プログレ・インディシーンにおいてアメリカは暗黒大陸だけど、ユーロ圏フランス・インディシーンも負けず劣らず暗黒だよね…

c0072376_21100127.jpgEURHYBIA 「Same」'90

ATLANTISと一緒に転がり出てきた90年代初頭に活動していたフランス産Key入り5人組ポンプ・バンドをご紹介。

このバンド、デビュー当時から詳細不明で、分かっている事と言えばギリシア神話の女性像に因んでバンド名が名付けられた事と1990年にフランスのレーベル「UGUM」に唯一作(後にMuseaから再リリースされたが即廃盤)を残すのみで、その後のメンバーの動向など一切不明という謎のバンドだ。

ひょっとしたらデモテープや自主盤シングルが存在しているのかもしれないが、何分フランスのアンダーグラウンドシーンでの事なので今までその存在が確認されてはいない。

ANGE(!)の Francis Deschampsがプロデュースしたこのアルバム、サウンドの方はと言うと、IQ、SAGA、RUSH、PALLAS、初期MARILLION、そしてKANSAS、さら90125YES(これは偶然か…)の影響が色濃く伺え、全体的には同時期のポンプ・ロック群定番な軽めのシンセ中心のメロディアスでファンタジックな世界観が漂う作風(PALLASっぽさが一番強い)で、80年代後期から90年代初頭頃のポンプ、ネオプログレ、シンフォロック好きな方はチェックしても損はないだろう。

Pascal Dattle(G)がテクニカルに奏でるシャープでハードエッジなギターはかなり頑張っているし、如何にもポンプ系という派手なシンセワークを披露する Fabrice Dottel(Key)のキーボードとのアンサンブルは痛快の一言なものの、英詞を歌っているがフランス語訛りやアクセントがある Serge Legall(Vo)がFISHっぽいシアトリカル歌唱を繰り広げているのだがこのヴォーカルがどうにもヘタウマ(ポンプにありがちな問題だ…)で、高らかにシンフォニックに鳴り響くアルバムの完成度の足を引っ張っているのは否めない…('A`)

とは言え、そのボーカルとインストゥルメンタル・パッセージの間で常にバランスのとれたメロディアスな楽曲にはポンプ・バンドが陥り易い助長さは少しも見当たらず、如何にも時代らしいサウンドなものの無駄なくコンパクトに纏め上げられたアルバムは、90年代初頭のシンフォ・インディ作としては出色の出来栄え(褒めすぎ!?)と言ってよいのではないかだろうか?

後は Francis Deschampsの手腕なのだろうが、90年リリース・インディ作とは思えないくらい音が良いアルバムで、今聞いても十分耐えうるサウンドなのは特筆すべき点であるのは間違いない。



[PR]
by malilion | 2017-05-23 21:02 | 音楽 | Trackback
トラックバックURL : https://malilion.exblog.jp/tb/26683686
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< 当時はポンプバンドのホ... 再結成はいつ? US産シンフォ... >>