ARLON 「Mimetic Desires」'15 ジャケからしていきなり重厚で沈痛な雰囲気を醸し出す、期待の新鋭ポーランド産モダン・シンフォバンドの2ndが二年ぶりにリリースされたので速やかにGET! 新興レーベルからのデビューとなったが二作目で安定の自主制作盤になった模様…まぁ、そう売れるジャンルじゃないし…(つд`) で、環境の変化からなのか早くもメンバーチェンジが勃発し、音域はそう広くないものの仄暗く陰鬱ながらも美しさを感じさせるダーク系ユーロ・シンフォニックロック・スタイルなバンドサウンドにマッチしていた声質のヴォーカルが脱退し、新たなフロントマンが迎え入れられた模様。 なんだけど…バンドサウンドがサウンドなので同じような系統の声質(前任者の方がユーロポンプ類型な声質かな?)の、そう音域も必要とされない抑揚の少ない淡々とした歌唱スタイルも同様な為もあってか、前任者より“歌える”フロントマンなのかどうかこのアルバムだけでは良く分からない…(汗 と言うのも、今回の新作はオーケストラと合唱団入りで録音されている為もあって音楽的にスケールが大きく、現時点で新フロントマンの歌唱力がバックのテクニカルで甘味の無い演奏と荘厳なオーケストレーション、そして重厚にして華麗な合唱団の美声に完全に負けてしまっている為に、余り新ヴォーカリストの歌唱が上手く聞こえないんですよね~('A`) そう言う訳で新ヴォーカルの力量についてはイマイチ判断出来かねるものの、バンドサウンドの方は確実にレベルが上がっていて前作以上の緊張感がアルバム全編を貫き、冒頭の深いエコーのかかったピアノの残響が、凍てつくような厳寒の仄白い情景を一瞬で描き出す様は見事の一言。 前作に引き続きキーボードプレイヤーが美しくも儚いピアノやストリングス・シンセを操るだけでなく物悲しい調べを奏でるサックスもプレイしており、それが実に良いアクセントになって冷たい情景を描き出し、エモーショナルな泣きのギターのロングトーンも相まって、まるで雨に煙る映画のラストシーンのような叙情感滴る調べが蕩々と紡がれゆく様は、聞く者をウットリさせる事請け合いですわ♪(*´ω` *) 感情を抑えた歌メロとテンポ遅めで淡々と演奏される鈍色なバンドサウンドと、薫り立つようなクラシカルなストリングス・オーケストラが優雅にフィーチャーされ、そこに幽玄で重厚な合唱が追い打ちをかけ怒濤のように展開するサウンドの、静と動の対比は圧巻! 北欧プログレのようなヴィンテージ感はないけれど、共通する美しくも深い陰影が刻まれた凍てついた情景が脳裏を掠める、鈍く濁った空間に一筋の光が一瞬差し込むような、そんな刹那の輝きに魅せられてしまうアルバムなのでした。
by malilion
| 2015-12-06 00:38
| 音楽
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