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80年代後期に活動したクリスチャンHMバンドANGELICAが久しぶりに新譜をリリース!!

80年代後期に活動したクリスチャンHMバンドANGELICAが久しぶりに新譜をリリース!!_c0072376_13430074.jpgANGELICA 「Without Words」'19

カナダ出身のギタリスト Dennis Cameronが87年に結成、80年代後期から90年代初頭にかけてアメリカ・シーンで活躍し、アルバム4枚をリリースしたクリスチャンHMバンドANGELICAの約27年ぶりとなる新譜、5thアルバムがリリースされたのでGET!

去年、1st、2ndのデジタルリマスターでのリイシューに合わせてデビュー前のデモ音源をオフィシャル・リリースしてファンを歓喜させた Dennis Cameronですが、予告していた通り夏の終わりにデジタル先行でリリースしていた新作が現物でやっと入手可能になりました。

ただ、せっかくの久しぶりの新作なのですが、残念ながら名義がANGELICAなだけでほぼ Dennis Cameronが独力で創り上げたタイトル通りなインストゥルメンタル・アルバムなので、以前のメロハー・サウンドを期待している方には少々肩すかしな内容となっております……

クリスチャンHMバンドの、そのギタリストのソロ作と言えるアルバムなので購入前は下手をするとスーパーマーケットのBGM(汗)に成り下がっているような穏やかで柔和な心地よさ重視で、知らない間にアルバムを聞き終えている最悪なパティーンのアルバムになるのでは、と危惧しておりましたが、意外や意外、予想以上にダークでヘヴィなテイストもあるザクザクしたリフ圧しのトリッキーなプレイが切り込んで来る楽曲がしょっぱなから飛び出してきて安心させられました。

この辺りのダークなテイストは悲しいかな90年代グランジーの波を経験しているUSプレイヤーにとって、今となっては当然なギタープレイなんでしょうねぇ…

後半カントリーっぽい楽曲やブルーズテイスト漂う楽曲だったりも飛び出してきて、如何にも陽気なアメリカン・サウンドなのにニンマリさせられます。この手のテイストやプレイはユーロ圏のミュージシャンでは敵いませんね、やっぱり(w

とまれ、相変わらずなハードでエッジあるテクニカルで流麗な早弾きプレイもしっかりフィーチャーしつつ、歌心あるメロディアスで爽快なプレイが全編に渡って披露されており、彼個人の技巧派ギタープレイのファンな方にとってはこれ以上ないくらい満足いく作品と言えるでしょう。

彼のキャリアや交友関係的に幾らでも歌の巧いクリスチャン・シンガーを招いて往年のANGELICA"らしい"アルバムを創る事は出来たのでしょうが、敢えてシンガーを招かず、彼自身のプレイのみで全てを語り表現する作風に挑んでいる点を見ても、以前とは違い自身のプレイに絶大な自信を持って本アルバムの制作に至ったのだと察せられます。

キーボードやドラムは殆ど打ち込みと思われますが、ベーシストとドラマーの二人がスペシャル・ゲストで招かれているので、打ち込みでは無機質に成り過ぎる箇所等でプレイを披露しているのかもしれません。

逆に言うと殆ど打ち込み臭さを感じさせない自然なフィーリングのサウンドだとも言え、この辺りは以前と違って近年のテクノロジーによる所が大きいのでしょうね。

個人的に Neil Peartの一件があっただけに、このアルバムに少し癒やされました…(つд`)

CCM系は独自のカテゴリーなのも影響してか、なかなか輸入盤が入って来ないしそもそもプレス数も少ないので、ともかくANGELICAファンなら迷わず買い! なアイテムなのは間違いありませんからり切れる前に早々に入手しておきましょう!

P.S.
それとCD裏面に明記されてたんですが、どうやら Dennis Cameronはフルタイムのプロミュージシャンとしての活動は断念し、現在は開業医(!?)となっている模様なので、今後ANGELICAの新譜はなかなかリリースされる事は無い、もしくは本作と同じようなインスト作で彼個人が満足出来るような作風になるのではないかと思われます…

まぁ、ミュージシャンとして成功出来なくても人生は続くんだし、彼は彼なりに次のステージへ進んだって事なんでしょうね。堅実に。





# by malilion | 2020-01-19 13:37 | 音楽 | Trackback

RUSHのドラマー、Neil Peartが死去…


RUSHの頭脳にしてドラマーであった Neil Peartが1月7日、米カリフォルニア州サンタモニカにて死去した模様。

死因は脳腫瘍とのこと。

3年半にわたる闘病の末に亡くなった。享年67歳。R.I.P

RUSHはもうLIVE活動しないと近年発表していたが、腱鞘炎だけでなくこれが隠れた大きな原因だったのかも…orz

奥さんや娘さんで辛い思いをしつつ、それでも創作活動を再開してくれたNeil Peartに感謝だったのですが、やっとこれで彼も安らかになれたんだと思うしかありませんね……

今日はRUSHのアルバムを引っ張り出して夜通し聞き倒しますか…(T-T)



# by malilion | 2020-01-16 12:49 | 音楽 | Trackback

新アメリカ人キーボーティストを迎え、劇的に生まれ変わった北欧シンフォ・バンドTHE FLOWER KINGSが新譜をリリース!

新アメリカ人キーボーティストを迎え、劇的に生まれ変わった北欧シンフォ・バンドTHE FLOWER KINGSが新譜をリリース!_c0072376_17594323.jpgTHE FLOWER KINGS 「Waiting For Miracles ~Limited 2CD Digipack~」'19

北欧スウェーデンの大御所プログレ・ギタリスト Roine Stolt率いるシンフォ・バンドが6年ぶりとなる新譜をリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

去年 Roine Stoltはソロ名義のRoine Stolt's THE FLOWER KINGとしてアルバムをリリースしているので、バンド作としてそんなに間隔が開いていたのかと、今さらながら驚かされた方もいらっしゃるかも?

95年デビュー以来幾度もメンバーチェンジを行ってきたバンドだが、今回の大きなトピックとしては長らく Roine Stoltの盟友としてバンドに在籍し、サブリーダー的な立ち位置だった Tomas Bodin(Keyboards)が本作では脱退し、代わって新キーボーディストにUS産テクニカル・シンフォ・バンドAN ENDLESS SPORADICを率いる天才的作曲家にしてマルチ・プレイヤーの名手 Zach Kaminsを迎えた事だろう。

地味にドラマーも Felix Lehrmannから Mirko DeMaioへチェンジしているが、このバンドはリズム隊が昔から良く変わっているので、それは驚くには当たらないでしょう。

しかし、面白いのはRoine Stolt's THE FLOWER KINGにも Zach Kaminsはゲスト参加しており、その時の演奏が気に入って Roine Stoltが新たなキーボーディストに彼を招いたのではないだろうか?

まぁ、Tomas BodinをはじめTHE FLOWER KINGSのメンツ達と新たなバンドTHE SEA WITHINを立ち上げアルバムを既にリリースしているので、Roine Stoltとしてはバンドごとのサウンドの差異をハッキリさせる為にも、あえてメンツを変更したとも考えられますね。

実際、Tomas Bodinはデビュー作から長らくTHE FLOWER KINGSのキーボーディストの座に有り続けバンドサウンドのカラーを決めていた大きな要素であった訳だから、バンドサウンドが同一方向性のままで大きく分かり易い変化を付けるならリーダーでギタリストの Roine Stoltか、彼を代えるのが一番てっとり早いでしょうから。

活動歴が長いバンドがマンネリズムに陥るとやらかす、同一メンツのまま妙な新要素を追加してダンサンブルになったり、ダークでヘヴィなグランジーさを加味したり、妙にデジタリーなサウンドへ接近したりと今風要素を無理くり追加するような試行錯誤をされるくらいなら、主要メンツをチェンジしてバンドサウンドをリフレッシュしてくれた方がファンとしては安心…かなぁ?(汗

さて、その主要メンツをチェンジして初となるアルバムのサウンドは、お馴染みな70年代回帰型のレトロ風味なHR寄りのプログレッシヴ・ロックを現代風なモダン要素を加えブラッシュアップしたスケール大きいサウンドで、ソリッドでヘヴィなサウンドとシンフォニックな優美さと艶やかなサウンドを絶妙のバランスで交差させており、その上で何時ものようにヴォーカルと分厚いコーラスは歌心があって実にキャッチーで聞きやすく、北欧プログレお得意のビンテージ感漂う哀愁のメロディとエモーショナルながらも透明感あるギター・サウンドが終始耳を捉えて放さないのは同じなのだが、バンドサウンドが明らかに変わった事を示すのに十分な程に異なっているのが分かる。

Tomas Bodinも多彩な鍵盤楽器を操ってTHE FLOWER KINGSのサウンドを鮮やかに飾り立てていたが、本作の Zach Kaminsに至っては、メロトロンやハモンド、ムーグやシンセ、ローズ・ピアノ、ハーモニウムなどのヴィンテージ・キーボード類だけでなく、鉄琴やマリンバ、ギター、テルミン(!)、オーケストレーションに至るまで多種多様な楽器を操り、その的確でハイセンスなテクニカル・プレイと絶妙のアレンジで、幾分かマンネリズムに陥りかけていたTHE FLOWER KINGSのサウンドに新鮮な風を持ち込み、一気にバンドサウンドのレベルを一段引き上げ、さらにモダン化を加速させる事に成功していると言えよう。

若手プレイヤーの発奮が呼び水になったのか、Roine Stoltを始め他メンバーのプレイも切れ味鋭い渾身のプレイを披露しており、まるでデビュー作のような迸る熱くスリリングなプレイがそこら中から飛び出してきて、Zach Kaminsというアメリカ人プレイヤーがベテラン北欧バンドに与えた影響が如何に絶大だったのかを物語(メンバー・フォトのど真ん中に陣取ってるのが象徴的だw)っているようだ。

そんなベテラン・プレイヤー達に囲まれ Zach Kaminsは少しも臆する事なく、如何にもプログレ的なテクニカルなプレイやエモーショナルなプレイ、そして素早く派手なリックをダイナミックに繰り広げており、幾分かこれまでのアルバムよりサウンド全体の北欧的な透明感や叙情感は薄れた印象はあるものの、逆にこれまで余り感じられなかったムーディーでミステリアスな雰囲気や民族音楽的なテイストなどが持ち込まれるなど、THE FLOWER KINGSサウンドを再び輝かせた起爆剤が Zach Kaminsが操る鍵盤類サウンドであるのは間違いなく、キャリアあるシンフォ・バンドが新たなキーボーディストを迎えた事で、ここまで劇的に変化するものなのかと驚かされっぱなしな一作と言えるだろう。

そういった人事的なトピックを知らぬリスナーが本作に耳を傾けたとしても、その緻密に作り込まれたスリリングでメロディアスなギターと重厚で壮大なシンフォニック・アレンジが聞く者を魅了するエモーショナルでファンタジックなサウンド、そして圧倒的な演奏力と説得力ある歌声だけでリスナーを完全にバンドの音世界へ連れて行ってしまえる力量は、ベテランバンドの風格未だ衰えず、と言った所でしょう。

ポップスや古典的なロックソングも含む多様なプログレ要素がクロスオーバーされた幅広い音楽性とテクニカルでスリリングなプレイが飛び交う重厚にして壮大なサウンドの中にあって、フッと訪れるソフトなアコースティック・パートが織り成す“圧し”だけでない“引き”の美しい叙情感は、ユーロ圏バンドに特有な上に、キャリアあるバンドでなければ表現の難しい音数は少ないけれど胸に訴えかけるエモーショナルなサウンドという奴で、本作でもしっかりとその柔和なサウンドが、瞬間的にキラリと清涼な輝きを放つ様が実に美しいのです(*´ω` *)

毎度同じ方向性でちょっとマンネリだなぁ、と彼等のサウンドに飽きてしまった旧来のファンの方々や、スリリングでモダンな上にキャッチーで安定感抜群という北欧シンフォ・サウンドがお好みな方なら、是非本作をチェックして見て下さい。



# by malilion | 2020-01-03 17:54 | 音楽 | Trackback

YES+EL&P+GENESIS÷3×アメリカンな初期USプログバンドLIFTがデジタルリマスターでリイシュー!


