![]() オーストラリアというプログレ&シンフォ不毛の地からデビューした期待の新星で、key入りツインG&ツインVo編成6人組の、LIVE作を挟んで前作より1年ぶりとなる新譜がリリースされたので即GET! 思いの外早い新譜発売の情報に小躍りしたが、その内容は既発スタジオ・アルバム4枚から7曲をセレクトし、デビュー以前の未発表曲を新録で1曲加えた所謂コンピレーション・アルバムでした。 『なぁ~んだ』と、普通なら興味が失せる所(イヤ、未発音源は気になる…)ですが、流石コンセプト・アルバム大好きグレ・バンドの彼等です、そんな単純な編集盤でお茶を濁すような無様はしでかしません。 既発曲は全て新録(!)で、しかも只の再録ではなく、本来のディストーションが効いたエレクトリック・ギターを一切使わぬアコースティカル・ヴァージョンに仕上げられて(!!)おり、それに合わせてリズム隊やキーボードもイメージを一新した繊細で叙情感タップリなプレイを聞かせ、さらにメンツ全員によるヴォーカル・ハーモニー(ちょいYESっぽい?)も新たに、楽曲が持つメロディの美しさに磨きをかけ、メランコリックな美旋律をエスプレッソの如く濃密に再構成した、パワーとソリッドさを捨て去ったピュアなリアレンジ版で、既に彼等のアルバムを全て入手しているファンでも安心して手を出して戴ける似非BEST(笑)だ。 1stから2曲、2ndから2曲、3rdから2曲、4thから1曲をチョイスし、残りは新録の未発曲1曲の計8曲から成るアルバムだが、2nd以降一気にHRテイストが増して音楽性が変化した彼等が、まさかマイナー映画のサントラの出来損ないみたいだった1stから2曲もチョイスするとは予想外でした。 どちらかと言うと彼等はHRサイドからのプログレへのアプローチを身上としている新世代ハード・シンフォ・バンドだと思っていたし、シンフォ系の枠に収まりきらぬHRテイストあるスリリングでパワフル&ストレートなプレイが彼等なりの個性と思っていただけに、その内に秘めたリリカルでエモーショナルな美旋律が再録盤とは言えこうして浮き彫りにされる形となるリアレンジ作リリースの意図とは、自身の音楽スタンスを内外に再確認させる為のアコースティック・アプローチなのだろうか? それともアルバム毎にシンフォ度が深まるバンド内で、キーボーディスト David Eatonの発言力が増しているだけなのか…? ともかくHR的な彼等の音楽テイストに面白味を感じていたファンにとっては軟弱で鄙びたサウンドに聞こえるかもしれないが、彼等のプログレ的サウンドやシンフォニックなサウンドの美しさに惹かれていたファンにとっては、その流麗でシットリとした叙情が薫る、正に“オセアニアのそよ風”とも言うべき透明感あるエレガントな楽の調べをタップリと堪能出来る一作なのは間違いない('(゚∀゚∩ バンドメンツに変化はなく、 Robert James Moulding (Lead Vocals、Acoustic Guitar、Percussion) David Eaton (Piano、Organs、Keyboards、Acoustic Guitars、Laud、Strings、Melodica、Voice) Dean Bennison (Acoustic Guitars、Slide Guitars、Clarinet、Voice) Douglas Skene (Acoustic Guitar、Jazz Guitar、Voice) Anthony Stewart (Bass Guitars、Vocals) Steve Eaton (Drums、Percussion、Voice) の、6人がアコースティカルな作風に合わせて、常と違う楽器などもプレイ(アコギ多っ!)しているのも本作の聞き所だろう。 いやー、しかし今回の宝石のように透明感ある美しいサウンドの中だと、改めて Robert James Mouldingの甘い声質のヴォーカルが非常に良く映えますなぁ~(*´ω` *) 隙間の多いシンプル風なサウンドの中で、まるで水を得た魚のように、時に切ないファルセットを聞かせ、時にミドルレンジで優しく語りかけ、時にセンチメンタルなサウンドに溶け込むように囁いたりと八面六臂の大活躍で、普段シンフォサウンドに隠れがちな彼のウットリするような繊細な声の使い方を堪能出来るのも本作だけの楽しみだ。 そうそう、個人的に彼等のアルバムの中でも随一に駄作だと思う1st収録曲も、本作でアコギアレンジされるとアラ不思議♪ 意外と聞けるじゃーあぁーりませんか♪ と、いう嬉しいサプライズがありましたとさ(w 因みに未発曲は、アコースティカルな本作の方向性もあってかマッタリ穏やかミッドテンポの、なんだか夕暮れをイメージさせるエンディングに相応しい曲で、1st以前の所謂未だにバンドの方向性が不確かだった頃の普通の曲、というイメージで可も無く不可も無くと言う所でしょうか? また、スペシャルゲストでデビュー作以来アディショナルメンバーとして長らく製作に参加していた管楽器奏者の Martyn Cookが本作でもTenor Saxを客演してアルバムにムーディーな風味と華を添えている。 本作の現物は500枚限定(!?)の見開き紙ジャケット仕様で、例によって例の如く自主盤ですので、お求めの方はお早めにね!
by malilion
| 2018-05-25 07:03
| 音楽
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