さらなる高みへ到達! SECRET SPHERE新譜!

c0072376_17493847.jpgSECRET SPHERE 「The Nature of Time」'17

長きに渡り弱点だったフロントマンの歌唱力という問題をイタリアロック界屈指の実力派シンガー Michele Luppi(現WHITESNAKEのKey)を迎える事によって克服し、デビュー十数年を経て遂に同郷イタリアのシンフォニック・メロスピ系バンドLABYRINTHやRHAPSODYと肩を並べる高みへ到達した彼等の、間に2ndのリメイクを挟んで5年ぶり通算8作目となるオリジナル・スタジオアルバムがリリースされたので即GET!

前作は Roberto "Ramon" Messina(Vo)が脱退する前にアルバムの楽曲や歌詞(後から一部書き直してるけど)が出来上がっていた為、Michele Luppiの幅広く高低のレンジをパワフルに歌い上げるイタリアンHM界でも屈指の技量やAOR系のポップでキャッチーな楽曲にもマッチするブライトでクリアーな歌声を100%生かし切れた作品だったかと言うと些か疑問も残った訳だが、果たして本当の意味で新フロントマンを得て創作レベルの上限が桁違いに上がった彼等が次はどういった方向へ進もうとするのか、旧来の彼等のファンならずとも興味津々な事と思う。

で、キーボード入りツインギター6人組だったメンツに変動があり、長らくドラムスを勤めていた Fedetico Pennazzatoから Marco Lazzariniへチェンジ、さらにリズムギタリストの Marco Pastorinoが抜けて新たに5人組バンドとなって初めての新作だが、まず一聴して驚くのが、音のスケールが一回り明らかに“デカ”くなっている事。

前作は Michele Luppiがバンド旧来のイメージに即したスピーディーでテクニカルなプログHM定番なスタイルで熱唱した為か、ややもすると彼が以前在籍していたVISION DIVINEに近しいイメージのサウンドに聞こえた訳だが、前作に引き続き本作もお得意のコンセプトアルバムなものの、そのコンセプト内容とフロントマンの表現力の上限があがった事による化学変化が引き起こされたのか、前作とはガラリとヴォーカルスタイルを変化させて表現の幅を一気に広げ、それに呼応するかのようにバンドサウンドも大幅に変化している。

テクニカルでスピーディ-、そしてキャッチーながらプログレ風な難解な楽曲展開、シンフォニックなサウンドの間で飛び交うインタープレイの応酬という旧来の要素も残しつつ、本作では新機軸として大幅にスピードとヘヴィネスを捨て、アレンジの妙とヴォーカルと繊細な楽器プレイによる表現力のみに特化した楽曲へフォーカスするという、音圧による虚仮威しを捨てたアーティスティックな技術力だけでの真っ向勝負を披露していて、そのサウンドは実に艶やかで美しい!

これまでの彼等のサウンドに欠けがちだった“引き”の要素が本作では前面に押し出され、優美なストリングサウンドに包まれた物静かで儚げな楽曲の上を、哀愁たっぷりの歌声で Michele Luppiが切なくしっとりと歌い上げる━━、もう本当に絶品ですわぁ♪('(゚∀゚∩

コンセプトアイディアを5年ほど温めてきたというだけあって楽曲も練りに練りまくられており、スピードやアグレッションを捨てたシンフォニックで柔和なストリングアレンジが効いている堂々たるスケールのサウンドが鳴り響く一大絵巻ですので、忙しないスピードメタル系は苦手という方でもプログレ系好きな方ならば本作はお薦め出来るかと。

逆に初期のスピ-ディーでアグレッシヴな彼等のサウンドだけを求めている向きには、少々肩透かしに感じるだろう楽曲が多いのも事実なので、本作をどう評価されるかは各自ご自身の耳でもって判断するしかないでしょう。

只、疾走感と濃密な美旋律は相変わらずですし、ここ数作は初期の頃のようなメロスピ度合いが増したテクニカル・シンフォニックHMだったけれど本作は弱まっていたプログレ度合いが増した一作だ、と考えればそれ程大きく彼等のサウンドが変化した、とは言えなくも無いかもしれません…

個人的には Michele Luppiの持つポップなフィーリングの歌声が聞けなかったのが残念ですけど、まぁ本作のコンセプトやバンドコンセプトに余りそぐわないだろうから、それについてはそれ程期待はしていませんでしたけどね。

とまれ前作よりさらに一段サウンドスケールと完成度が上がったのは間違いないので、Michele Luppiが白蛇の方で忙しいのは分かるけど、是非このまま順調に活動を続けてイタリアンHMバンドの頂点へ駆け上がり、世界規模のメジャーバンドの仲間入りを果たして欲しいものです。



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by malilion | 2017-06-28 17:45 | 音楽 | Trackback
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