YES+EL&P+GENESIS÷3×アメリカンな初期USプログバンドLIFTがデジタルリマスターでリイシュー!_c0072376_23512998.jpgLIFT 「Caverns Of Your Brain ~Expanded Edition~」'76

74年に録音して500枚限定でリリースしたものの何の反応も得られず、その後77年にメンバーの知らぬ間に勝手にLPリリース(ブート)までされてしまった、だけどそのお陰でその存在が知れ渡ったドマイナーな5人組アメリカン・プログレバンドのリマスター&ボートラ追加盤がリリースされたのでご紹介。

それまでにもブートレッグ音源は何度かリリースされて来た模様だが、90年に一度オフィシャルCDリリースされて国内盤も発売されており、本作の半分の南部(Topekaは中部寄りだけど…)時代の音源(KANSAS州の州都Topekaで結成され、録音された初期音源)を耳にされたプログレ・マニアな方も多い事だろう。

今回は後に本拠を東部GEORGIA州のAtlantaへ移し、大きくメンバーチェンジをした後に制作された76年以降の音源を追加し01年に『The Moment Of Hearing』なるアルバムタイトルで再びリイシューされた音源を、『Caverns Of Your Brain』のオリジナルアートとタイトル、そして紙ジャケ仕様でリマスター再発したものとなっている。

さて、本作のサウンドだが、既に方々で語られているように、初期YES、EL&P、そしてGENESISを足して3で割って倍速のハイテンションでプレイしたようなサウンド、という説明通りの、如何にもアメリカン・バンドというイメージ通りな豪快さとテクニカルに畳みかけるパワーとスピードが前半の音源では漲っており、その異様なテンションはHRバンドにも決して引けを取らない激しさだ!('(゚∀゚∩

プログレの代名詞的楽器メロトロンをフィーチャーしながら、ハモンド、ムーグ・シンセなど多彩な鍵盤楽器が所狭しと駆け回り、疾走するリッケンバッカーの図太いベース・サウンドと手数の多過ぎるドラムがせわしなく変拍子を刻み、時折歪んだスリリングなギターが切り込んでくる、バックのサウンドのレベルと比べると幾分スキル足らずなC級な力量のヴォーカリスト(フルート奏者も兼ねている)がメロディアスな歌メロを歌い上げている前半部分は、如何にも70年代末期の混沌としたUSプログレという、情熱のウネリと若さ故の歯止め無きパワーを感じるテクニカルな演奏でけたたましく攻め立てており実に爽快なのです(*´ω` *)

70年代UKプログレ・バンド群からの影響が絶大なサウンドなれど、フルート奏者がメンバーに居る事と、UKバンド群のサウンドの重要なピースである優美さや楽曲構成の緻密さをメインにするのではなく、猪突猛進な怒濤のパワーで叩きつけるように演奏する事でお手本に無い独特なオリジナリティが生まれている点が非常に面白いと言えましょう。

後半はフロントマンとギタリスト、ベーシストをチェンジし、美声のフィメール・ヴォーカリスト Laura "Poppy" Pate嬢をフィーチャーした楽曲となっており、作風もグッとゆったりとしたテンポでメロディアスになり、今度はRENESSANCEとGENESISをミックスしたような、儚さと可憐さを漂わすファンタジックでシンフォニックなポップサウンドへ様変わりしていて驚かされる。

ていうか、もう完全に別バンドなサウンドだ。

後半分の音源はマスターに問題があるのか、ヨレたり音量が急に変化したりと万全な状態での音源でないのが少々悔やまれるが、それでもこうして再びリリースしてくれた事には感謝しかありません。

なにせ初CD化からもう30年近く(!)時が経過しているので、今の再生環境にマッチしたクリアなリマスター音源で傑作を楽しみたいですから。

70年代末期のアメリカン・プログレと言うとまだアートロックというイメージが濃厚な、商業性より芸術性が重要視された孤高のサウンドが個人的に大好きでして、BABYLONやCATHEDRAL、MCARTHUR、そしてYEZDA URFA等の混沌とした独特のサウンドが癖になる初期USプログレ・バンドがお好きな方ならば是非チェックして見て下さい(*´ω` *)


# by malilion | 2019-12-30 23:41 | 音楽 | Trackback

北欧スウェーデンのベテラン・メロハー・バンドHOUSE OF SHAKIRAが新作『Radiocarbon』をリリース!

北欧スウェーデンのベテラン・メロハー・バンドHOUSE OF SHAKIRAが新作『Radiocarbon』をリリース!_c0072376_21160716.jpgHOUSE OF SHAKIRA 「Radiocarbon」'19

活動20年を超える北欧スウェーデンのツインギター5人組ベテラン・メロハー・バンドであるHOUSE OF SHAKIRAの、前作『Sour Grapes』から3年ぶりとなる13枚目のアルバム(BEST、LIVEを含む)がリリースされたので即GET!

新たなヴォーカリスト Andreas Novakを迎えて4枚目となる久しぶりの新作でも、爽快なコーラスワークを活かしたポップでキャッチーなアメリカン・ロックに北欧風味をまぶした絶妙のメロディアスHRサウンドな方向性に大きな変更はないものの、長らくベーシストの座についていた Basse Blybergに代わってオリジナル・ベーシストでありROYAL HUNTにも在籍していた Per Schelanderが復帰した新編成となっての初のスタジオ作だ。

また、メンツ変動だけでなくイタリア最大手でありメロハー・ジャンルのレーベルとしてユーロ圏で代表的な存在であるFRONTIERS Musicへレーベル移籍して初の作品となっており、さらに共同プロデュース及びミキシング・エンジニアとして、TALISMAN、EUROPE、ROYAL HUNT等の作品にも関わっているHAMMERFALLの Pontus Norgrenを起用と制作環境が今回は大きく変化しており、バンドメンツの変化は最小限で外部の環境を変化させる事で少々マンネリ気味になりつつあるサウンドに安定感を保ちながらも刺激を与えようと画策したのかもしれない。

この新作のサウンドに耳を傾けて気づくのは、これまでにも増してAORへの傾斜をさらに強めた分厚く爽快なハーモニー・ヴォーカルが聞ける事と、グランジスタイルなハードエッジで非常にヘヴィなリフを重ねたり、ROXY BLUEやAC/DCを彷彿とさせる適度にエッジあるストレートでシンプルなリフを刻み、軟弱になりそうな楽曲を引き締めつつ、北欧風味漂う叙情感あるメロディアスHRサウンドに見事に仕上げている点だろう。

“スカンジナビアのVAN HALEN”張りなクラシックなリフで構成された80年代HRに近い豪快なギター・サウンドが飛び出してきたり、意図的にリードギタリストの Mats HallstenssonがクラシックHR風な先祖返り的サウンドを織り込んでいたり、ヴォーカルやコーラスはEUROPEやDEF LEPPARDにインスパイアされたのが明白だったりと、そういったフォロワー的な手法にHRファンは恐らくニヤリとさせられ事だろうが、だけでなく時折聞ける流麗なツインリードやフックの効いたリフ、初期DANGER DANGERを彷彿とさせる弾けるような陽気な楽曲、現代的なモダンに洗練されたリフやアレンジ、そして高らかに歌い上げるヴォーカルを包み込むキャッチーでメロディアスなサウンドのそこここで彼の絶妙なギタープレイが光りを放っているのが分かる。

ビッグなフックと分厚いヴォーカル・ハーモニー、キャッチーなメロディと耳に馴染みやすい歌メロを大事にしつつもギター・オリエンテッドな80年代風味漂うアメリカン・ロックに北欧情緒をまぶしたメロディアスHRに、デビュー作からのお約束である中近東の民族音楽的な旋律やミステリアスな雰囲気の漂う歌メロを交えつつ、ベテランらしい風格と安定感バッチリに聴かせるそのサウンドは、特にテクニカルな事をしている訳ではないが非常にヴァラエティ豊かでバランスも取れた素晴らしいと一作と言えるだろう。

ただ、VAN HALEN、EUROPE、DEF LEPPARD、ROXY BLUE、AC/DC、DANGER DANGERだけでなく、RAINBOW(Stargazerっぽいんだよなぁ…以前リッチーのトリビュト・アルバムにも参加してたし、やはり北欧ミュージシャンはリッチー好きなんですねぇ)までの影響がこれまで以上に露骨に感じられた本作のサウンドは、当然意図してなのだろうけど、一体どうしてこんな手法を選択したのか少々不可解ではあります。

もしかして、80年代アメリカンHRと北欧清涼感系HRのMIXサウンドに中近東の民族音楽的なフレーズ、だけで十分に個性的だと思うのですが、今回は自身のルーツ的なサウンドを再確認しつつアルバムに反映させるってのがコンセプト、って事なんでしょうかね?

まぁ、前作は長い活動を通じて多種多様な音楽要素を取り込みつつ、初期からの朗らかでキャッチーなサウンドという軸を堅持しつつ全曲コンパクトに纏め上げられた捨て曲が見当たらぬ完成度の高いアルバムだっただけに、今回はルーツ再確認という手法と要素で意図的にバランスを崩したサウンドにして魅せた、というマンネリ打開の手法なのかもしれませんね。

ハードエッジや即効性の刺激を求める向きや、ハイテンションな迸るパッションを求める向きにはお薦めできませんが、キャッチーなAORやフック満載なメロディアスロックを好む方や80年代風のメロディアスなHRがお好みの方ならきっと気に入るだろうアルバムに仕上がってますので、ご興味あるようでしたら是非チェックしてみて下さい(*´ω` *)



# by malilion | 2019-12-29 21:09 | 音楽 | Trackback

ファンタジックなユーロ・シンフォを聞かせるDRIFTING SUNがアルバム未収コンピレーションCDをリリース!

