SPOCK'S BEARDチックなプログレ・プロジェクト CELL15が遂にバンド作をリリース!

c0072376_20163638.jpgCELL15 「River Utopia」'18

BOSTONに楽曲が採用された事もある70年代から地道な活動を続けAORファンにその名が知れていたアメリカン・メロディアス・ロックバンドHYBRID ICEでキーボードとヴォーカルを担当している(いた?)USAペンシルバニア州レノボ出身 Robert Scott Richardsonが11年から新たに立ち上げたプログレ・プロジェクトの14年デビュー作『Chapter One」』に続く待望の2ndがリリースされたので即GET!

デビュー作時点ではヴォーカルを含め全ての楽器を Robert Scott Richardsonが演奏していたナンチャンッテ・バンドだった訳だが、デビュー作が好評な事を受けてメンバーを募り、数多くのオーディションを経て15年に Robert Scott Richardson(Vocals&Keyboards)を中心に、Shane Jones(Guitar&Vocals)、スコットランドのバンド Elephantsの元メンバー Dan MacDonald(Bass&Vocals)、USAフュージョン・プログレバンド CIRCULLINEの Andrew Colyer(Keys&Vocals)、Bill Brasso(Drums&Vocals)の5人のフルメンバーから成るツイン・キーボード体制の本物のバンドとして本格始動し、満を持して放つアルバムが本作だ。

2ndアルバムを制作しつつ17年はニュージャージー州でのショーや、RahwayでのProgStock Festivalへ参加し演奏を披露するなど精力的な活動を続けていたが、18年アルバムが完成したのと前後してメンバーチェンジが勃発し、Bob Richardsonなるヴォーカリストを新たなフロントマンに迎え、ボスの Robert Scott Richardson(Keyboards&Vocals)は当然として、Dan MacDonald(Bass&Drums&Keyboards&Vocals)、Andrew Colyer(Keyboards&Vocals)、Shane Jones(Guitar&Vocals)の5人を正式メンバーに、Ornan McLeanをゲストドラマーとして迎え、現在は活動を継続中な模様。

本作での歌声も悪くないものの、Bob Richardsonなるヴォーカリストを迎え入れた所を見ると、やはり自身のヴォーカルスキルではA級バンドへは難しいと冷静な判断を下した Robert Scott Richardsonの賢明にしてプロフェッショナルな英断を歓迎したい。
エゴなのか、耳の病気なのか、それとも自分の歌声に間違った自信を持っているのか、この手の冷静な判断の出来ぬミュージシャンの多いこと多いこと、特にプログレ系はホントに下手クソなリーダー・ヴォーカリストが多くて辟易させられますからねぇ~('A`)

さて、この新譜の内容の方ですが、1stと同路線の所謂最近のUSAモダン・グレなサウンド…ぶっちゃけて言うとモロにSPOCK'S BEARDなテクニカル・シンフォサウンドがさらにスタイリッシュでコンパクトになったイメージ、と予想通りな内容となっておりました。

デビュー作はそれに加えて当初の予定通り、KING CRIMSON、GENTLE GIANT、YES、GENESIS、PINK FLOYD、そしてKANSASの影響を受けたサウンド、というかそれらのお手本バンドのフレーズやサウンドパーツがそこかしこに散見しておりましたが、今回は流石に熟達したミュージシャン等によるラインナップを揃えたのが功を奏したのか、そういったモロという感触が薄れて安っぽいアマチュア臭さを払拭する事に成功(未だにキーボードのフレーズだったりに残り香があるけどね…)したのは着実な進歩と言えましょう。

ただ、良いことばかりでもなく、US産らしいスピーディな展開とドライなサウンド、派手でテクニカルなキーボード、スリリングに切り込むギター、アメリカらしいキャッチーな歌メロ、そしてプログレチックで巧みな曲展開等々、バランスのとれた実に優等生なUSシンフォ・サウンドと言え、余りに引っかかりの少ない素直で小綺麗過ぎる、無菌培養された無個性なサウンドというようなイメージがなきにしもあらずなのは少々問題かも…

勿論、そこらのアメリカン・シンフォがよくしでかすパワー一辺倒なアホさは皆無だし、予想以上にドラマチックな展開だったり、所々でジャズっぽい香りのするキーボードプレイや鍵盤の音色だったり使い方だったりにシャレオツなセンスが光る点など、リーダーがAOR系ミュージシャンだった故なのかモダンなサウンドの感触はその他大勢のUSシンフォ・バンドに無いこのバンドならではの特色とも言えるが、既に同一路線のバンドとしてSPOCK'S BEARDが存在し、似たサウンドを先んじて披露している訳なので、これから先どういった方向へサウンドを発展させるかがこのバンドが生き残れるかどうかの大きなポイントとなってくるような気がします。

USモノにありがちなちょっとリズムが単調な気がする点と、まだまだ強烈な個性が確立されていない点が気にはなりますが、自主制作のシンフォ・バンドの実質的なデビュー作と捉えれば十分以上の出来なのは間違いありませんので、その筋のサウンドがお好みの方は青田買いのつもりで今からアルバムをチェックして購入しておくのもありかもしれませんね。




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by malilion | 2018-06-29 20:11 | 音楽 | Trackback
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