードストアで発売され、現在もアマゾン等で購入可能なので、ダイハードなファンな方は見逃せませんね。



by malilion | 2018-07-17 10:48 | 音楽 | Trackback
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