ファンタジックなユーロ・シンフォを聞かせるDRIFTING SUNがアルバム未収コンピレーションCDをリリース!_c0072376_11171207.jpgDRIFTING SUN 「Singled Out」'19

先頃最新6thアルバム『Planet Junkie』を発表したばかりの、フランス人キーボーディスト Pat Sanders率いる多国籍ユーロ・シンフォ・バンドが、多数のシングルからセレクトされたアルバム未収シングル・コンピレーションCDをリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

再結成しての活動が順調なのを反映してか、マネジメントがバンドが受けてるから今こそ小銭の稼ぎ時と画策したのか、15年~18年までにダウンロードのみでリリースされたアルバム未収録のシングル曲のBサイド12曲(未発表曲1曲含む)が今回初CD化された('(゚∀゚∩

ポピュラー・ミュージックシーンではDL販売が殆ど主流になっている音楽業界で、未だにアルバム偏重なアーティスト嗜好の強いバンドが多い事やインディ故に現物をリリースしたいというアーティスト側の記念碑的なアイテム故かプレスした盤が主流であったプログレ系バンド達の間でもジワジワとDL販売が主流になりつつあるようだが、こうしてプレス盤CDをリリースしてくれるのは個人的に大変ありがたいのです(*´ω` *)

やっぱり、手で直に持ってライナー眺めつつじっくりと音楽を味わいたい古いタイプなもので……(汗

再結成したばかりの時は、活動休止前通り Pat Sandersのワンマン的キーボード弾きまくりとシンフォ系サウンドに不釣り合いなHM的なメタリックなギター・サウンドがファンタジックなバンドサウンドをスポイルしていたように感じたが、その後ギタリストをチェンジしウェットな英国叙情が漂うメロディアスなモダン・ユーロ・シンフォサウンドにマッチしたシンフォ系向きプレイへ変化し楽曲の方もアルバム全体の完成度を考慮した方向へ軌道修正し現在に至る訳だが、本コンピレーション盤に収録の音源は、当初のワンマンっぷり(笑)のままに Pat Sandersの鍵盤メインな楽曲が多く、ピアノ独奏の弾き語りやキーボードとギターがメロディアスに舞い踊るインスト曲等々、現在ではバランスを考えてアルバムの楽曲作りをしている Pat Sandersが溜まったフラストレーションを吐き出すかの如くコレでもか、とデビュー当時のままに弾き倒し(録音も殆ど自身のみでメンバーほぼ不参加)ていて実に微笑ましい(*´ω` *)

アルバムではリリカルで華麗なキーボード主導な繊細なアコギ・パートや薄っすらメロディをなぞる柔和なコーラス、そして優美なストリングス・パート等の美しいアンサンブルや“引き"の美しさが際立つアレンジが際立つ完成度の高い楽曲が納められているが、このアルバム未収録曲ではそういった完成度を度外視したバランス無視で思うままに演奏する、如何にもジングルのB面曲ならではといったアルバム収録曲の対局とも言える趣の楽曲はユーロ・シンフォ的な完成度の高いサウンドとはまた違ったカラーやタッチが楽しめて、ファンならずとも80年代ポンプ愛好家ならニンマリしてしまう事だろう。

PENDRAGON、GENESIS、YES、MARILLION、そしてPINK FLOYD等の影響が透け見える繊細でドラマチックなメロディアス・シンフォサウンドなものの、ただ柔和なキーボード・サウンドばかり詰め込まれたリリカル・サウンドばかりではなく、ハードドライヴィンするロックティスト有るギターも活躍するアンサンブル際立つその美旋律はソフト目なプログHM好きにも訴求するでしょうから、ご興味あるようでしたら是非一度チェックしてみて下さい。

毎度お馴染み自主盤なので、お求めの方はお早めにね!





# by malilion | 2019-12-27 11:10 | 音楽 | Trackback

UKシンフォ界の重鎮バンドIQが、5年ぶりに2枚組の大作を放つ!

UKシンフォ界の重鎮バンドIQが、5年ぶりに2枚組の大作を放つ!_c0072376_20333751.jpgIQ 「Resistance ~Limited Edition~」'19

MARILLIONを旗頭に、英国ポンプロック・シーンを代表するGENESISフォロワー・バンドの1つとしてPENDRAGON等と共に80年代初頭に唸りを上げてシーンを賑わした新鋭バンドであった彼等も既に活動40年を超える重鎮バンドであり、その彼等が前作『The Road Of Bones』'14以来となる、5年振りの通算11枚目の3面開き紙ジャケット仕様の2枚組限定盤を、ちょい遅れてGET!

なんでも当初は1枚モノとボーナス・ディスクという構成で制作を進めるものの、バンド創立メンツにして唯一不変のオリジナル・メンバーであるギタリストの Michael Holmesが語る所によると『ディスク1の雰囲気と全く一致しなかった』という素材を元に15分超えの大作3曲を含むなど楽曲が予定より増え、結果収まりきらぬマテリアルをカットするのは惜しい、と言うことで2枚組アルバムへ変化したと言う本作だが、頭っから如何にも彼等らしい英国プログレッシヴ・ロック直系の重厚にして濃密な王道シンフォ・サウンドが飛び出してきて、これにはファンならずともニンマリしてしまいます(*´ω` *)

さて、新作の内容についてですが、基本的にこれまでと同一路線なGENESISをルーツとした明快なメロディアス・サウンドと、このバンド独特のリリシズムを湛えたこれぞ英国叙情という気品とミステリアスなダークさ漂うドラマ性を継承しつつ、静かで憂鬱な詩と、軋むようなシンセサイザー、70年代風ハモンド、荘厳な教会オルガン、中東の影響を受けた倍音素材、お約束の重厚なメロトロン、不吉で邪悪な雰囲気漂わす多彩なサウンドなど、多種多様な鍵盤楽器を用いて幻想的で優美な物語を綴り、センチメンタルでデリケートなタッチのサウンドから一転爆発するような激しくドラマチックな楽曲展開と、絶妙な緩急の付け方で思わず息を呑む美旋律の数々を対比させる事で、カラフルでイマジネイティヴに満ちた劇的な効果を何倍にも高めて魅せる、ハードなダイナミズムを前作より一段と強めた作品だ。

ファンの方には、Peter Nichollsのシアトリカルなヴォーカル、長らく屋台骨を支え続けてきた Paul Cook のタイトでソリッドなドラム、Michael Holmesのエレガントなタッチから一転ハードに切り込む鋭く歪んだギター、そして『Frequency』'09 以来再結成IQの特徴となっているダークなトーンの音の壁がアルバムをタップリ埋め尽くした、鈍色な闇の奥でキラキラ光るメロディが輝きながら今にも滴り落ちそうなシンフォニック・サウンド、と言えば即理解していただけるかと。

それにしても前作『The Road Of Bones』から加入した新キーボーディスト Neil Durantの影響がこんなに大きく感じられるアルバムになるとは思いませんでした。

前作の時点では出たり入ったり忙しいオリジナル・キーボーディスト Martin Orfordの穴を埋められるのか、少々心配(前任者 Mark Westworthは一作のみの参加だったから…)な塩梅だったものの、本作に至っては完全にバンドサウンドの要とも言える大活躍をしており、彼の持ち込んだフレッシュな感覚や重厚にして華麗なキーボードワークと魅力的なサウンドメイキングが、より進化したバンドサウンドを反映した新たなIQサウンドの特徴になりつつあるように思いますね。

極論すると、以前は Michael Holmesのギター・サウンドがバンドサウンドの中心的存在だったが、今では Neil Durantの操るキーボード・サウンドがバンドサウンドの中心となっている、と言っていいくらいに感じられますから。

ディスク2の方は、如何にもプログレっていう変拍子とリズムチェンジの激しい派手でスリリングな楽曲が納められており、ある意味でこっちの方が一般的なプログレ好きにはウケがいいだろうが反面古臭くも聞こえ、やはりモダンサウンドを追求しさらなる進化を目指しているバンドとしてはディスク1のサウンドコンセプトにマッチしない、という判断をしてディスクを分けたのは賢明だったと思いました。

でも、正直言って嫌いじゃないんだよなぁ~~~~~~~~っ! ディスク2のサウンド(w

プログレ系で二枚組大作アルバムというのは今となってはそう珍しい事はありませんが、IQが今回放った本作はこれまでレジェンド・バンド達がリリースしてきたアルバムと比べて即効性の強いメロディやテクニカルで派手なプレイは乏しく、ちょっと聞き“弱く”感じるかもしれないけれど、じっくり聞き込むに相応しい緻密なアンサンブルと細心の注意で構成された楽曲は魅力に満ちており、決して期待を裏切らぬ一作だと言えましょう。

イマイチ落ち着きの悪かったキーボーディストの座も Neil Durantで安定したようだし、今後はメンツ変化などなくますますの活躍をして欲しいですね。




# by malilion | 2019-12-23 20:22 | 音楽 | Trackback

期待の北欧メロハーの新鋭 ART NATIONが3rdアルバムをリリース!

期待の北欧メロハーの新鋭 ART NATIONが3rdアルバムをリリース!_c0072376_15060653.jpgART NATION 「Transition」'19

Alexander Strandell率いる北欧スウェーデン産メロハー・バンドが2年ぶりに新譜をリリースしたのをちょい遅れてGET!

13年にデビューアルバムをリリースした北欧メロハー・バンドDIAMOND DAWNの元フロントマンが立ち上げた新バンドとして鳴り物入りでデビューし、そのTNTを彷彿とさせるキャッチー且つ哀愁を感じる叙情的メロディが光る躍動感あふれるサウンドから洗練されたAOR風味までカヴァーする煌びやかでハイクオリティな楽曲や Alexander Strandellの上から下まで伸びやかに歌い上げる強靱なハイトーン・ヴォイスと抜群の歌唱力でメロディアス愛好家を一発で魅了した彼等が『Revolution(革命、大変革)』'15 『Revelation(天啓、啓示)』'17 と来て、続いて『Transition(変化、過度)』なる3rdアルバムをリリースした訳だが、アルバムタイトルが示す通りデビューからの音楽性に幾分か変化が生じたようだ。

この変化がバンドの練度が上がった故のモダン嗜好へのサウンド変化だったなら何の問題もなかったのですが、どうにもこのバンドはメンツがデビュー以来安定(Alexander Strandellのワンマンバンドだと割り切れば問題でもないかもだけど…)せず、今回もサウンドの変化も大幅なメンツの入れ替えの結果なように思えるのが少々先行きの不安を感じさせますね……

アルバムデビュー前に Alexander Strandell(Vo)、Simon Gudmundsson(B)、TASTEで活動していた Christoffer Borg(G、Backing Vo)、そして Theodor Hedstrom(Key)、最後に Christofferの弟である Felix Borg(Ds)が迎えられて5人組ラインナップが一端完了する。

のも束の間、セカンドギタリストに Johan Gustavsson(G)と Felix Borgに代わって名うての新人ドラマー Carl Tudenが加入し、ツインギター&キーボード入り6人組バンドとしてデビュー作を録音し、リリースする。

スウェーデン国内をツアーした後に2ndアルバム制作に取りかかるが、よりソリッドでハードエッジなサウンドへ進化した結果か、前作での作曲で重要な役割を担っていた Theodor Hedstrom(Key)が脱退(バンドを追い出された傷痕故か、Christofferや Theodorとの出会いやコンビネーションにあんなに喜んでいたのに…)し、レコード会社も移籍してツインギター5人組バンドとして2ndをリリース。

2ndの作曲作業には Theodor Hedstromも関わっていた関係か、2ndまではデビュー作からの音楽性が進化したというのも納得なサウンドだった訳ですが、その後のメンバーチェンジの頻度がヤバ過ぎた……

2ndレコーディング後に Simon Gudmundsson(B)が抜けて女性ベーシスト Rebecka Tholerusを迎えツアーに挑むツアーをこなすものの、17年終わりには Christoffer Borg(G)、 Carl Tuden(Ds)、 Rebecka Tholerus(B)が脱退 エェェ(´д`)ェェエ

その煽りで日本公演がキャンセルとなる中、Sam Soderlindh(G)と旧友にして宿敵だったDIAMOND DAWNの Efraim Larsson(Ds)を迎えLIVE活動を再開するも、すぐにドラマーが Linus Thomssonへチェンジする。

と、初期からのメンツで残っているは Alexander Strandell(Vo)を除くと Johan Gustavsson(G)のみとなり、慌ただしくメンツが入れ替わって3rdアルバムの制作へ突入。

で、レコーディングが完了した後、またメンツ変動が起こり(マジで良く解散しないな…って言うか、もう殆ど別バンドだよね?)、現在のラインナップは、Alexander Strandell(Vo)は不動なものの、FOUREVERなるバンドにも在籍中の Mia Moilanenなる女性ギタリスト(G)、Sam Soderlindh(G)、元DEVILICIOUSの Alexander Lundgren(Ds)の4名で、ベーシストの席はまだ空席となっている模様だ。

初期の作曲中心人物 Theodor Hedstrom(Key)と Christoffer Borg(G、Backing Vo)が抜けた上に、これだけメンツが代わっての3rd制作となれば音の方も自ずと変化するのは当然の流れな上に、どうもさらに Alexander Strandellがバンドサウンドのポピュラリティを高めようと画策した模様で、本作のサウンドはよりモダンなタッチが強く感じられ、初期楽曲のような疾走感はかなり抑え目になり、代わって普遍的なロック的展開の楽曲や、女性ヴォーカリストとのデュエット曲や、専任キーボーディストが居ないにも関わらず2ndで軽減させた煌びやかでデジタリーなキーボードサウンドの比重が大幅に増えているのはどういう事なのか……

初期のキレ味鋭くキャッチーでポップでありながら、しっかりとハードエッジも感じさせる叙情派北欧メロハー・サウンドが好みだった方にとって、幾分かサウンドが柔和になったのとスピードとキレが落ちたように感じられる本作のマイルドサウンドをどう捉えるか、で本作の評価は分かれるような気がします。

まぁ、あのままハードエッジな方向性で進んでもその他大勢の北欧メロハー・バンド達との差異を構築するのに苦労する事になるのは目に見えていたので、本作からのより一般層へ向けてサウンドの方向修正は間違ってはいないとも言えますが、そうなると相手をするのはポップス畑のアーティスト達って事になりますので、現時点のサウンドの洗練度ではまだまだそちら系のファンを唸らせるのは少々厳しいんじゃないかと要らぬ心配をしてしまいますね……

とは言え、またメンツが変動してサウンドの方向性がコロっと変わるかもしれませんし、仮にメンツ変動なくても現在のメンツでのアルバム制作はまだですし、まだまだ北欧メロハーのフィールドで語られるべきサウンドではありますので、そこまで彼等のこの先を悲観はしてませんけどね(w

次なる新作まで、ともかくメンツを安定させて活動して欲しいものであります。



# by malilion | 2019-12-09 14:56 | 音楽 | Trackback

初期北欧HMバンド KEEN HUEがまさかの復活!? 未発旧音源を旧メンバーが集ってリリース!

