![]() Elaine Morganと Derek Morgan夫妻を中心とするイギリスのウェールズ周辺で活動していたインディ・トラッド・フォーク・グループをご紹介。 フレンチ・ケルト・ミュージックを代表するアーティスト Dan Ar Brazのアルバムにも参加経験のある80年代にセッションシンガーだった Elaine MorganはTALONなるインディバンドで活動し、TALONがリリースしたシングルはBBCラジオウェールズとBBCラジオシムルの両方で最も演奏された曲の一つとなったそうだ。 その後、夫の Derek Morgan(B&Key)とROSE AMONG THORNSを結成し、「Rose Among Thorns」'90 「This Time It's Real」'92 の二枚のアルバムをリリースする。 ROSE AMONG THORNSはツインギター編成の5人組バンドで、当初そのサウンドはCLANNADとILLUSIONをミックスしたようなフォークポップ・バンド、と言われていた(らしい)。 デビュー作からして Featuring Elaine Morganとジャケに明記しちゃう Maire Brennanや Jane Relfに似た(と、評される)その可憐で美しい歌声を売りに、トラッドやフォーク、そしてプログレとポップスなどの多様なブリティッシュテイストをミックスし、クラシカルなキーボードを主軸に楽曲を展開させ、サックス、ヴァイオリン、フルート、クラリネット、ピッコロ等の管弦楽器で彩りを添えたドラマチックで華やかなサウンドは仄かにケルティックな味わいのする非常にメロディアスで口当たりの良いフォーク・ポップスで、各種フェスティバルを皮切りに、劇場や、イギリス、ヨーロッパツアー、そしてテレビ番組や各国のラジオ番組への出演を果敢に続けるもののポピュラーミュージック寄りの軽めで中庸なサウンドだったのが災いしたのか、同系統の CAPERCAILLI、CLANNAD、Loreena McKennitt等のような強烈な個性とディープな音楽性のアーティスト達のようなセールスを達成出来ず終始マイナーな存在に甘んじる事となってしまった… 95年には ElaineとDerekのデュオ名義の別バンドであるフォークロック・バンドROSEを結成し殆どROSE AMONG THORNSと同一路線の音楽性(ヘロヘロな打ち込みサウンドだけど…)なアルバム「Butterfly Dreams」をリリースしたが、その後に音楽活動は途絶え、96年には"The Cottage Demo Tapes"として知られている未発表音源と既発曲を集めたバンド名義のコンピレーションアルバム「Highlights」をリリースしたのを最後に残念ながらROSE AMONG THORNSは活動を終了してしまう。 フィメールものが苦手な自分の耳にも、強烈な唯一無二の個性は感じられなかったので巷の彼等に対する批評も概ね納得なのだが、軽めでリラックスした味のあるポップスを何気なくBGMとして流すのにはピッタリなので個人的には彼等の癖のないアルバムは気に入っております。 秋の夜長にCLANNAD系のダークでディープなケルトモノを聞いてたら、なんかどんどん気が滅入ってしまうんでね…(汗 Elaineと DerekのMorgan夫婦はその後、他アーティストのプロデュース等の裏方作業や楽曲提供を続ける傍ら、故郷のカーディフでRumney Folk Clubの運営に携わっているそうな。 02年に Elaine Morganが12曲が納められたフォーク・ソロアルバム「Shine On」を久しぶりにリリースしたのを最後に彼等はアルバムをリリースをしていない。 現在はクラブ運営と共に Fairport Conventionのメンバーらと協力して、毎年のフェスティバル運営や裏方として後進の指導等に尽力している模様だ。 オリジナル盤は概ね廃盤なのはいつもの流れだが、ジャケを変えたリイシュー盤や、未確認ながら二枚組BESTも存在する模様なので比較的簡単に彼等の音源は入手出来ると思われます。 だだ、同名同ジャンルの別バンドが複数存在するので、もし彼等のアルバムをお求めの場合はご注意の程を。
by malilion
| 2017-10-06 18:22
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