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有りそうで無い、USポップな四姉妹ケルト(??)サウンド。


MAIDENS IV 「Celtic Fire」'10 有りそうで無い、USポップな四姉妹ケルト(??)サウンド。_c0072376_0141317.jpg

ハンガリーを代表するラジカル・トラッドバンドKOLINDAファンにお薦めですよ、という店の案内に導かれ購入してみた。

見た目に華やかな4姉妹による、アコースティック・ケルト・バンドのデビュー作。
といってもUSAバンドなので、それ程泥臭くも物悲しくもなく、ミステリアスな要素は殆ど感じる事のない、所謂エキゾチックなケルティック・サウンドをベースに、アメリカらしい美声(ルックスは…)女ヴォーカルコーラスをメインにしたポップスサウンドへの接近やモダンさを感じさせる音だ。
ヴァイオリンと、ヴィオラ、ボーランが刻む音はお約束なのだけど、トラッドのジグとはやはりどこか違い、根っからのケルト・ファンには少々脳天気っぽく感じられて明る過ぎるとか、幻想的な物悲しさが無い、とか感じるかもしれない。

女性だけの4人組だからとか、ノン・エレクトリックだから(KOLINDAもノンエレキだが凄い音圧ある)というわけじゃないだろうけど、音の線が細くイマイチ迫力不足な音ではある。
ひょっとして、自主制作だからスタジオ作業やミックスの影響というのもあり得るかも?
その分、ノスタルジックな旋律を刻むアコースティカルな音色や、繊細で柔らかな音の響き、そして女性ならではの優雅さのようなものはより一層強く醸し出しているから、どちらを良しとするかは個人の嗜好にもよるのかも。

KOLINDAのように変拍子&転調ですさまじく緊張感溢れる怒濤のテンションで押しまくる訳でも、ハイスピードに目まぐるしく移り変わる旋律でテクニカルに攻めまくるわけでもないので、ちょっとまったりしたい秋の夜長なんかに、この爽やかアコースティカル・トラッド風ポップスのハートウォーミングな音色に耳を傾けてみるのはいいかもしれない。

ケルティック・サウンドではあるものの、実際演ってる音はかなりコンテンポラリーな音に近いので、次作で腕利きプロデューサーとかの手にかかったら、SOLASみたいに大化けする可能性もあるかも?
by malilion | 2010-09-08 00:16 | 音楽 | Trackback
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