初期北欧HMバンド KEEN HUEがまさかの復活!? 未発旧音源を旧メンバーが集ってリリース!_c0072376_19571064.jpgKEEN HUE 「Heydays」'19

80年代初期スウェディッシュHMシーンを支え、マイナーながらアルバム2枚を残して解散したツインギター5人組スウェーデン産メロディアスHMバンドが、前作『Juicy Fruit Lucy』から約26年(!!)ぶりに再結成して3rdアルバムをリリースしたので即GET!

77年頃結成されるもののデビューアルバムをリリースする頃には結成メンバーは誰も残っておらず、一番の古株がギタリストの Stefan Morenとドラマーの Peter Erikssonで1stから在籍し、2ndでもプレイしており、本作でもしっかり在籍して熱演を披露している。

そもそも『Ogre King』'84 でアルバムデビューした当時はツインギターでベースがヴォーカルを兼ねる4人組バンドで、垢抜けないイラストがジャケのイメージ通り典型的な初期北欧マイナーHMバンドだった。

音域の狭いヘタクソなオヤジ声の如何にもなリードヴォーカルが力一杯熱唱し、ハモってないダメダメなコーラスにバタつくドラム、そしてハードドライヴィンなギターがおぼつかないテクを披露し、荒っぽいツインギターが時折耳を惹くマイナー調のメロディを弾くという初期北欧HMの典型パターンとも言えるブリティッシュHMの影響を受けたイモ臭いスピーディなHMを奏でていたので、その筋のマイナー北欧系HMバンドが好みな方には知られた存在だったらしい。

因みにリリース元のレーベル倒産につきもう本作は入手不可能とのことで、権利関係問題があるのか今現在も未CD化なアルバムだ。

北欧地域ではそこそこ売れたらしいのでストックが存在したのか、自分はかなり前に運良く新品LPを購入出来たが今現在はどうなのかは不明です……(汗

それからかなりの年月を経て『Juicy Fruit Lucy』'94 なる2ndを発表し、北欧HM好き特にスウェーデン産バンドなら日本で受けると思われたのか彼等も国内盤デビューとなる。

国内盤はちょっと妖しい雰囲気なイメージのジャケにデザインが変更されているが、外盤はもっとタイトル通りな分かりやすいエロいジャケだ。

きっと国内的にはB級北欧メロディアスHMとしてプッシュしたかったのだろう。

下世話なイメージのジャケより国内盤のお上品な方が、まぁ確かに一般受けはするだろうが、サウンドのイメージとはちょっと遊離しているように感じますね…

2ndでは新たに専任ヴォーカリスト Mats Frimodigsを迎え、元SIX FEET UNDERのベーシスト Kent Janssonも新たに加入、ギターも Stefan Moren一本になり、さらにキーボーディスト Per Anderssonが迎え入れられた新編成の5人組バンドとなっていた。

1stから時間的な間隔がかなり開いている間にメンバーのスキルも上がった(Peter Erikssonのドラムもかなり安定したプレイを披露)のと、1st時のヴォーカルとは比べものにならない上手いフロントマンを得たのも功を奏したのだろう、B級マイナー北欧HMから2ndで一気に高品質なB級メロディアHMへチェンジしたサウンドを披露する。

ただ、所謂日本人好みなマイナーな美旋律が疾走する楽曲を聞かせる北欧メロハー・タイプでなく、もっとルーズでラフな感覚のロックンロール寄りなサウンドだったのと楽曲のキャッチーさがイマイチだったのも影響したのか、ぶっちゃけ日本では人気は出ず、数ある北欧のマイナー・メロディアスHMバンドの1つとして埋もれていった……

キーボードが活きる楽曲は、DEEP PURPLE、RAINBOW系の北欧HMっぽい疾走サウンドでなかなかよろしかったのに、もっとソッチ系にサウンドを纏めていれば少なくとも日本では人気が出たのでしょうが、結局世を覆うグランジーの波に飲まれたのか彼等の続報は伝わってこなくなってしまう。

因みにバンドの情報が途絶えた後、96年にギタリスト Stefan Morenは『Yippie Ya Ya』なるソロアルバムを自主制作でリリースしていて、Stefan Moren自身のポップな歌声(なかなか上手い!)といい分厚いコーラスといいビートロック系なサウンドといい、伸び伸びとハードにメロディアスにギターを弾きまくりなその屈託なく朗らかなハッピー・サウンドはどこかSWEETっぽくて個人的にはバンドのアルバムより彼のソロ作の方が楽しめましたね(w

Stefan Morenが05年に2ndソロ『The Last Call』を続いてリリースしている所を見るに、それまでKEEN HUEは何度か活動休止をしつつ存続していたらしいが、当時は実質活動していなかったか、もしくは既に解散していたのではないのだろうか?

なんでも今現在もKEEN HUE-Under Coverなる別名義バンドとして有名ヒット曲のカヴァーを地元クラブ等で披露するローカルな活動を継続している模様で、Stefan Morenと Kent Janssonが在籍しているとの事。

で、本作はそんなカヴァー曲ばかり演奏する状況に飽き飽きしたのか、Stefan Morenの発案で1stで歌っていた Lars-Ake "Platis" Nilzonと、オリジナルギターのもう1人である Ake Nystroem、そしてドラマーの Peter Erikssonが復帰し、ずっと在籍していたリーダーでギタリストの Stefan Morenとベーシスト Kent Janssonはそのままに5人組バンドとしてリユニオンし、2ndリリースまでにメンバーチェンジが何度も起こりながらも作曲を続けていたが2ndでバンドサウンドの路線が変更されて陽の目を見なかった81年から89年の間に書かれた古い楽曲を昔のメンバー達と新たに録音したのが本作だ。

『え? あのヘタクソな Lars-Ake "Platis" Nilzonを呼び戻すの!?』と、本作の企画を知った時驚きと不安を覚えたのですが、届けられた新作に耳を傾けると、あら驚き! 長い年月が経過してスキルが上がったのか、当時の録音状況が悪かったのか、ヴォーカルプロデュースが不味かったのか、本作での Lars-Ake "Platis" Nilzonの歌声は別人かと思うくらいちょっと苦汁声なものの断然上手く(w)なっており、マイナー調の疾走する楽曲でツインギターが華麗にメロディアスなソロを紡ぎつつ、ポップでキャッチーでありながらしっかり芯のある熱い歌声とコーラスという、1st路線が正統に進化した今となっては古式ゆかしい初期北欧スピードHMな荒々しくもメロディアスな楽曲が詰め込まれたアルバムにジャストフィットしたヴォーカルを披露している。

発掘テープの類いと違って現在のテクノロジーで録音されプロデュースされているので音は当然よろしいしのですが、それ以上に現在のモダンな感覚も取り入れられた楽曲アレンジだったり、ストリングスが追加されたり、マイナー調の北欧HM定番な哀愁漂うバラード曲を飾り立てるさり気ないキーボードサウンド等、ソロ活動やローカルながら地元で音楽活動を続けてきた Stefan Morenの手腕が活かされた旧曲新録アルバムだと言えよう。

しかし、今現在の耳で80年代初期北欧HMの上質なサウンドを耳にする事になるとは本当に予想外でした(w)、しかも地味に本作の楽曲は出来が良いんだなぁ~コレが(*´ω` *)

きっとコレも長い間 Stefan Morenがヒット曲のカヴァーを演奏してきたから自然とアレンジ力が上がったのが本作に活かされているんでしょうね。

当然、サウンドも楽曲プロダクションもA級でないけれど、勢いばかりで荒削りで未完成だった80年代初期北欧HMサウンドに当時足りなかった要素(ちゃっかり1st収録曲“Ogre king”が再録されている)が加味された“古くて新しいサウンド”を今回こうして耳にして感じるのは、もう今となっては聞く事の出来ないストレートでピュアな北欧HMサウンドがノスタルジックな趣を伴ってビンビンとハートを震わせる、って事(w

HEAVY LOAD、TORCH、OVERDRIVE、220 VOLT、UNIVERSEらと肩を並べて成功を目指して疾走していたKEEN HUEの80年代初期北欧HMは、きっと当時を知る古参リスナーは勿論、しらなくてもスピーディーでストレートなマイナー調北欧HMがお好みな方ならば、きっと気に入ってくれる一作だと思いますで、ご興味あるようでしたらチェックしてみても決して損にはならないでしょう。

そうそう、バンド名の意味は Stefan Morenによると「シャープな色調」という意味らしいが、イギリス人に言葉の意味を確かめたら怪訝な顔をされたという事なので、結局は彼等の造語というのが正解なようだ(w

本作の編成がこのまま続くのか、今回限りの企画の為だけなのかは判然としないが、出来る事ならこのまま本格的にこの編成でバンド活動を開始して欲しいものです。


# by malilion | 2019-12-06 19:47 | 音楽 | Trackback

スイスのシンフォ・バンドCLEPSYDRAが再結成して18年ぶりの新譜をリリース!

