ANUBIS 「A Tower Of Silence」'11 オーストラリアのツインG&Key入り6人組シンフォ・バンドの待望の2012作2ndが登場! 6つのパートに分かれた大作で幕を開ける、幽閉された少女の物悲しい物語のコンセプト作であるものの、音の方はググッとソリッドでパワフルなドラマティック・シンフォ・ロックに様変わりしており、前回の様なあやふやな雰囲気モノの感は全くない。 しかし、オーストラリアのバンドというともっと豪快でカラッとしたアメリカンロックに近いイメージがあったが、このバンドはどうやらユーロ風な感性を持っているようで、今回のコンセプトといいデビュー作といい、何か仄暗く湿り気のあるダークなイメージ(蒼く暗く美しいジャケのイメージからしてそうか…)を好んでいるように思える。 いわゆるポンプ系の軟弱な音は皆無で、どちらかというとアメリカンHR寄りの雄大なスケール感とパワーを感じ(今回のコンセプト的にこの音は少しパワフル的過ぎるんじゃないかと思うが…)させるものの、ゲストでフルートやサックスも交え物悲しいメロディを奏でる所や、リリカルなKeyの音使いや優雅なメロディからは、北欧系の冷たく暗いシンフォサウンドに似た感触を受け、そのMIX具合が実に興味深い。 プログレアルバムにしてはメロディアスなVoパートも充実しているので一聴した感想は、ちょっと湿り気の薄いストレートな展開が売りの北欧シンフォ・ハード・ロック、と言えない事もないのも面白いかも。 まぁ、北欧グロプレはもっと内向的でイジイジしてて根暗な感触を受けるけど、このバンドにはそんな感覚は皆無で、それが清涼感を感じさせる一因なのかもしれない。 余り期待していなかった(申し訳ない!)所から意外な伏兵が現れたという感じで、これは次作も目が離せない要注目バンド(ジャケやブックレットに拘りがあるのも高ポイント!)が頭角を現したと、良さげなシンフォ・ハード・バンドをお探しの諸氏にお伝えしておこう。
by malilion
| 2011-10-12 04:43
| 音楽
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