GLASS MOON 「Glass Moon & Growing In The Dark」'04
MATRAZと一緒に転がり出てきたこちらもご紹介。 本作は、マイナーなメロディアスバンドやUSプログレハードバンドをリリースしマニアを狂気乱舞させていた今は亡き(?)Renaissance Recordsから、04年にUS産産業ロック寄りニューウェーブ&ポップロック・バンドGLASS MOONの1979年と1982年にリリースした1stと2ndアルバムを2in1CDでリイシュー(残念ながら板起こしモノ)したものです。 GLASS MOONは、USAはNorth Carolina州Raleighのニューウェーブ&ポップロック・バンドで、1980年から1984年の間に3枚のアルバムを発表し、3枚のシングルをスマッシュヒットさせているマイナーバンドです。 John Wheliss(G)、Rodney Barbour(Vo、Acoustic G、Flute)、Nestor Nunez(B、Vo)によって1970年代初期に結成さ、結成当初はGENESIS、YES、GENTLE GIANT、PFMに影響されたシンフォニック・ロックを演っていたが、David Adams(Vo、Key)が加入した時から音楽性が急激に変化していく事になる。 立ち上げメンツ3人に加え、David Adams(Vo、Key)、Chris Jones(Ds)の5人組で活動していたが産業ロックブーム到来という時流の変化に合わせポップ化するバンドサウンドの急激な音楽性の変化に伴い、当然の如く John WhelissとRodney Barbourが77年に揃って脱退し、78年に一度は解散するものの、直ぐに David Adams(Vo、Key)、Chris Jones(Ds)、Nestor Nunez(B、Vo)の3人組バンドとして再結成し、活動を開始する。 オリジナルメンバーは Nestor Nunez(B、Vo)のみなものの、3人組バンドになった事で完全にバンド主導権が David Adamsへ移り、ポップロック・バンドとしてインディレーベルRadio Recordsから79年にアルバムデビュー(ディストリビューションはRCAレコード)を果たす。 デビュー作の時点では、キーボーディストのDave Adams主導という事もあって、キーボード主体のキャッチーでメロディアスなポップロックという感じでハードなテイストは殆どないものの、キーボードのプレイスタイルやオルガンの音色に初期のプログレテイストの残り香が漂っていて、サウンドが古臭かったり新しかったりと幾分か整合性が取れていないものの産業ロック化し切る前の初期STYXっぽいテイストなどを感じるなかなか興味深い一作となっていました。 続く2nd「Growing In The Dark」は、ギリシャ人のセッション・ギタリスト Jaime Glaser(G)を迎え製作され、81年に完成したもののアトランティック・レコードとのディストリビューション契約を結んだ影響でリリースは82年まで延期されてしまう。 因みに Jaime Glaserはこの後、Jean-Luc Pontyや Chick Coreaとの仕事でその名を馳せる事になります(*´ω` *) 産業ロックの一大ムーブメント(JOURNEYの『Escape』は81年)が盛り上がっている時にアルバムをリリース出来無かったのは痛手であったが、大手レコード会社のバックアップもあってシングル曲がそこそこのヒットを記録したのでバンド的に見てプラスになったのは確かだろう。 2ndでは一気にポップ化が進み、元々甘い声質でハードな音楽性と相性の良くない David Adamsの穏やかな歌声が良くマッチするコンパクトでキャッチー、そしてリズミックなサウンドからは完全にプログレテイストは払拭され、モダン化したデジタリーで煌びやかなシンセサウンドが実に心地よく、明らかにシングルヒットを狙ったラジオフレンドリーな楽曲創りがなされているのが分かる。 ただ、残念な事にシングルヒットを狙った完成度の高い楽曲を詰め込んだアルバムなものの今一つブレイク仕切れずマイナーな地位に甘んじる結果になったのは、やはり David Adamsの歌声にパワーや強烈な個性と言ったものが感じられず、当時のキラ星の如く活躍していた産業ロックバンドの名ヴォーカリスト達に及ばぬレベルだったからでしょうか?('A`)まぁ、相手が悪いよなぁ… 84年にレコード会社をMCAへ移籍してリリースした3rd「Sympathetic Vibration」では、David Adams(Vo、Key)を除くメンツの総入れ替えし、Doug Morgan(Ds ex:3PM)、Bobby Patterson(B、Vo)、Rod Dash(G 後に改名しRod Abernethy)を新たに迎えて製作されている。 産業ロック路線での成功は難しいと考えてのメンツ変動だったのか、新たなブームを察知し時流に迎合する形でロックテイストの薄いまんまニューウェイブ系というシンセシンセしたドライでデジタリーな軽めの薄口サウンドに変化した為か、正直完全に別バンドと思える退屈なサウンド(数曲耳を惹く曲はあるけど)の作品と言わざる終えないのが残念だ…orz その為か、現在まで3rdがCD化されリイシューされた話は聞いた事がありません(つд`) レコーディングが終了して間もなくの6月に Rod Dashが脱退し、新たに Dick Smith(G)を迎え活動を続けるものの、シングルのチャートアクションはTOP100台以下と伸び悩み、その状況を見たMCA Recordsは続く2枚目のアルバムリリースの予定をキャンセルしてしまう。 満足なサポートを得られなくなったバンドは86年に解散した。 バンド消滅と前後して、Dave Adamsは86年にソロ・アルバム「Dancing in My Sleep」を録音しElektra Recordsからリリースする。 ググッとAOR寄りになったソロ作には Rod Dashが招かれ、多数のゲストに混じって華麗なギタープレイを披露している。 その後、Raleigh地区に拠点を置くSUICIDE BLONDEなるバンドへDave Adamsは加入したらしいが詳細は不明だ。 最後の新メンバーとなった Dick Smith(G)はその後、Earth、Wind&Fireや Kenny Logginsのツアー要員として忙しくしていると言う… 本リイシュー作に合わせるように、05年に Dave Adams' GLASS MOON 「Moon Hits & More」なるアルバムがRenaissance Recordsのディストリビューションでリリースされたが、その内容はGLASS MOONの3枚のアルバムから楽曲をチョイスし、さらに未発表曲(幻の4th用の音源?)や Dave Adamsのソロアルバムの楽曲も収録したコンピレーションBEST盤でありました。 音源自体はDL販売されているので比較的安易に入手する事は可能ですが、GLASS MOONのアルバムは何れも廃盤となっておりますので、CD、LP共に中古盤などで見かけたら一度チェックして見るといいかもしれません。
by malilion
| 2017-12-22 03:56
| 音楽
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