スイスのシンフォ・バンドCLEPSYDRAが再結成して18年ぶりの新譜をリリース!_c0072376_13490782.jpgCLEPSYDRA 「The Gap」'19

01年に4枚目のアルバム『Alone』をリリースし、程なくして惜しくも解散してしまったスイスのキーボード入り5人組シンフォ・バンドが18年ぶり(!)となる再結成第一弾5thアルバムをリリースしたのを、国内盤出るかとしばし待ったけど我慢し切れず(汗)輸入盤で遂に購入したのでご紹介。

14年にデビューから解散までの10年間の音源を全てリマスターして収録した限定BOXをリリースしていたので音源的には5年ぶりの素材となる訳だが、解散後も断続的に同窓会的なLIVEをしていたのが実ったのか、こうして新規音源をリリースしてくれたのをまずは祝いたい。

ただ、これだけのインターバルが空いた(すっかり皆オッサンに…)事もあって完全なるリユニオンとはならず、ギタリストが Marco Cerulliから Luigi Biaminoへチェンジしているのは仕方が無いだろう。

で、再結成作の内容はと言うと、解散したその時から全く時間が経過していないような、スイスのシンフォバンド、と聞いてイメージする通りの、妙な癖や灰汁の無いスッキリ冷ややかな叙情派メロディアス・シンフォのお手本のような、まんまCLEPSYDRAなネオ・プログレ風味ある正統派ユーロ・シンフォ・サウンドでした。

革新的な何かをサウンドで成している訳でもないし、目指している訳でもない再起動した彼等のサウンドは、ややもすると70年代の巨人達や80年代のネオ・プログレバンド達のエミュレート(元々、お手本が初期MARILLION)に聞こえるが、メランコリックなギターと雰囲気満点なシンセが繊細で叙情感溢れる美しく淡い水彩画を描くように紡ぐゆったり展開の多いシンフォ要素をベースに、元来彼等が持っているストレートでシンプルなユーロ・メロディアスロックなサウンドピースを随所で聞かせるスタイルに変化は無く、ギタリストの交代も大きな影響をその温和なサウンドに与えていないのは、前任者も得意としていた表情豊かで物憂げなギターの壊れ物のような爪弾きを聞くだけですぐ気付くだろう。

今となっては珍しいポンプ系バンドで良く聞けた、ちょっと線の細く甲高い Aluisio Magginiの歌声も相変わらずで、今の時代には独特な特徴となって聞こえるのが面白い効果だろうか?

冷ややかな叙情派サウンドの要である Philip Hubertの鍵盤捌きは相変わらず流麗で、小気味良いピアノのアレンジや涼やかなシンセワークを聞かせ、解散前より幾分か目立って聞こえるのは、新加入の Marco Cerulliのギターが幾分控え目(遠慮して?)だからかもしれない。

プログレ系としては至って普通というか堅実でソリッドに重きを置いたリズムセクションは、変にテクニカルな事をして悪目立ちせぬ屋台骨的プレイを解散前と変わらず繰り広げ(実際は必要に応じてパートパートでダイナミックでパワフルなHM的アグレッシヴ・プレイを繰り広げている)ており、その点ではHR的と言えるかも。

北欧シンフォのような邪悪さや寂寞感も無く、英国シンフォのような先進的な革新さやモダンな感触も薄く、米国シンフォのようなパワー押しやアグレッシヴさも聞こえず、スタープレイヤーの妙技で聴衆を惹きつけるでもない、テクニカルな畳みかけるインタープレイより夢見るような淡いパッセージが紡がれる、メンバー全員のバランス良い演奏と程良く構成された楽曲やアレンジ等の総合力で勝負する、淡い色づきの柔和な清涼感と冷ややかな哀愁を漂わす美しくドラマチックな彼等の叙情派シンフォ・サウンドはちょっと聴き今の若い聴衆にはインパクトが弱く聞こえるかもしれないが、じっくり聞き込む程にそのデリケートでロマンチックなファンタジック・サウンドの微妙な味わいと甘やかな香り漂う魅力に惹き込まれて行く事だろう。

バカテクだとかプログレ的革新性は皆無だけれど、停滞だとか進歩が無いという中傷を恐れずに、ただただ美しくロマンチックな叙情派シンフォ・サウンドを18年ぶりに変わらず届けてくれたCLEPSYDRAには大感謝なのです(*´ω` *)

叙情派ユーロ・シンフォ好きな方なら一聴する価値はありますので、もしご興味あるようでしたら是非チェックしてみて下さい。

自主制作盤ですので、お求めの方はお早めにね!


# by malilion | 2019-12-03 13:41 | 音楽 | Trackback

北欧スウェーデンの新世代ハイブリッドHRバンドDEGREEDが大興奮の5thをリリース!

北欧スウェーデンの新世代ハイブリッドHRバンドDEGREEDが大興奮の5thをリリース!_c0072376_14090683.jpgDEGREED 「Lost Generaton」'19

Robin(Vo&B)と Mats(Ds)のEriksson兄弟を中心とする北欧スウェーデン出身の4人組新世代ハイブリッドHRバンドが約二年ぶりに放つ5thアルバムをちょい遅れてGET!

前作に引き続き国内盤がリリースされ一安心だ。

さて本作の内容についてだが、大手レーベル移籍と新マネジメントのバックアップや、Ted PoleyとのコラボバンドMODERN ARTでのアルバム制作経験も間違いなくプラスに働いたのだろう、前作よりさらにサウンドが整理され、よりシャープでモダンになった印象を受け、全体的なサウンドの華やかさとキャッチーさ、そしてスレートな音が増して幾分かアメリカナイズされたように思えるが、しっかりと端々に北欧らしいウェットなメロディ使いやフック、そして細やかなアレンジと艶やかなヴォーカルメロディが実に味わい深く、ドライで作り物臭いUSA産バンド群のサウンドとはひと味もふた味も違うアグレッシヴで骨太なサウンドに満ちた傑作アルバムとなっている。

キャッチーでポップでありながら、ユーロテイスト漂うウェット感と北欧系特有のキラキラしたキーボードと透明感あるメロディ、メインリフでヘヴィに攻めつつサビでは突き抜ける爽快感とフック満点な分厚いコーラスというデビュー時からの方向性は変わる事なく、楽曲の完成度やアレンジの妙、そしてモダンなサウンド造りとバンドが持つ魅力をより一層に磨き上げ、さらにドラマティックさとダイナミックさ迸るサウンドスケールを逞しく成長させた前作を超える強力な高揚感と爽快感がメンツ一丸となって疾走する溌剌サウンドに満ち溢れており、以前にも増して大活躍な Micke Janssonが操る鍵盤が紡ぐ涼やかなデジタルパッセージや煌びやかなシンセサウンドに包まれる中、Robin Erikssonの噛みつかんばかりの激しい熱唱と Daniel Johanssonのコンパクト且つエモーショナルでテクニカルな絶妙のギタープレイが交差し、まるで魔法のような眩いトリックを生み出していて、もう大興奮!('(゚∀゚∩

しかし、北欧メロハー系と言うとハイトーンなシンガーや凄腕のギタリストばかり話題になりがちですが、殆どの楽曲を作曲しているのみならず目立たないけれど楽曲をしっかり引き立てるシンセや艶やかなピアノの繊細な調べ等のセンス抜群な鍵盤捌きを見せる、本バンドの Micke Janssonはもっと注目されてしかるべき逸材だと言えましょう。

正直、最近耳にした新譜で最も興奮したのが本作で、背筋をゾクゾクするような悦びが駆け上ってくるフレッシュな感触と燃え上がるパッションサウンドを、まさか彼等が届けてくれるとは思っておりませんでした。

さらに洗練されシンプル化が進んだ、と言うと従来のテクニカルパートを隠し味にキャッチーな北欧サウンドを奏でていた彼等のサウンドが好きだった方は不安になるかもしれませんが、よりスマートでモダンなアメリカナイズされたシンプルな楽曲構成故にメロディの美しさが引き立っており、多くの要素を高い次元で融合させた極上のメロディアス・ハードサウンドをコンパクトでモダンな手法と絶妙のアレンジで聴かせてくれるので、旧来の彼等のファンの方でも決してガッカリする事はないと断言出来ます。

さらなるメジャー展開を考慮してか、本作から Robin Erikssonが Robin Redに、Micke Janssonが Mikael Blancという芸名に変更したりと、さらにサウンドのモダン化を進めてアメリカ進出やワールドワイドな展開を目論んでいるのか、そうなると彼等を彼等たらしめている北欧風味、キーボードとギターのセンチメンタルなユニゾンパートなどの以前にも増してメロディアスでロマンチックなサウンドパートなんて如何にも北欧バンドって感じのリリカルな感触が実に心地よいのですが、そういった要素が減退してしまわないかこの先少々心配ですけど……

Ted PoleyとのコラボバンドMODERN ARTで少しは知名度がアップしたかもしれませんが、まだまだ無名に近いのが理解出来ぬ高品質な北欧メロハー・サウンドを届けてくれる彼等、HEAT、ECLIPSE、Work Of Art等の北欧メロハー好きな方からAOR好きな方まで是非お薦めですぜ!


# by malilion | 2019-12-02 14:02 | 音楽 | Trackback

北欧メロハーの雄 ECLIPSE、7作目にして遂に変化の兆し!?

北欧メロハーの雄 ECLIPSE、7作目にして遂に変化の兆し!?_c0072376_22313770.jpgECLIPSE 「Paradigm」'19

楽曲提供だけでなく様々なプロジェクトやコラボ等で引っ張りダコな北欧ワーカホリックマン Erik Martensson(Vo&G&Key)率いる北欧スウェーデン産メロハー・バンドの、17年リリースの前作『Monumentum』以来2年半ぶり7作目となる待望の新作がリリースされたのを少々遅れてGET!

前作はユーロHM的ウェットなメロディと叙情感、そしてアメリカンHM的キャッチーな爽快感と疾走感をMIXさせたハードエッジなスリリングさと躍動感あふれる従来通りの折衷メロハー路線を推し進めた充実作であったが、本作では少々サウンドのタッチに変化が見られるようだ。

同一路線のサウンドをこれまで磨き抜いて来た為のマンネリズムに対する変化を求めたのか、ユーロ圏のみならずアメリカでも積極的にLIVE活動を行うなど、北欧メロハー系バンドに多いLIVE活動は少なくスタジオでアルバムを量産するタイプでない彼等ならではのステージングからのフィードバックを活かしたからなのか、本作ではこれまでのような Magnus Henrikssonによる派手でハードエッジなギターサウンドが抑え目になり、Erik Martenssonのヴォーカルやコーラス等にかなり焦点が集められたある意味でヴォーカル主導なAOR&ポップス風の楽曲スタイルに変化しており、彼等の激しくも華やかなバンドメンツ一丸となっての疾走感あるインタープレイが気に入っていたファンにとっては少々物足りなく感じてしまうかもしれない問題作とも言えるだろう。

無論、相変わらずハードエッジなサウンドだし、キャッチーでフックあるコンパクトな楽曲は以前と変わりなく高品質な仕上がりだし、変わらずスリリングで劇的な楽曲展開も聞かれるのだが、幾分ミッドテンポの楽曲が多く収録されている為かアルバムを聞き通すと途中で少々ダレるように感じられるのが個人的には気になりましたかね……

まぁ、いつまでも勢い任せのルーキーバンドじゃないんだから、っていう好意的な見方も出来るかもしれませんけど…

代わりと言ってはなんだが、その分これまで以上に Erik Martenssonの上手い歌が堪能出来るし、幾多のプロジェクトで揉まれ幾人ものアーティスト達とコラボレートした経験が活きたのか、より深みを増したその歌声の表現力や声の使い方の幅はデビュー当時とは比べものにならぬくらい拡がりと安定感を増しており、スローテンポな楽曲でそのヴォーカルスキルの真骨頂を発揮している(*´ω` *)

ことここに至っては、以前聞かれたような露骨な白蛇フォロワー臭いギターサウンドや楽曲ピースは姿を消し、完全にオリジナルなバンドサウンドへ成長したのが分かり、これは Magnus Henrikssonの弾きまくりギターが主軸だったバンドサウンドのバランスを変化させた、前作より落ち着いた印象のマイルドサウンドな本作だからこそよりそう強く感じるのかもしれない。

昨今のバンドがこぞってダークでハードな硬質サウンドへ突き進んでいる中で、ヴォーカル中心なメロハー系バンドとしてはよりソフトな要素を取り入れた方向へ進む選択をしたのは、やはり Erik Martenssonの意識が既にそれらHMバンド達とは次元の違う、よりポピュラリティの高いモダンサウンドな方向へ進んでいるからなのでしょう。

個人的にはヴォーカルオリエンテッドなアルバムも大好物だし、ちょっとハード目なメロハー・ヴォーカルものなんかも大好きな自分的には本作の方向性は全く気にならないのですが、元気溌剌なハードドライヴィングするギターサウンド主導なメロハーサウンドを求めている向きにどう評価されるのか少々不安ではありますね… 随所で顔を出す Magnus Henrikssonのギターソロも悪く無いんだけど、やっぱりコンパクト過ぎて少々食い足りないんだよなぁ…

楽曲の質は変わらず高いし、メロディも未だに優れており実に煌びやかで派手なサウンドなので、キャッチーでメロディアスという要素を彼等に求めている従来のファンは安心して本作に手を出していいだろう。

逆にハードなギターサウンドやロックバンドらしいソロプレイの応酬や手に汗握る予想不能なインタープレイが飛び交う、そんなパートを求める向きには、コンパクトで小綺麗にコンポーズされ過ぎた彼等のサウンドは御気に召さない可能性が高いんでしょうかね?


