![]() 以前ここで紹介したイスラエルのキーボード入り5人組バカテク変態バンドの240枚限定プレス(!?)な2ndが7年ぶりにリリースされたので即GET! 長いインターバルの影響か、残念ながら本作はリーダーのキーボーディスト Constantin Glantz(Key、Programming、Vo、Shamisen、Percussion)以外メンバーが一新された新体制で製作されている。 メンツ一新で殆ど別バンド状態だが、スキャットやシャウトも幅広くこなすパワフルな美声を聞かせる美貌のフィメールヴォーカル(英詞)をフロントに据えてジャンル問わずボーダレスに音楽要素を交差させ万華鏡のように変幻自在に移り変わるサウンドをバカテクでもって圧巻のスケールで叩きつけてくる“真にプログレッシヴ”な姿勢に些かの曇りも無く、前作を気に入った方ならば安心して購入して欲しい。 前作同様にヘブライ文化の様々な民族の断片を散りばめたような中近東の影響を漂わす重厚感あるサウンドをベースに、所謂メインストリームのHMに始まってデスメタル、さらに近年のモダングレ系から古典的プログレまで、そこへサイケ、JAZZ、フュージョン、ノイズ、ポップス、フラメンコ、シンフォ等々を加え、オマケに本作では Constantin Glantzが三味線(!?)までプレイし胡散臭いアジアン・エスニックサウンド(w)まで演奏するという、どこまで無節操に際限なく様々な要素をごった煮させたボーダーレスサウンドを複雑に絡み合わせ奇妙にスピーディーに展開させるのかと心配してしまうけれど、しっかりとインテリジェントで精巧な音楽へ纏め上げられた他に類を見ない変態屈折ミクスチャープログレサウンドに興味が湧いたなら是非、彼等のアルバムを聞くべきだ。ホント、驚きがいっぱい(w エキゾチックな音色が飛び交い、変拍子が乱舞し、中世色やクラシカルなセンスも見せる。 ヘヴィなサウンドに、カンタベリー~ハケット~エマーソン~ポップ~民俗音楽が行き交う。 ヴァイオリン、フルートに加え、中東&地中海楽器も配され、混然一体となった音色の輝きも眩しい。 とは、前作同様お店のバンド紹介の叩き文句だが、本当にこの通りだからタチが悪い(w 言葉を幾百連ねても絶対にこのバンドの美麗で繊細、けれどパワフルでキャッチー、だけどミクスチャーで複雑怪奇なサウンドという奴を上手く説明出来無いのだから。 基本的に前作と同一コンセプトなサウンドではあるが、ヴォーカリストの力量が前任者より上な為か前作以上にヴォーカルスタイルの幅は拡がっていて、キャッチーなポップスのような歌メロから奇妙なアイリッシュ風スキャット、さらに一連の幅広いHMスタイルのパワフルヴォイスを披露するのに加え、半数以上の楽曲でリーダー Constantin Glantzがグロウルなどで歌声でも参加するという前作では見られなかった要素や、前作より若干メタル要素が薄まり、スラッシュHMテイストも消え、代わって重厚なドラマチックさが光る哀愁漂うメロディアスな楽曲が増え、ワールドミュージック要素が強まったなどのバンドサウンドの変化も見られる。 そして、前作もパーカッションをはじめ、アルトサックスやバッキングヴォーカリストが多数ゲストで参加していたが本作はそれ以上のゲスト数で、アコギ、チェロ、フルート、ブズーキ等のプレイヤーが多数参加し、さらに新ベーシストの Michael Rosenfeldがプレイするシタールやヴァイオリンが加わり、地中海から中近東、アジアから中華圏まで、そして雅楽(!?)っぽい和風テイストサウンドまで飛び出してくるという、本当に耳に楽しいアルバムだ。 様々な楽器の音色が飛び交う本作の楽曲ではあるが、全作曲、全歌詞、そしてプロデュースまで手がける文字通り中心人物である Constantin Glantzの繊細で流暢なキーボードワークや、涼やかでさりげなく楽曲に華を添える前作以上にセンス光るプレイも見逃せないポイントと言えましょう。 ただ、ジャケのセンスだけは前作の方が美麗で良かったなぁ…(汗 ともかく他に似てるバンドやサウンドが見当たらない異端極まりない変わり種バンドなのは確かなので、辺境プログレマニアな方やド変態ハイテクプログレが聞きたい方はに是非お薦めです!
by malilion
| 2017-06-24 16:36
| 音楽
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