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スイスのメロハー CRYSTAL BALLが、別バンドなサウンドに!?


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スイス産メロハー・バンドの1年ぶりとなる9thアルバムのボートラ2曲入りな限定盤を少々遅れてGET!

いつの間にやらキャリア20年超えのベテランになってしまった彼等だが、しばらく安定していたラインナップに再び変化が起こった模様で、リズムギターリストが Markus Fluryから Tony "T.C." Castellへチェンジしている。

まぁ、前々からサイドギタリストの座は安定していないので、デビュー以来長らくフロントマンを務めて来た Mark Sweeneyから Steven Mageneyへヴォーカリストがチェンジした時のように、彼等のファンは驚かないかもしれないけれど…(汗

前作は、硬質なギター・リフで楽曲のエッジを保ちつつ、耳を惹くキャチーなメロディの上をポップなサビと分厚いゴージャスなコーラスが埋め尽くすデビュー以来からのサウンド形式をベースにしつつ、全体的にメタリック度が薄まったより普遍的でオーセンティックなHR風な仕上がりで、少々刺激不足な停滞気味に感じられたバンドサウンドでしたが、再び本作でもサウンドの毛色を変化させております。

前作の軽めなHRサウンドから一転、ジャケのデザインからもその内容が窺えるダークでミステリアスなヘヴィ・サウンドへ方向性を軌道修正した模様で、以前の爽快感あるスピーディーでキャッチーなメロハー路線は完全に影を潜めてしまっている…('A`)

ジャケや楽曲タイトル等を見るに、もしかしてホラー映画チックなコンセプトに沿った製作がなされた為に、本作に限り邪悪で禍々しい雰囲気がアルバム全体に漂っているのかもしれない…出来たら、そうであって欲しいなぁ…

Steven Mageneyの荒れたしゃがれ声はこのミステリアスでダークなサウンドに似合っているし、キャリアが長いだけあってアルバムの質は総じて高いものの、この方向性だと恐らく日本盤はリリースされないよねぇ…と、いうようなサウンドです。伝わるかなぁ…(汗

以前のような分かりやすいキャッチーさや爽快感、スピードというメロハー要素は薄まったものの、じっくり聞き込むと以前と同じ叙情的なメロディは楽曲の奥で未だにしっかりと息づいており、そのミッドテンポメインな重厚でダーティなユーロピアン・モダンHMの鈍色サウンドに、幾分かの甘味を感じさせる絶妙なバランスの仕上がりとなっている。

Mark Sweeneyがフロントマンだった頃の煌びやかなサウンドを好んでいた方にとっては、最早別バンドに聞こえるかもしれませんが、前作のような中途半端な仕上がりよりも、よりオリジナリティが確立されている本作の方が完成度も高く、好ましいんじゃないだろうか、とは個人的には思います。

まぁ、そりゃ初期の頃の方向性の方が当然、好きですけどね…(汗

例によって例の如く、本作のデジパック限定盤にボートラを収録しておりますので、マニアは限定盤の入手をお早め目に。

では、バンドサウンドを進化させ今を生き抜こうとしている彼等の試行錯誤を応援しつつ、次なる新作ではもうちょいキャッチーさが戻ってくる事を祈って…
by malilion | 2016-12-22 02:08 | 音楽 | Trackback
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