遂にLEPSコピーから脱却! 一段上のステージへ飛躍した北欧メロハー・バンド期待の新作!

c0072376_20350728.jpgGRAND DESIGN 「Viva La Paradise」'18

スカンジナヴィアンHMシーンの重鎮であり、元ZEELIONのヴォーカリスト&プロデューサーであった Pelle Saetherを中心に06年に結成されたスウェーデン産ツインG5人組メロハー・バンドの、レーベルを本国スウェーデンのレーベルに移して初となる前作から4年振りとなる4thアルバムが前回に引き続き今回も無事国内盤がリリースされたのを、ちょい遅れてGET!

前作からモロLEPSのコピー路線から外れつつあった訳ですが、この新作では遂にLEPSサウンドはバンドサウンドの一要素(いや、半分くらいまだか…)にまで落ち着き、変わってスリージー&グラム要素やAOR的整合感、そして本家DEF LEPPARDが捨て去ってしまった人工甘味料たっぷりな造り込まれたゴージャス・ポップロックに北欧フレーバーをタップリまぶしてキャッチーさに磨きをかけた北欧メロハー要素がググッと全面に押し出された新機軸路線へサウンドが進化し、その楽曲完成度も前作より明らかに高く、これには少々驚かされました('(゚∀゚∩

まぁ、冷静になって彼等のアルバムに耳を傾けていたファンは既にご存じだったでしょうが、周囲が言うようなDEF LEPPARDの影響って、このバンドの場合サウンドのゴージャスな人工的処理だったり、確信犯的なフレーズやコーラスの盗用(汗)だったり以外では、実はバンドの音楽的な共通点(Pelle Saetherがこのバンド以前に活動していたZELLOやZEELIONのサウンドを聞けば簡単に憶測可能)は殆どなく、ベースは脈々と70年代より連なる、透明感と哀愁を湛えたキラキラしたサウンドが日本人受けする北欧叙情HMの典型的サウンドフォームだったんですよね。

ですので、オリジナリティが増す=自然と北欧HM的ウェット感だったりが表面化、と薄々感づいておりましたが、新譜のここまでの楽曲の完成度までは正直予想出来ませんでした(アッパレ!

また、この変化は北欧バンドの定番とも言えるメンバーチェンジが強く影響し、それが良い方へサウンドの発展を促した原因とも考えられます。

以前はヴォーカリスト&プロデューサーであった Pelle Saetherが殆どの楽曲を手がけていたが、本作から前作から引き続き参加している80年代前半から活動を続けている北欧HMの元祖的バンドOVERDRIVEやCONSTANCIAで活動中の Janne Stark(G)とDennis Vestman(G)も楽曲制作に関わり、さらに本作より同郷HRバンドROCKETT LOVEのギタリストでリーダーである Stefan Westerlundがベーシストとして加入し、モロに80年代に影響を受けたキャッチーでハイクオリティな、CRAZY LIXX、RECKLESS LOVE等を彷彿させるLAメタル的サウンドを聴かせた彼の持ち込んだ音楽的要素でか、相変わらずのオーバー・プロデュース気味な人工的サウンドと、過剰な分厚さと大仰なコーラスが鼻につく所もあるものの、今まであまり強く感じられなかったスリージー&グラム要素が大きく全面に押し出され、妖艶さや下品さ等のバッドボーイズ・サウンド要素も合わさり、小綺麗で人工的な作り物臭いばかりだった借り物サウンドに絶妙な化学反応を引き起こしたのではないでしょうか?

しかし、この新作の出来が良ければ良い程に心配なのが、このメンツがいつまで続くのか、って事もありますよね…

元々、デビュー以来メンバーが流動的で、特にリズム隊は常に不安定で Magnus Ulfstedt(ECLIPSE、Jimi Jamison、TALISMAN、LIONS SHARE)が前作リリース前の13年から15年辺りまで在籍していたものの、ECLIPSEを優先する(当然だわな…)と言う事で16年にはCOLDSPELLの Perra Johanssonがヘルプで叩き始め、本作の収録も担当したもののCOLDSPELLを優先する為彼はバンドを離れ(またか…)、本作リリース後に新ドラマーとして Joakim Jonsson(AXENSTAR、PSYCHOPUNCH)が加入という、これもまた掛け持ちメンバーなので不安が拭えませぬ…(汗

それにも増して、ドラッグ&セックス&ロックンロール、なんて今時恥ずかしくて口にも出来ぬフレーズを恥ずかしげも無く高らかに歌い上げ、ゴージャスで煌びやかな人工的サウンドを合成して飾り立てた甘々メロディーと爽快エネルギーが一杯な楽曲をこれでもかとプッシュしてくる、絶えて久しいド・ストレートな80年代的スリージー&グラム要素満載LAメタルサウンドと合わさって今の時代には逆に新鮮に映っちゃうのが、なんとも微笑ましいというか自分も歳を取ったんだなぁ、とちょっと寂しく感じたりして(苦笑

80年代スタイルのAOR&ハードポップサウンドにモダンなダイナミックスを加えLEPS的なサウンド路線はそのままに、DEF LEPPARD的な流暢なハーモニーとメカニカルなグルーヴに人工的処理が未だに強く感じられるものの、Janne Stark(G)が奏でるHM要素全開なギター・ソロはよりメロディアスでフックが増し、まさに北欧HM的フレーズとウェットな艶をバンドに与えてそれらのマイナス要素をいい具合にカバーし打ち消しているし、PRETTY BOY FLOYDやMOTLEY CRUEが明らかにヒントであろう彼等の表現しているグラムやスリージーのバッドボーイズ・テイストやPVイメージ等は、下品さやダーティさ、そしてバカっぽさ(笑)が本家に比べて希薄で、それが本作では上手い具合に混ざり合って独特の輝きを放つオリジナリティの確立に大きく役立っているのが個人的には大変よろしく思っております。

前作の時点ではオリジナリティの増加につれて楽曲の完成度が低くなるのではと危惧しましたが、それは杞憂に終わって一安心なのですが、本作のゴージャスで煌びやかなサウンドが派手になればなる程に、リーダーでありフロントマンである Pelle Saetherの歌声のか細さやパワー不足が浮き彫りになるという新たな問題点が浮上してきて、イヤハヤなかなかに手放しで活動を喜べないバンド、という印象は未だに覆りませんね…(汗

とまれ本家DEF LEPPARDが捨て去った&進まなかった路線が行き着く“聴けそうで聴けなかった”LEPS進化サウンドをこうしてしっかりと提示するという、数多くいるLEPSフォロワーの中でもなかなかに為し得ない偉業(大げさ過ぎかw)を果たした彼等のこの新作の頑張りと手腕には素直に喝采を送りたい。

北欧風な憂いあるウェット感の強いメロディや透明感と清涼感溢れるメロディを保ちつつ、グラム&スリージィーなダーティなロックンロール要素も加味して人工甘味料的LEPSサウンドに独自色と多様性を加えるという、実に絶妙なさじ加減が必要なこの方向性、いつまで続けられるのか…次なる新作に今から期待が高まりますね(*´ω` *)



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by malilion | 2018-06-30 20:22 | 音楽 | Trackback
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