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新サウンド・スタイルへ生まれ変わったベテランバンド、PALLASの新譜リリース!


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前作「XXV」'11で Alan Reedに代わって新たに Paul Mackieをフロントマンに迎えての2作目となる、スタジオアルバムとしては3年ぶり通算7作目(LIVEやらアーカイブもの含むと17か18作目くらいなはず。ファンクラブオンリーやプロモ盤含むと一体何枚目だか…)がリリースされたのでGET!

前作はコンセプトアルバムと言う事に引っ張られたのかイメチェンを狙ったかのような硬質な長尺曲がイマイチ助長気味に感じたのだが、今回はハードテイストはそのままに出だしからコンパクト構成なググッとタイトに引き締まったヘヴィ・サウンドが飛び出してきて一安心といった所か。

ジャケット画がイメージさせる仄暗い翳りを帯びたダーク・シンフォ・プログレワールドが静寂と疾走を交えてスリリングに展開される中で、ブンブン唸るベースと分厚いオーケストレーションなキーボードが叙情感タップリに幻想的なシンフォニックサウンドを力強く描き出す様は実にフレッシュな感覚を与えてくれて、とても一時期解散同然の状態だったベテランバンドの作品とは思えない渾身の完成度だ。

ベテラン故に当然なのだけど、これまでの80年代ポンプ+HRを引きずって来たこのバンドのサウンドイメージがガラリと変わり一気にモダンでヘヴィになった印象を受けるのは、自主制作盤ながらかなり手の込んだSE等の仕掛けや上質なプロダクションを施した重厚な音作りの練り上げられた構成のアルバムだからだろう。

音が分厚くなって作り込まれた弊害でか若干シンフォニックなサウンドの広がりとでも言える柔らかな音の感触が減少したように思えるし、これまでの彼等のアルバムには余り聞かれなかった“引き”の要素とでも言えるような静寂を伴ったリリカルなアンビエント・サウンドが随所でこのアルバムは顔を出すのに一番驚かされたが、この新たなサウンドスタイルの充実ぶりの前には些細な問題でしかない。

前作で苦言を呈したジャケのダメダメなセンス問題(笑)も、今回はロシア人アーティストによるダークなイメージを掻き立てるイラストを使用する事で払拭し、正に万全の体制で放った一枚と言えよう。

これまでの彼等のファン、特に古参ファンはどういう反応を示すか定かでは無いが、少なくとも今の若いリスナーの耳には、この今風にイメチェンしたハード・シンフォ・サウンドの方が受け入れられやすいのは間違い無い。大英断ですよ、ええ。

モダンでダークなシンフォ・プログレ作がお好みの方は、是非この生まれ変わったPALLASの新作をチェックすべきですよ!

初回限定盤は40ページのデジブック仕様ですし、1000枚限定盤の為、お求めな方はお早めに!
by malilion | 2014-12-28 02:08 | 音楽 | Trackback
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