古典とモダンを融合させ進化を加速させる! SPOCK'S BEARDが新譜をリリース!

c0072376_18083187.jpgSPOCK'S BEARD 「Noise Floor」'18

90年代北米Progressive Rockを代表するバンドと言っても誰も異論はないだろう盤石の地位を築いている彼等の、前作『The Oblivion Particle』より3年ぶりとなる2枚組13thスタジオアルバムがリリースされたので即GET!

いや~、良作目白押しで嬉しい悲鳴が止まりません♪(*´ω` *) ヒャッハー

度重なるオリジナル・メンバー脱退の危機を乗り越え、ここ数作は三代目フロントマンにENCHANTの Ted Leonard(Lead & Backing Vocals、Guitar)を、ドラムスに長らくツアーのサポートメンバーであった Jimmy Keegan(Drums、Percussion、Backing Vocals)をメンバーに迎えて万全の5人体制に戻り新たなバンドサウンドの構築へ邁進していた彼等だが、その Jimmy Keeganが16年に自身のソロキャリアや他のセッションワークが忙しいとの理由でアッサリ脱退してしまい、現在の所バンドは正式ドラムメンバー不在状態の4人組となっている。

普通ならその事前情報だけで嫌な気分になる所なのだが、本作に置いては Jimmy Keeganに代わって元オリジナル・ドラマーにして二代目フロントマンであった Nick D'Virgilio(現BIG BIG TRAIN)をサポート(飽くまでヘルプで正式復帰ではない)に迎えてアルバム製作をすると発表し、逆に興味をそそられる状況であったのは面白いトピックだろう。

さて、その新作だが、ここ数作で顕著になったのが Ted Leonardのブライトな歌声を得た事でバンドサウンド全体にキャッチーな爽快さが増した変化であったが、本作ではその Ted Leonardの歌唱に軸を置いたソリッド且つキャッチーな80年代中期以降のアメリカン・プログレ・ハードなテイスト(そもそもENCHANTがモロKANSASの影響大だしね!)が更に増し、よりコンパクトでダイナミックでありながらハード且つテクニカル、それでいて軽やかさやポップさは損なわぬモダン・シンフォロックをさらに進化させたサウンドなのが、ファンならずとも本作に耳を傾ければすぐ分かる傑作だ!('(゚∀゚∩

初期のGENTLE GIANT張りな分厚いヴォーカル・ハーモニーによる畳みかけは姿を消したが、基本的にヴォーカル・オリエンテッドなスタンスを守りつつ、繊細なメロディを奏でるギターにはじまって、ハードドライヴィングなリフの畳みかけや、重厚でミステリアスなメロトロンの多用、ジャージィなオルガンの弾き倒し、未来的な感触のデジタリーなシンセワーク、流麗なピアノも交えた複雑なアレンジ(キーボードの奥本亮がホント大活躍!)をはじめ、ちょっと聞き簡素に思えるがその実は難易度のクソ高いプレイヤースキルをさり気なく短いインタープレイやソロで披露しつつ、濃厚なドラマ性も巧みに組み合わせて融合させた、ここ数作より確実にサウンドの完成度とプログレッシヴ・パワーを増した、まさにこのバンドの持ち味と魅力が凝縮された一品に仕上がっている。

個人的には Ted Leonardがバンドに馴染んできた為か、彼が持ち込むKANSAS風味をはじめ80年代アメリカン・プログレ・ハードな抜けの良い爽快なテイストや雰囲気、そして懐かしい柔和なサウンドの既視感が、最先端のモダン・シンフォロック・サウンドを怒涛の勢いで進化させてきた彼等のサウンドに、いっそうの奥行きと温かさ、そしてドライになりがちなUS産バンドのサウンドに“艶”を加えたように思えて大変嬉しく思っております(*´ω` *)

また例の如く、KANSASやSTYX、BOSTON等の古典的USプログ・ハードバンドの影響や、初期のJETHRO TULLを思い起こさせるメロディアスなフォークギターや、美しいハーモニー・リードパートと David Gilmourの影響あるギターソロが聞けるPINK FLOYDとTHE BEATLESが1つに融合したような独特の雰囲気を持つ怠惰なバラードに、THE WHOに似た複雑でメロディアスなビートの効いたパワー・ロックや、スパイ映画のサントラ的なサウンドなど様々なオマージュ的サウンドピースもまぶされていて、シリアスなだけでない遊び心ある彼等のサウンドには思わずニヤリとさせられる。

プログレ・バンドの定番でもありこのバンドもこれまで20分や15分越えの幾多の大曲や組曲等を披露してきたが、本作の楽曲は総じてコンパクトに纏め上げられており残念ながら長尺曲は無いものの、魅力的なハーモニー、劇的なアレンジ、メロディッアスな楽曲、テクニカルでセンセーショナルなインストゥルメンタル・サウンド、そしてそれらが明快さと深み、攻撃性と繊細さ、を兼ね添えた心温まるメロディやユニークなフックで彩られるだけでなく、怒濤のパワー、洒落たアクセント、リアルなストリング等々の、プログレ・ファンが求めるだろう全ての要素が満載されていて、ポピュラリティあるモダン・サウンドなのを堅持しつつ、爽快さと大衆性の高いサウンドを披露する彼等の絶妙なバランス感覚が活かされたこの方向性は抜群に素晴らしいので、是非ともこのままこの路線を続けて欲しいですね。

惜しくもアルバム本編から漏れてしまった楽曲はディスク2の『CUTTING ROOM FLOOR』に収録されていて、欧州盤ボーナスの4曲に加え、日本盤のみの貴重なデモ・トラックを7曲も追加収録しているので、ちょっとお値段高いけどソレでも内容を考えればお買い得ですよ!

KANSAS風味漂う爽やかでキャッチー、それでいて重厚にしてテクニカルなSPOCK'S BEARD節をたっぷり堪能出来る、正にハズレ無しの彼等の新作は、ファンならずともUS産モダン・シンフォ好きな方にマジでお薦めな一枚です。是非チェックしてお買い求め下さい!




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by malilion | 2018-05-28 18:03 | 音楽 | Trackback
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