フレンチ・シンフォ・デュオ SEVEN REIZHが待望の続編となる新譜をリリース!

c0072376_12152094.jpgSEVEN REIZH 「L'Albatros」'18

フランスはブルターニュのシンフォニック&プログレッシヴ・デュオプロジェクトの三年ぶりとなる4thがリリースされたので即GET!

16年に発表されていた野心的な前作“La Barque Ailee”の続編となる本作だが、デビュー作以来恒例のLPサイズな分厚いハードカバーなブックレット(200Pって、もう絵本!)付きのみならず、今回は前作も一緒に収納出来るハードケース付き(二作収納すると辞書みたいな分厚さに…)というこだわりようだ。

19世紀中期にブルトンの船乗りから初めて空を駆けた航空の先駆者であるフランス人ジャン=マリー・ル・ブリスの生涯を綴ったコンセプト・アルバムで、前作“翼のあるボート”の続編である本作“アルバトロス”で物語は圧巻の完結を迎える。

SEVEN REIZHは Claude Mignon(作曲家、ギター&キーボード)と GerardLe Dortz(作曲家、ヴォーカル)二人が中心となって率いているシンフォニック&プログレッシヴ・プロジェクトで、01年のデビュー以来一貫してコンセプト作を多数のゲストを迎え、寡作ながら独特な美旋律で綴り続けている。

彼等が他のシンフォ・バンドやプロジェクトと大きく違っている点は、Mike Oldfield、PINK FLOYD、GENESIS、CAMEL、MARILLION、XII ALFONSO、ENYA、CLANNAD等の影響を受け、フォーク、ゴシック、ネオ・プログレ、ケルト、ワールドミュージックを融合させた独自のシンフォニック・サウンドを提示しただけでなく、LPサイズのCDブックレットで音楽と読書をMIXさせて物語を綴り、さらに英語、フランス語、ブルトン語、ゲール語、時にはカバイ語などの多言語で歌われ、劇的で旋律的なインスピレーションをコンセプト・サウンドに与えている事だろう。

また、それ故にメジャーに成りえない、マイナーでアンダーグランドな存在であるとも言える。

複数のフィメール・ヴォーカリストをはじめ、チェロやヴァイオリンや、サックス、トロンボーン、フルート、バグパイプやケルティックハープ等々の多数のゲスト・ミュージシャンを招いているものの、アルバムは必要以上に壮大な音の壁を構築するような事もなく、どちらかと言うとアコースティック風味が強いシンプル寄りなサウンドで、オリエンタルなワールドミュージック・テイストを全編から漂わす、エネルギッシュさより華やかで繊細なサウンドを優先したシンフォ&プログレ・サウンドと言え、奇をてらうような事もなくゆったり展開していくメロディアスなサウンドは非常に旋律的であり、けれど、時折シンプルなサウンドが複雑に絡み合ってエネルギーが爆発する瞬間が希にある、そのスリリングさがホント堪りません(*´ω` *)

実際、クラシカルなテイストはあるもののEL&Pのようなパワフルさはなく、GENESISを手本としたポンプサウンドよりも現代的なサウンドで、個々のプレイヤーのエゴはYESのように現れず、KING CRIMSONのように過度にテクニカルで複雑になる事こともない、それでいてネオプログレ・テイストもそこかしこから感じられ、メロゥでセンチメンタルなCAMELのようなテイストが一番大きく、全体的には感傷的でしっとりとした艶やかで儚げなサウンドで、それらは大きなオリジナリティや画期的なものではないものの、クリアーで神秘的な美声の女性ヴォーカリスト達が紡ぐ物語とひたすらメロディアスなギターとキーボードが渾然一体となって構築する叙情が際立つシンフォニック・サウンドに導かれ、古典的なプログレッシヴ・ロックから美しいアコースティック・サウンドへ突然に移行する、その差異と押しと引きの妙や、木訥でシンプルなメロディが、美しさ、繊細さを引き立てる非常に巧く細工の凝らされた作品だ。

テクニカルさやスピード、そして壮大なシンフォニックサウンドと言ったものは見当たらず、多様な楽器の様々なサウンドとマルチパートの構造にも関わらずアルバムは非常にシンプルなメロディが流れ、けれど幅広い音楽的影響から生み出されたエスニック&ワールドミュージックの皮をかぶったケルティック・シンフォサウンドが精緻で魅力的なサウンド・タペストリーを織り成していく様は、まさに絶品の美しさと言えよう。

その多言語で綴られるサウンドや、毎度分厚くクソ重いブックレット同封なアルバムの為か流通状況が悪く、彼等の作品はメジャーシーンどころかプログレ系のアンダーグラウンドな界隈でも余り話題にならないものの、緩やかな美旋律がお好きなシンフォ・ファンはもちろん、美声のフィメール・ヴォーカル・ファンや、ケルト・ミュージック、及びエスニック&ワールド・ミュージック好きな方へお薦めな、一風毛色の違った野心的でインテリジェンス漂うアルバムですので、是非一度ご自身の耳でチェックしてみて下さい。

因みに本作は2種類のアートワークが用意されていて、古地図のブラウン・カヴァーと空のブルー・カヴァーの2つからお好みの方をチョイス(ブックレット中&音源は同じ)出来る仕様となっております。

c0072376_12154058.jpg豪華装丁なので少々お値段がお高いですが、毎度の事ながら自主盤なのでお求めの方はお早めにね!




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by malilion | 2018-06-12 12:10 | 音楽 | Trackback
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