とまれ、メロディアスな北欧ロック好きな方になら間違いなしにお薦め出来る一枚と言えるでしょう。

しかし…また日本先行発売なんだよな…また、Frontiers盤でボートラ大量追加でリリースで買い直し確定なの??(ノД`)



# by malilion | 2019-12-01 22:23 | 音楽 | Trackback

MARILLION旧曲リアレンジ企画盤ながら、室内管弦楽隊との共演作は絶品! な美麗シンフォニック作!

MARILLION旧曲リアレンジ企画盤ながら、室内管弦楽隊との共演作は絶品! な美麗シンフォニック作!_c0072376_18375329.jpgMARILLION 「With Friends From The Orchestra」'19

ネオ・プログレの旗手として80年代に英国で唸りを上げて誕生し、幾多の紆余曲折を経て昨今では枯山水の如き渋ぅ~い世界へ旅立ってしまった彼等の、旧作に追加音源をプラスした限定新装版やオフィシャル・ブートレッグLIVE等々の怒濤の大量音源リリースを経て前スタジオ作『F.E.A.R』'16 以来3年ぶりとなる、新企画スタジオ・アルバムをGET!

燃え上がるヴァイオリンが目を惹くジャケの本作は、Sreve Hogarth(Vocals)、Mark Kelly(Keyboards)、Ian Mosley(Drums & Percussion)、Steve Rothery(Guitars)、Pete Trewavas(Bass & Vocals)のいつものバンドメンツ5名に加え、ストリングス・クァルテット、フレンチ・ホルン、フルート、サックス奏者からなる7人編成の室内管弦楽隊との共演作となっており、89年の『Seasons End』から、12年の『Sounds That Can't Be Made』までの曲を取上げシンフォニックなリアレンジを施し、さらに美旋律に、さらに叙情的に、オリジナル以上に艶やかでドラマチックなサウンドを奏でており、最近のすっかり枯れた味わいに比重を置いた彼等のサウンドに一抹の寂しさを感じていた旧来のファンは歓喜する事間違いなしな一作だ。

バンドとオーケストラの共演作にありがちなお上品になり過ぎる事なく、ロック的なダイナミズムもキープしつつ、さらに美旋律に磨きをかけたそのサウンドは、彼等の楽曲が秘めていた新たな魅力と新アレンジの妙が実に素晴らしく、MARILLIONはベテランなれどまだまだ枯山水世界の住人で落ち着くのは早い、と再認識させてくれる。

ていうか、無理なのは分かってるけど、もっと分かりやすいド派手で俗っぽいシンフォ作をもう一回聞かせて頂戴ぃ~! と、切実に本作の優美で芳醇なサウンドを耳にして思ってしまいました(*´ω` *)

ある意味企画の内容を知ったファンが想像するだろうサウンドと方向性で、妙な小細工や奇をてらった策や意外性など微塵も無い、望む通り“まんま”な美しいサウンドを届けてくれたMARILLIONには感謝しかありませぬ。

下手なシンフォ・バンドの楽曲よりよっぽどシンフォニックで美しいんだよなぁ~、ホントに。やっぱMARILLIONはいいわぁ~♪

MARILLIONファンは無論、優美でメロディアスなクラシカルな調べがお好みな方はチェックしても決して損はしない一作ですので、是非に一度お試し下さい。

例によって例の如く自主制作盤なので、お求めはお早めにね!




# by malilion | 2019-11-30 18:30 | 音楽 | Trackback

YESトリビュート・バンドでマニアに知られたTIM MORSEがソロ第三弾をリリースしていたのを、今頃ご紹介。

YESトリビュート・バンドでマニアに知られたTIM MORSEがソロ第三弾をリリースしていたのを、今頃ご紹介。_c0072376_19000498.jpgTIM MORSE 「III」'18

元々はYESトリビュート・バンドPARALLELSで活動していたUSAのマルチ・ミュージシャンで、歴史的な飛行家リンドバーグの生涯をテーマしたコンセプト・アルバムだった前作『Faithscience』'12 以来となる3rdアルバムが実は去年ひっそりとリリースされてた模様で今頃に慌てて購入。

2ndソロ以降、フュージョン系のJerry Jennings BANDのメンバーになった事や Bret BinghamとのTHE MANGOESでの活動も関係してかなかなか新譜が届けられなかったが、こうして無事新譜がリリースされてなによりだ。

参加者の数は少なくなったが、ギターをはじめベースやドラム、マンドリンやヴァイオリンなど前作同様にゲスト奏者陣を多数招き、自らの多重録音プレイ(ギター、ベース、シンセにドラム、そしてヴォーカル)で緻密に造り込んだサウンドのアルバムという“1人プログレ・バンド”なスタイルに変化は無い。

前作はヴァイオリンにKANSASの David Ragsdaleを招くなどしていたが、残念ながら本作では別ヴァイオリン奏者が参加していて個人的にはちょっとそこは残念かなぁ…

本作のサウンドだが、適度にテクニカルなリズム展開を見せつつキャッチーなメロディとシンセで楽曲を彩るスタイルに変化はないものの、前作までのSPOCK'S BEARD風だったり Neal Morse風だったりの、如何にもアメリカンという抜けの良い爽快感ある90年代以降のUSシンフォ&プログレ・タッチなサウンドから、今まで意図的に抑えて来ただろうYES風のサウンド、特にキーボードプレイやサウンドで露骨にYESカラーを押し出したり、ムーディーなJAZZっぽいフレーバーや古き良きプログレ風味な鍵盤サウンドを聴かせている点が大きな違いだ。

また、特にヴィンテージ機材で録音する事にこだわったと言う本作は、ハモンドオルガン、フェンダーロードスのエレクトリックピアノ、ミニムーグ、メロトロンのサンプル等々をたっぷりフィーチャーしている上、ムーグトーラスベースペダルも活用しているので、その手の機材マニアの方には嬉しい一作となる事だろう。

元々バリバリにテクニカルなインタープレイを見せつけるようなプレイでグイグイ推していく派手なタイプでないのもあるが、流石にSPOCK'S BEARDや Neal Morseの二番煎じじみた方向性では明確なオリジナリティの確立難しいと見たのか、本作のYES風味を加味したサウンドへ軌道修正したのは個人的に“アリ”だと思いますね。

オリジナリティ確立目指してYESっぽくなっちゃイカンだろう、という突っ込みは重々承知なんですが、最近の耳当たりの良いモダン・シンフォ系で分厚いコーラスにキャッチーな歌メロ、そしてキレと抜けの良いサウンドってなると、どうしてもSPOCK'S BEARDにサウンドが近似しがちですから、敢えてSPOCK'S BEARDの源流でもあるYES風味までサウンドを原点回帰させた方が良い結果を生むと判断したのではないでしょうか? 勿論、勝手な推測でしかありませんけど。

まぁ、即興プレイを活かした殆どデモのテイクを利用したみたいな事を言ってるので、なんだかんだと小難しい考えなんぞ皆無な、ただ気持ちよくプレイしてたら地のYES好き要素が顔を出してこういう次第になった、ってだけかもしれませんが(w

ただ、前作でも感じたのですが、マッタリと穏やかでスッと耳に入ってくる心地よいメロディと優しいヴォーカルや重ねられたコーラスは実に聴き易いし、要所要所で耳を惹くメロディやプレイなんか聞けるものの、総じて既にビッグネームであるSPOCK'S BEARDや Neal Morse、そして他のモダン・USシンフォ・バンド達以上の個性や差異を感じられず、Tim Morseでなければ聞けない、というような強烈な個性やプレイは見当たらず、そういう視点から見ると些か魅力の薄い作風と言わざるおえないのが、高品質に造り込まれた優等生サウンドなだけに実に惜しい、悪くないアルバムです。

そこここにプログレチックなサウンド・ピースやプレイが散りばめられた心地よく和め、爽快感もあるTim Morseのサウンドを嫌う人は少ないでしょうから、ワンチャンどこかのビッグネーム・バンドへ誰かの後釜で転がり込むか、思い切ってプログレ的サウンドは捨ててもっとポピュラー・ミュージック寄りなサウンドへ接近でもするかしないと、きっと次も『出来の良い佳作止まり』な印象のアルバムを聞く事になるような気がしてなりません…

また本作はCDーR盤しか存在しないので、入手が面倒だと思われる方はDLで購入してもいいのではないでしょうか?

前作まではちゃんとデュプリ盤リリースしてくれたのになぁ…これも時流なんですかねぇ…orz





# by malilion | 2019-10-31 18:54 | 音楽 | Trackback

現GALAHADのギタリスト LEE ABRAHAMがポップな作風から一転、シリアスでダークなコンセプト作をリリース!

現GALAHADのギタリスト LEE ABRAHAMがポップな作風から一転、シリアスでダークなコンセプト作をリリース!_c0072376_07113760.jpgLEE ABRAHAM 「Comatose」'19

第二世代UKポンプとして未だ気を吐くGALAHADに05年から09年にかけてベーシストとして在籍し、脱退後ソロキャリアを再開し、近年再びGALAHADにギタリスト(!?)として再加入したポンプ系イギリス人マルチミュージシャンのソロ作7thがリリースされたのを幾分遅れてGET!

前々作で淡い色合いの如何にもデリケートなサウンドというポンプ系ソロアルバムをリリースし、次いで前作では一転して多数のヴォーカリストをゲストに迎えAOR寄りなポップ作をリリースと、これまでアルバム毎に様々な試みに挑んで来た Lee Abrahamだが、再び本作ではこれまで彼のアルバムで余り聴かれなかったダークでヘヴィなコンセプト・アルバムを制作と、自身が語るように『今までの作風と違った、別の何かを試し、成功させたかった』というプログレ・ミュージシャンらしい飽くなき挑戦心と冒険心を剥き出しにした意欲作だ。

さて本作の内容についてだが、タイトルが示すように自動車事故に遭い昏睡状態に陥った犠牲者が、医療スタッフが救命活動している最中に経験する記憶のフラッシュバックを綴っていく物語となっている。

また、挑戦作らしく近作でゲスト・ミュージシャンを大勢招いて制作されていたスタイルにも変化が見え、長年の音楽パートナーである Gerald Mulligan(CREDO:Drums)、Rob Arnold(Piano、Electric Piano)、そして前作でバッキングヴォーカルで参加しハートフルな歌声を聴かせていた Marc Atkinson(RIVERSEA、INE STONES CLOSE、MOON HALO、MANDALABAND:Vocal)が本作ではリードヴォーカルとして参加しているのみで、他には新しいゲストとしてTWELFTH NIGHTの7代目ヴォーカリストで現フロントマンな上に、サウンドエンジニア、プログラマー、アレンジャー、もこなす裏方作業メインでマルチパート・セッションミュージシャン Mark Spencerと、奥方の Diane Abrahamがバッキング・ヴォーカルで参加するだけの小編成で制作されており、『Black and White』'09 以来となる全てのギター、キーボード、ベースを Lee Abraham自身がプレイする久しぶりにソロ作らしいソロ・アルバムだ。

