![]() EURHYBIAと一緒に転がりでてきてたフランスのオブスキュアなポンプバンドがマイナーレーベルUGUMに唯一残した自主製作盤をご紹介。 R.P.P. Hennequin(Key)、Don Marques(B)、Avedis(Ds)、Edouard Poujaud(G、GuitarSynthesizer)、そして Steinberger(Vo、Synthesizer)の5人組で、専任キーボーディストがいるにも関わらずシンセを奏でるメンツも2人もいる構成で、これだけ見るとさぞアルバムは分厚い音の壁が築かれている事だろうと思うが、実際は隙間の多いスカスカ気味なサウンドでアルバム録音にはシンセメンツのプレイは殆ど活かされていない。 サウンドの方向性は、柔和なシンセを中心に起伏の激しいリズムチェンジを交えて朗らかに歌い上げる歌メロを中心に据えた80年代中期~90年代初期によく居たGENESIS傍系ポンプバンドの典型的サウンドと言えるだろう。 まぁ、素っ頓狂な声を張り上げる芝居が掛かった Steinbergerのヴォーカルをちょっと聞くだけで、すぐにこのバンドがMACHIAVEL、IQ、ABEL GANZ、そしてMARILLION(と言うかGENESISか)の多大な影響を受けている事が分かるんですけどね(汗 FISHほど灰汁の強くないシアトリカル歌唱を冒頭から全力で朗らかに繰り広げ熱く歌い上げる Steinbergerのヴォーカルの存在感がやたら大きく、余りテクニカルでもなく、ロック的なテンションもパワーも感じられない所謂フォロワー的サウンドをグイグイひっぱっていく所を面白いと思えるかどうかで本作の評価は変わるように思う。 ポンプ系には珍しくアルバムのトータルタイムは約30分ほどとアッサリ目でインストゥルメンタル・パッセージも余り無いが、そんな中でも R.P.P. Hennequinが多種多様なシンセサウンドで果敢に楽曲を盛り上げる所や Edouard Poujaudが少ないながらもハードなリフやメロディアスでコンパクトなソロで楽曲に切り込む所はスリリングな聞き所だ。 90年代フランス・プログレインディーシーンは未だに深い謎に包まれているが、このバンドも御多分に漏れずアルバムデビュー前の活動が一切不明(DEMOテープ等の有無も)で、さらにこのアルバムをリリースした後あっさりとバンドは解散してしまい、R.P.P. Hennequinがその後DIES IRAEなるプログレッシヴ・ジャズバンドを結成した事以外に他のメンツのその後の動向等は一切伝わっていない。 UGUMレーベル自体がマイナーだし既に消失している事から同レーベルからリリースされたバンド群の作品の多くは、一部を除いてグレ系が好きなリスナーでさえ忘却の彼方にあるだろうが、そんな中でも面白いインディ・バンドが人知れず多数存在しているので、興味がある方はちょっと廃盤を探ってみると面白い作品と出会えるかもしれませんよ?
by malilion
| 2017-05-28 00:10
| 音楽
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