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まさかの先祖返り!? GALAHADが壮大な組曲1曲のみのコンセプトNEWアルバムをリリース!

まさかの先祖返り!? GALAHADが壮大な組曲1曲のみのコンセプトNEWアルバムをリリース!_c0072376_13444674.jpgGALAHAD 「Seas Of Change」'18

同期が次々と姿を消しゆく中で未だ激しく気を吐き続け、UK産第二世代ポンプ・バンドの代表格になりつつある彼等のオリジナルフルアルバムとしては5年ぶりとなる11thアルバムを即GET!

近年はプログメタルに接近したり、ダンサンブルなアレンジの楽曲も含んだ前作『Beyond The Realms Of Euphoria』をリリースしたり、去年は旧曲のアコースティックアレンジBEST盤『Quiet Storms』を出したりとサウンドの幅とモダン化を加速的に拡げていた彼等だが、本作は70年代プログレバンドが盛んに試みた手法と同じくアルバム全てを使った大きな組曲1曲(43分!)のみで構成されているシンフォニック・コンセプト・アルバムへ挑んでいる。

そして再びメンバーチェンジがあった模様で、去年アコ-スティックメインによる旧曲BESTをリリースした際に最初期のベーシスト Tim Ashton が復帰したが、今度はバンド立ち上げメンバーにして長らくギタリストの座をつとめていた Roy Keyworthが脱退し、代わって迎えられたのは一時期バンドに在籍していたにも関わらず公式から存在を抹消されていた、現在はソロ活動も盛んな Lee Abrahamが本作ではベーシストとしてではなくギタリスト(!)として復帰(17年春から復帰していた模様)し、デリケートだったりパワフルだったりと、変幻自在なギターワークをモダン・サウンドに乗せてセンチにエモーショナルに響かせている。

ベーシストが昔からこのバンドはなかなか定まらなかったのは周知の事実ですが、まさか初期からずっと安定していた(と思っていた)ギタリストの交代劇が30周年を迎えた後に起こるとは正直驚きでした。

GALAHAD脱退後のソロ活動を見るに、恐らく Lee Abrahamはあくまでギターをプレイしたかったもののバンドにはベーシストとして迎えられ、結果的にフラストレーションが溜まって脱退した、だけどバンド側はその才能を高く評価していたのでギタリストが抜けた際に即連絡して迎え入れた、というような顛末な気がします。

今回のギタリストの交代劇でバンドサウンドが一層に若返る事に成功したと思うので、これは双方にとってWin-Winな結果でしょう。

遂に黒歴史から開放されたんやな…良かったなぁ、Lee Abraham…(つд`)

さて、組曲1曲のみの本作サウンドについてだが、その形態からの察せられるように最初期の如何にもポンプ然としていたGALAHADサウンドを思い起こさせるメロトロン系キーボードやオーケストレーションも加えた伝統的プログレ要素と、彼等の初期に顕著だった牧歌的な要素を組み合わせ、近年のプログメタルな方向性の壮大なシンフォニック・サウンドでコーティングしつつ、二十年前から試みていた現代的なテクノ風キーボードサウンドも隠し味にピリリと利いている、如何にも英国風な湿り気を帯びた繊細でドラマチックな叙情感とパワフルでモダンなダイナミズムがハイブリッドに融合した新生GALAHAD第一弾に相応しい意欲作と言えるだろう。

同じようにコンセプトアルバムをリリースしている長らく彼等のお手本であったMARILLIONが、枯山水的な仙人世界へ旅立ってしまったのと比べると、彼等のサウンドは未だに俗っぽくそしてパワフルで生々しいロック・スピリット(スケール感では負けてるけど…)を感じさせるのが実に興味深く、そして個人的には嬉しい点でもあります。

また、一大コンセプト作なものの大勢のゲストプレイヤーを招くような事はなく、バンド曰く“長期名誉メンバー”と讃える Sarah Bolter(元Sarah Quilter)嬢(最初期アコースティック作『Galahad Acoustic Quintet: Not All There』'94 から断続的に製作に参加している)による、コーラス&バッキングヴォーカル、フルート、クラリネット、ソプラノサックスのみを加えて本作は製作されている事からも、新生GALAHADのポテンシャルにメンバーが絶対の自信を持っている事が窺える。

ここ数作のようなコンパクト感とメタリックなタッチは若干後退して感じるものの、それはアルバム形態によるものでしょうから不安材料とはならないでしょう。

寧ろ Lee Abrahamを迎えた事により、新生GALAHADのサウンドはポップ度とキャッチーさ、そしてモダンさを今後ますます増していくのじゃないかと予想出来ますね。

プロデュース、ミックス、マスタリングは、00年代に消えかけていた彼等を華麗に復活させたお馴染み Karl Groomが手がけているので品質に些かの疑いもないのでご安心を。

初回デジパック盤は限定なのか不明ですが、組曲内の曲2曲がエディット版でボートラとして収録(つまりアルバムには3曲収録されてる)されております。

そうそう、限定でCD付きターコイズカラー&ピクチャーLPも同時期にリリース(プログレ的なマニアックさですねぇ~)される模様なので、アナログマニアな方は是非そちらの方もチェックしてみて下さい。



by malilion | 2018-01-27 13:37 | 音楽 | Trackback
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