ダークでヘヴィなストーリーが紡がれて行くアルバムは終始硬質で鈍色のエッジ立ったギター・サウンドに彩られているものの、Lee Abrahamらしいポップなメロディの断片や、メロトロン系鍵盤サウンドや分厚い合唱コーラスも加えて織り成す物語には明るく朗らかな救いのようなフィーリングあるサウンドも垣間見え、サントラっぽいタッチやSE等が散りばめられたディープで複雑に感情が揺れ動くシリアスで緊張感ある物語に相応しいエモーショナルな Lee Abrahamのギターもタップリとフィーチャーされた、様々な音楽スタイルを取り込みながらも全体的にシンフォ&プログレッシブ・ロックなサウンドを保った今までにない Lee Abrahamの新たな一面が表現されたアルバムと言えるだろう。

Lee Abrahamのギタープレイは随所でセンチメンタルでメロゥなフレーズを奏でるものの、コンセプトに引っ張られたのかこれまでで一番攻撃的で自己主張が強く、どちらかというと本体バンドであるGALAHADで聴かれるようなプレイとサウンドに近いヘヴィなフィールも感じ、やはりGALAHADへ復帰した影響が本作に色濃く出ているようで、以前のポップでキャッチーなサウンドなアルバムでの控え目でそつない職人芸的プレイの対局的な作品と言えるかもしれない。

コンセプト作だからと変に助長にならず約47分と内容にしては短めな上に非常にコンパクトに纏められているので、意外な程にすんなり最後まで聞き通せるのは Lee Abrahamの抜群のコンポーズ能力故でしょう。

以前の淡いタッチのポンプ風味なサウンドや、ポップでキャッチーなアルバムのサウンドが好きだった方には、いきなりユーロ系の鈍色ヘヴィ・シンフォ作になったように思えてイマイチと感じるかもしれないが、Lee Abrahamが解き放たれたように伸び伸びと思うままにギターをプレイしているサウンドは意外な程に爽快感があるので、食わず嫌いせず一度チェックしてみて欲しいですね。

ヘヴィでダークなサウンドばかりな中で、軽やかで爽やかなアコギを紡ぐ Lee Abrahamのプレイは、変わらずデリケートな音色で実にポップなフィーリングを感じさせてくれるんですよね~♪(*´ω` *)




# by malilion | 2019-10-30 07:01 | 音楽 | Trackback

オランダのメロディアス・プログHMバンドBAGHEERAの唯一スタジオ作をご紹介。

オランダのメロディアス・プログHMバンドBAGHEERAの唯一スタジオ作をご紹介。_c0072376_00275480.jpgBAGHEERA 「Doors To Deliverance」'95

ラックを整理していたらヒョッコリこんなものが転がり出てきたので本日はコレに耳を傾けておりました。

ヒンズー語で『ヒョウ=バゲーラ』という意味の名のオランダのキーボード入り5人組B級インディ・プログHMバンド唯一のフルアルバム作で、本作の前にデモテープ一本、EP一枚、シングル一枚をリリースしており、結成時は冴えないC級ユーロHRを演奏していた彼等が短期間でプログHMへバンドサウンドを変化させたのは、世界中を席巻しメジャーシーンの一大勢力となる夢劇場の成功(82年)や、オランダがポンプムーブメントの“飛び地”であった事も少なからず関係しているように思います。

当初ベーシストが流動的でなかなか定まらず、88年のデモテープ『Who's Afraid of the Big Black Cat』から91年リリースのEP『Silence at Romney Marsh』までミドルレンジ主体のマイルドな声質のヴォーカリスト Kees van Keulenがフロトマンだったが、95年リリースのデビュー作にして唯一のフルアルバム『Doors To Deliverance』でフロントマンが Jan Hovingへ、またキーボーディストも創設メンツの Joost den Hertogから Roland Jensterへチェンジしている。

歌唱力に問題ありの Kees van Keulenから Jan Hovingへフロントマンをチェンジしたのは、複雑で技術的にもスキルを要するプログHMのヴォーカル・パートを担うに相応しい人物(イヤ、幾分かマシになった程度の改善か…)を迎え入れた結果だろうが、声質的に少々癖があり歌唱法もシアトリカルな Jan Hovingの歌声(個人的には許容範囲だが、もっとストレートな歌唱法のフロントマンの方が良かった?)がこのバンドの音楽的な方向性にアジャストされていたかは今となっては少々疑問が残りますね。

まぁ、EPの時点で Kees van Keulenがシアトリカルな歌唱法(下手クソなんだよなぁ…コレが…)へスタイルを変化させているのと、バンドサウンドもスピーディでミステリアスな雰囲気を漂わすIRON MAIDEN風メタル(ギタリスト Bob Hoezenがインギー・フォロワーなプレイを聴かせ始めてる)へ接近しているので、よりシアトリカルな歌唱が巧みな Jan Hovingを迎え入れたのは切っ掛けなだけであり、バンドサウンドが大幅にリリカルなユーロ・プログHMへ様変わりした最大の要因は、キーボーディストが Roland Jensterへチェンジした影響の様にも思えますけど…(汗

さて、本作のサウンドはと言うと、垢抜けない古臭いHRからスピーディなIRON MAIDEN風メタルへの変化を経てバンドメンツのプレイスキルも上がったのか、よりこなれたプレイで総じて纏め上げられた印象を受け、なかでも特に Roland Jensterの操るピアノの艶やかな音色と華やかで軽やかなシンセの素早いパッセージがバンドサウンドを煌びやかに飾り立てるパートが終始耳を惹き、実際バッキングやリードパートも多目な上に長めとキーボーディスト主導なバンドに思われそうだが、オーソドックスなプレイやバッキングながらしっかりギタリスト Bob Hoezenも仕事をこなしており、時折ピロピロとインギー風早弾きで鋭く切り込んだり、キーボードとユニゾンの早弾きプレイを披露したりして軟弱になりがちなキーボード主導なバンドサウンドを引き締める重要な役所を担っているのが分かる。

プログHMサウンドと言うには少々リズム隊が退屈なプレイを繰り広げているが、キーボードとギター、そしてヴォーカリストが時折素っ頓狂な叫びを張り上げ、メロディを担うパートが揃って派手で妙ちきりんで強引な展開やメロディを聴かせるB級プログHMあるある(汗)をしでかしているので、敢えて楽曲の崩壊を防ぐために無茶なテクニカル演奏やインタープレイの応酬は控え、ソリッドなプレイに徹しているのかもしれない。

このままキーボーディスト Roland Jensterの影響力が増大してプログHMからメロディアスな叙情派シンフォ・バンドへ路線変更するか、よりテクニカルなパートとハードエッジなアンサンブル重視サウンドへ接近してメジャー系のプログHMへ路線変更するのか、いずれにせよ彼等が順当に活動を続ければもう一つ上のレベルに上がった素晴らしい作品を聴かせてくれた事でしょうが、新加入した Roland Jensterの持ち込んだ音楽性と元いたメンバーの求める音楽性とのブレが原因だったのか残念ながらバンドメンツが分裂し、97年に彼等は解散してしまう。

名手 Roland Jensterはその後に渡米し、今もその華麗な鍵盤捌きをステージで披露している模様だが、他のメンツがその後音楽活動をしているかは定かではありません…

少々ヴォーカリストの歌唱に癖がありますが、メロディアスな楽曲とハイセンスなキーボードプレイはB級プログHM作と切り捨てるには惜しい光るモノを持っており、マイナーなインディ・プログHM作でも手を出しちゃうマニアックなファンな方にお薦めな隠れた良作であります。




# by malilion | 2019-10-29 00:21 | 音楽 | Trackback

変化の兆し? フロントマン不在のままハイクオリティなユーロピアン・シンフォ作をDRIFTING SUNがリリース!

変化の兆し? フロントマン不在のままハイクオリティなユーロピアン・シンフォ作をDRIFTING SUNがリリース!_c0072376_18213269.jpgDRIFTING SUN 「Planet Junkie」'19

フランス人キーボーディスト Pat Sanders率いる多国籍ユーロ・シンフォ・バンドの6thが2年ぶりに届けられたのを、ちょい遅れてGET!

再結成前は Pat Sanders率いるGENESISフォロワー丸出しの凡庸なポンプ・ソロプロジェクトな色合いが強かった彼等は、メンツが常に流動的でイマイチ活動もパッとしなかった訳だが、活動再開してからはメンツが固定されつつあり、それに比例してアルバムの出来も順調にレベルアップして素晴らしくなっていたのだが、前作でギタリストをチェンジしたのに続き本作ではフロントマンの Peter Falconerが脱退(!?)し、専任フロントマン不在の4人組バンド(他メンツは前作と同じ)としてゲスト・ヴォーカリストを複数迎えてアルバムは制作されているのが、ちょっとだけ先行き不安だ…(汗

まぁ、元々メンツが流動的だったんだからそうメンバーチェンジに驚きは無いのですが、やはり固定メンツでアンサンブルを高め、阿吽の呼吸でケミストリーを発動させてこそのバンド活動だと思うので、早く専任フロントマンを迎え入れて盤石の体制で創作活動を続けて欲しいものです。

さて、新作のサウンドの方ですが、前作から加入したPINK FLOYDやGENESISをルーツに持つシンフォ系マルチインストゥルメンツ・プレイヤー Franck Carducciのバンドでリード・ギタリストを務めている Mathieu Spaeterの影響が引き続き大きく働いている模様で、YESっぽいフィーリングの繊細でテクニカルなギターや、ハードドライヴィンするロックティストの強いリフ圧しなメタリックな楽曲だったりとさらに楽曲の幅が拡がり、メロゥでキャッチーさは前作以上なのに憂いを帯びたセンチメンタルなメロディとポンプ風味な派手目のキーボード・サウンドが交差し、如何にもユーロ・シンフォバンドというリリシズムあふれる美しいサウンドとドラマチックな楽曲展開が頭から最後まで貫かれていて、前作と同一路線のスリリングなシンフォ・サウンドにはフロントマン不在の影響は殆ど感じられない♪('(゚∀゚∩

注目のゲスト・ヴォーカリストは Marc Atkinson(RIVER SEA、MANDALANAD)、Colin Mold(ex:KARA、KARNATAKAのツアーメンバーでギター担当のマルチミュージシャン)、Joshua Corum(HEAD WITH WINGS)という3名の個性的な歌声のヴォーカリスト達を前半、中盤、後半へとメイン・ヴォーカルに配し、さらに彼等が曲作りにも参加する事で専任ヴォーカリスト不在で歌詞や歌メロの質が落ちる事を防いでいる工夫が、怪我の功名じゃないけど単調になりがちなB級インディ・シンフォバンドのヴォーカルパートと楽曲にバラエティ豊かな顔色を加え、作品の質を大幅に上げることに成功していると言えよう。

また、総勢4名のゲスト・プレイヤー陣を迎えて本作は制作されており、Ben Bell(GANDALF'S FIST、FUSION ORCHESTRA2)の操るハモンド・オルガンや、Eric Bouillette(THE ROOM、NINE SKIES)のストリングス・アレンジ、他にもサックスやクラリネット奏者を招いてサウンドに荘厳さとリリカルさを加味した、実に艶やかでエレガントな叙情香るその深みある楽曲はインディ・シンフォ作の枠を飛び越えて実に素晴らしく、遂に彼等もA級バンドの仲間入りを果たす手前まで来ているのが伝わってくる快作だ。

前作でメロゥで繊細さを強調した作風へ進んだ事から本作はさらにシンフォ度を増した優美さ増々な軟弱作風へ傾くものと危惧していたが、蓋を開けてみれば初期のHM風なメタリックさから繊細なピアノが優美に響くメランコリックなメロディが実にリリカルなユーロピアン・サウンドまで初期から前作までにバンドが奏でてきた幅広い要素をカバーする、パワフルでスリリング、それでいて重厚でスケール感の大きなシンフォニック・ロック作が飛び出してくるとは全く予想外で、嬉しい驚きをもたらしてくれました(*´ω` *)

こうなると次作で専任フロントマンを迎えてこのサウンドがどう変化するのか実に楽しみな要注目なバンドであります。

幾分かハードなエッジも加わった優美さが光るユーロピアン・シンフォ・サウンドがお好みの方ならチェックして損はない一枚です! 毎度お馴染み自主盤なので、お求めの方はお早めに!





