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USAシンフォ FOREVER TWELVEに元MARS HOLLOWのフロントマンが加入して久しぶりの新譜リリース!

USAシンフォ FOREVER TWELVEに元MARS HOLLOWのフロントマンが加入して久しぶりの新譜リリース!_c0072376_00375375.jpgFOREVER TWELVE 「Home」'17

7年ぶりの新作となったアメリカ産シンフォ・バンドの4thがリリースされたので即GET!

この短くないインターバルの影響でかメンバーチェンジが勃発した模様で、ヴォーカリストが女性から男性へチェンジし、ベーシスト不在の4人組としてこの新作は製作されている。

新たにフロントマンに招かれたのは、YESへの憧憬を隠さぬサウンドを聞かせたUSAプログレバンドMARS HOLLOWに在籍していた John Baker(Vo、G)で、12年リリースのシングルの時点でゲストヴォーカルとしてその歌声を既に披露していたが、当時はまだMARS HOLLOWが解散するかしないかの瀬戸際だった為かヘルプ扱いだったのだろうが、今回こうして晴れて正式メンバーとしてその歌声を届けてくれたのをまずは祝福したい。

元MARS HOLLOWのリズム隊は一足先に新バンドHELIOPOLISを結成してアルバムデビューを果たし、そのバンドメイトも BOX OF SHAMANSのデビュー作までリリースしている訳だが、少々遅れてではあるが元MARS HOLLOWのフロントマンであった John Bakerもこうして再び表舞台で活動を再開したのを見ると、何気にMARS HOLLOWって後々2010年代USAシンフォ・バンドの歴史的に重要なバンドっていう位置づけになったりして(w

さて、フィメール・ヴォーカルのシンフォ・バンドとして以前から彼等のファンだった方にとっては一番の注目点だろう新フロントマン John Bakerの歌声だが、MARS HOLLOWはYES系シンフォ・バンドだったものの定番のアンダーソン症候群(地声が似てない。若干、高音域で似せてなかくもなかったかもだけど…)ではなく、シャウトする事もガナる事も無く高めの中性的な地声で柔和な歌声を聞かせるユーロポンプ系スタイルだった訳だが、本作では若干高音を多様するような歌い方に変化し、前作までは可憐なフィメールヴォーカルに野暮ったい野郎声の多重ヴォーカル・パートやバックコーラスが絡む楽曲も多々聴かれたが、この新作ではMARS HOLLOWでは聞けなかったヴォーカル多重録音のYES的一人コーラス(他メンバーの下手糞コーラスを捨て去ったのは英断!)を John Bakerが披露し、専任ヴォーカリスト故かヴォーカル・パフォーマンスは以前以上に張り切っているのが分かる。

USAプログレ・バンドは昔からYES影響下にあるバンドが多くこのバンドもその例に漏れない(GとかBが露骨…)訳だが、それだけでなくMARILLION、CLEPSYDRA、FLAMBOROUGH HEAD等の近年のシンフォ系バンドの影響もチラつくモダンなサウンドが特徴で、この新作もUSAシンフォ・バンドらしいスピード感と、テクニカルでエモーショナルなギターと繊細で華麗な音色を響かせるキーボードが絡み合いながら屈折した展開を見せる楽曲でありつつ妙なヘヴィさの無い、アメリカ産らしい抜けの良い透明感あるクリアサウンドを披露しているので旧来からのファンもご安心いただけるかと。

と言うか、男性ヴォーカルになった事でかバックのサウンドもその歌声に負けんばかりにパワフルでシャープなモダン・サウンドへ一気に数段上のレベルへステップアップし、これまでのインディ臭いアンダーグラウンド臭が一気に払拭される相乗効果も生み出す事になったのは予想外でした(*´ω` *)

今回のメンバーチェンジはバンド存続の危機が好機に転じた良い例なのでしょうが、ただ良い事ばかりでもなく、以前の女性がフロントマンだった頃はバンドサウンドはYESの影響が色濃く窺えようとも聞こえてくる可憐な歌声で幾分その印象が薄れていた訳だが、男性ヴォーカルになってロック的なダイナミスクがサウンドに生まれると類型的なYES系サウンドへ接近して聞こえるというネガティヴな問題も露骨に前面へ浮かび上がってきてしまっているので、そこは以降の大きな課題と言えるでしょう。

まぁ、YES系シンフォ・サウンドはプログレ好きにはウケの良いジャンルというか一つの売れ筋カテゴリーなので、それはそれで有りっちゃ有りとも言えるんですけどね…(汗

本作では John Bakerはヴォーカルに専念しギターは一切プレイしていないが、もしかしたらLIVE等では音の厚みを出す為やよりテクニカルな楽曲をパフォームする為にプレイするかもしれない(プログレ・バンドのインストパート中ヴォーカリストは暇だものね…)ので、次作でその辺りがどうなるかも注目したい点だ。



by malilion | 2017-08-24 00:32 | 音楽 | Trackback
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