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ヴァイオリンをフィーチャーしたロシアン・バカテクバンド LOST WORLD BANDが新譜をリリース!


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ロシアのバカテク暴走列車 LOST WORLD BANDの、3年ぶりとなる待望の新作5thがリリースされたのを、ちょい遅れてGET!

デビュー当初はキーボーティストやギタリストも擁していたものの、前作から Andy Didorenkoがギター、キーボード、ヴァイオリン、そしてヴォーカルまで担当するという完全にワンマンバンド化した訳だが、引き続き Vassili Soloviev(flute)と Konstantin Shtirlitz(Ds)は参加しており、オリジナルメンツの3人組は盤石な体制で、さらに本作では新たに(と言っても2ndでキーボーディストとしても参加済み)パーカッショニストとして Alexander Akimovを呼び戻した4人組体制での製作となっている。

ロシアのバンドというカテゴリーではあるものの、現在はUSAのNYを拠点に活動しているヴィオリニスト Andy Didorenko率いる硬派シンフォニック・ロック・バンドと言う事になるが、中心人物がロシア国外へ移動しようとも相変わらず超絶テクニックと複雑なアレンジが見事に融合した、トンでもなくインパクト絶大なエキセントリックで凶暴なまでにテンション高い、東欧クラシック・ルーツのスリリング且つダイナミックな屈折した硬質なダークシンフォ・サウンドを展開する方向性に変化は無いのでファンの方はご安心を。

と、言っても野望に燃える若きグロプレ・ミュージシャンがAC/DCのように同じ事を繰り返すはずもなく、流石にキャリアを積んだからなのか、やたら暴走スタイルでゴリ押しするハイテンション疾走パターンは本作においては落ち着きを見せ、よりリリカルで艶やかさを活かすフルートとヴァイオリンの優雅なアンサンブルを中心にしたアーティスティックなサウンド構成へ変化しつつあるようだ。

まぁ、それでもギターやヴァイオリンの激しい演奏のせめぎ合いは十分過ぎる程に炸裂してるし、叙情的で涼やかだったフルートも一転してエキセントリックなプレイを叩きつけるように切れ味鋭く暴れ回ってるんですけどね(汗

殆どインスト構成なのは相変わらずで、前作ではなんだかほんわりした牧歌風な歌声を聞かせ新境地を開いたかに見えた Andy Didorenkoですが、本作では静かに感情を抑えて淡々と語りかけるような落ち着いた歌声を英語(!)で聞かせるに留まっている。

以前のようなKING CRIMSONやAFTER CRYING風味のヒステリックな狂気のハイテンション漲る躍動感ある“押し”パートと、YES風味の優雅な叙情性や技巧が光るフォーキーでアコースティックな静けさ薫る繊細な“引き”パートのメリハリが一層に強くなり、以前よりはシンフォ度が下がって、より普遍的なフュージョン・サウンド度が増した、極めて高度な技巧と緻密な構成の楽曲に彩られたモダン・プログレ作と言えよう(*´ω` *)

一人で多重録音な為か多少スケールの小ささや、バンド内のパワーバランス的なものの為かリズムパートの迫力の薄さなんかが気になりますが、フルートとヴァイオリンが大活躍してるって事もあって、キーボードが殆ど聞こえないしヴォーカルの歌メロが無くとも、ここまでメロディアスでスリリングなプログレ作をクリエイト出来るのだなぁ、と改めて感心させられます。

しかし、なんでR盤でリリースなんですかね…せめて、MUSEAからデュプリ盤だしてくれよぅ…(つд`)
by malilion | 2016-12-10 00:14 | 音楽 | Trackback
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