# by malilion | 2019-10-28 18:11 | 音楽 | Trackback

ヴァイオリンをフィーチャーした南米シンフォ・バンドKAIZENの25年ぶりとなる2ndが豪華ゲストを迎えてリリース!

ヴァイオリンをフィーチャーした南米シンフォ・バンドKAIZENの25年ぶりとなる2ndが豪華ゲストを迎えてリリース!_c0072376_00015452.jpgKAIZEN 「Aqvila」'19

ヴァイオリニスト Kleber Vogel率いるブラジル産5人組シンフォ・バンドの25年ぶり(!!)となる2ndがリリースされたので即GET!

元々、同郷の室内楽風から交響曲風まで幅広いスタイルとヴァイオリンやピアノ等がクラシカルな格調高さを感じさせるエレガントなシンフォニック・ロックを聴かせた、女性キーボーディスト Elisa Wiermann嬢が率いるシンフォ・バンドQUATERNA REQUIEMのデビュー作『Velha Gravura』'90でのドラマチックで透明感あるヴァイオリン・プレイで注目された名手 Kleber Vogel(Violin、Mandolin、Gguitar)だが、デビュー作のツアー後にアッサリ脱退し、自身のバンドKAIZENを率いて『Gargula』'94 でデビューしたのがもう随分と昔の事なんですよね…

QUATERNA REQUIEMの前作から何と18年振りにリリースされた通産3(その前に別名義作が一作あるけど…)作目『O Arquiteto』'12で再び Kleber Vogelはバンドへ戻り、KAIZENは消滅したものと思っていましたが、どうやら既にQUATERNA REQUIEMから再び脱退(というか、QUATERNA REQUIEM自体が終了したっぽい? なんか色々と面倒だなぁ…)し、本作の制作を手がけていた模様です。

同郷シンフォ・バンドSAGRADO CORACAO DA TERRAをさらに優美にして上品なクラシカル要素を加えたかのようなドラマチックで繊細な叙情派サウンドのデビュー作のままに次作でも Kleber Vogelが参加して素晴らしい作品をリリースしてくれれば、もっとQUATERNA REQUIEMの知名度や売り上げも上がって精力的な活動が継続出来たんじゃないかと思ってしまうのがファンの悲しい性なんですが、元々QUATERNA REQUIEMはキーボーディスト Elisa Wiermann嬢とドラマー Claudio Dantesの兄妹が中心のバンドなので Kleber Vogel的には自身がイニシアチブを握れるバンド活動へ移行するのに抵抗は無かったんでしょうね…・(ノД`)

さて、その Kleber Vogel率いるKAIZENのデビュー作のサウンドはと言うと、QUATERNA REQUIEMを彷彿とさせるようなロマンチックなヴァイオリンを全編にフィーチャーした華やかで甘口なクラシカル・ロックなものの、キーボードのサンプルが古臭くチープなのとプレイもイマイチ華麗さを欠き(汗)、全体的にリズム隊も緩いプレイだったのも影響してか Kleber Vogelの流麗なヴァイオリン・プレイのレベルとバックのサウンドのレベルが少々マッチしていない、メロディにもキレが足りない散漫なイメージが終始する作品で『これならQUATERNA REQUIEM続けてくれてた方がまだ良かったのにぃ…』と、当時ガッカリしたのを覚えております('A`)

今は亡き南米インディ・レーベル PROGRESSIVE ROCK WORKLDWIDEからのリリースだったのもあって、インスト作にも関わらず音が悪かったのも印象を悪くしていたのかもしれません…

で、待望の新作である本作ですが、まず Kleber Vogel以外のメンツは総入れ替えされております。

まぁ、デビュー作のプレイヤーで特に印象に残っているプレイを聴かせたメンツは居なかったので、これは新譜の出来に悪影響を与えてませんね、てか寧ろ新メンバー各員の方が演奏技術が高く明らかに前作よりテクニカルなプレイで構成されたボトムとキーボードはインスト・シンフォ作に相応しいレベルになっていると言え、今回のメンバーチェンジは大正解と言えるでしょう。

そしてサウンドの方ですが、デビュー作と同じく全編に Kleber Vogelの優美でロマンチックなヴァイオリンをフィーチャーした、生のフルートやチェンバロ、チャーチ・オルガン等も加えた厳かな趣きのあるクラシカル・ロックや、新要素としてエキゾチックで妖しいメロディも聞こえたりする、5曲で構成された組曲も含む大幅にサウンドの質とスケール感が増した叙情感たっぷりでドラマチックな一大シンフォ・ロック作となっている('(゚∀゚∩

また、本作はゲストも豪華で、SAGRADOの Marcus Viana御大(Violin)をはじめ、O TERCOの Sergio Hinds(Guitar)、TEMPUS FUGITの Andre Mello(keyboard)等の総勢9名というブラジル・シンフォ界の新旧メンツがゲスト参加して作品のレベルアップに著しく貢献しており、特に Marcus Viana御大は Kleber Vogelと左右チャンネルに音を分けてツイン・ヴァイオリンで共演し、スリリングにして美麗な調べを聴かせてくれて、もう最高♪(*´ω` *)

有名ゲスト陣の職人芸的プレイに触発されるかのように各バンドメンバーも気合いの入ったテクニカルでキレあるプレイを披露しており、以前の甘口シンフォ・サウンドに緊張感と、プレイの圧し引きによる陰影がサウンドに深みを生んで、最早全く別バンドによる壮大でドラマチックなシンフォ・サウンド作と言っていいレベルに引き上げられているので、前作で彼等を見放したファンの方にも是非今一度チェックして欲しいし、南米特有の叙情的でドラマチックなクラシカル風味のシンフォ・ロックがお好きな方にも、是非一度チェックしてみて欲しい一枚であります。

リーダーの Kleber Vogelが、ブラジル交響楽団や、リオ・デ・ジャネイロのフィルハーモニー管弦楽団、リオ・デ・ジャネイロ連邦大学大学院大学院室内管弦楽団との仕事があってなかなかバンド活動に時間が取れないかもしれませんが、出来ることなら次作はこんなに長いインターバルを開けずに届けて欲しいものです。

お求めの方は、自主制作盤なのでお早めにね!


# by malilion | 2019-10-27 23:57 | 音楽 | Trackback

80年代サウンド最後の輝き…USAクリスチャン・ハードポップバンドFIGHTERのアルバムがデジタルリマスターで待望のリイシュー!

80年代サウンド最後の輝き…USAクリスチャン・ハードポップバンドFIGHTERのアルバムがデジタルリマスターで待望のリイシュー!_c0072376_17312646.jpgFIGHTER 「The Fighter Demos」'19

88年に結成され90年代初期にUSAアイオワ州をベースに極短い期間だけ活動したキーボード入り5人組クリスチャン・メロディアス・ハードポップ・バンドの1st、2nd待望のデジタル・リマスター再発に合わせ、デビュー前のデモ音源も今回初お目見えしたので即GET!

キャッチーでブライトなサウンドが特徴な80年代メインストリーム・サウンドが身上の本バンドですが、フロントマンである Amy Wolter嬢以外にドラマーを務める Sean Murphyもリードヴォーカル(AOR向きな良い声!)を半分程担っており、クリスチャン系バンド定番な分厚く爽やかなコーラスに加え、男女ツイン・ヴォーカルという武器も持つ、正にフック満載なハードポップサウンドを演るのにピッタリなバンド編成と言えましょう。

クリスチャン・バンドという事もあってか当時余り輸入盤が出回らなかった(今は亡きLong Island Recordsがディストリビユートしてたなぁ~)マイナーなバンドなれど、その筋では当時から有名なバンドで、正に今回は待望といった感の強いリイシューです♪ いやー! ホント、目出度いっ!('(゚∀゚∩

当時、日本盤がゼロコー辺りからリリースされても少しもおかしくない、煌びやかなキーボードがフィーチャーされ、エッジあるハード目なギターサウンドがピリリとキャッチーでコンパクトな楽曲を引き締める、ハイレベルな完成度の爽快USAサウンドなれど、クリスチャン・ロックというカテゴリーとインディ・レーベルからのリリース、そして折しも全米を覆ったグランジーの波に呑まれた為か敢えなく2ndリリース後間もなくして解散してしまった彼等、今回リイシューされたデビュー作『The Waiting』'91と続く『Bang The Drum』'92 のたった二枚しか音源を残していないのが非常に非常に残念です…・゚・(ノД`)

さて、本デモ音源集ですが、基本的に後にデビューアルバムに収録される楽曲が納められており、デビュー作制作過程で数曲がカットされたその音源も含んでいる(デモに未収録で1st録音課程で追加された曲は含まず)点と、アレンジの違いやコーラスが無い等の完成前の彼等の“素のサウンド”を知る事が出来る、といった資料的な価値以上があるとは余り思えない作品(音はお世辞にも良いとは言えない、まぁデモテープの音だし)なのは間違いありません、が、だからこそファンにとっては堪らないマニアックな音源とも言えますね(*´ω` *)

今回のリイシューにあたって1st、2nd共にボーナストラックとして未発音源をプラスしてリリースしてくれたのは、オリジナル盤を持っているファンにとっても大変嬉しいサプライズであります。

あと、細かい違いで言うと1stのジャケのカラーの濃淡が濃い目で陰影がキツ目になっているのと、バンドロゴが今回のデモと同じ手書き文字風になっている変更(2ndのデザインは同じ)がありますね。

またデジタルリマスターの効果でかボトムの音が少しアップした輪郭のハッキリした音になっておりますが、元からオリジナルアルバムの音がそこまで悪くはなかったのでリマスター効果絶大、とまでは言えないマイルドな仕上がりかと個人的には思いますね。

それにしても今聞き直してもホントにいいサウンドを聴かせてくれるバンドだったなぁ~、と嬉しくなってしまいますね。
2ndの方がサウンドのハードさがアップし、ピロピロとテクニカルなギターパートや Sean Murphyのヴォーカルパートも比重が増えて、よりパワフルでマッシブになった熱唱とキャッチー・サウンドがクローズアップされた作風で、ホントにこれが最後のアルバムとは思えない素晴らしい出来なのがまた…・(ノД`)

また、フィメール・ヴォーカルながら太くパワフルな下から上まで綺麗に伸びる可憐な歌声を披露した Amy Wolter嬢がFIGHTER解散後、94年に『Hit me in the Heart』なるソロアルバムをリリースした他、バンドの他メンツが表立って活動をしたという情報は伝わっていないのが悲しい限りですが、きっと地元のローカルシーンでは未だに音楽活動を続けているものと信じております…

80年代後期のキャッチーでブライトなUSAメインストリーム・ロックサウンドがお好みの方なら是非GETしていただきたいバンドのアルバムですので、もし未聴な方がおられましたらサンプル音源等ネットに上がっているので、一度チェックしてみて下さい。

今回のリイシューは限定盤との事なので、お求めの方はお早めに!

このリイシューに合わせてオリジナルメンバーで再結成! ってなニュースが飛び込んで(年齢的に無理かなぁ)こないかなぁ~、とか尽きぬ妄想が膨らむばかりです…ホント、80年代から90年代初頭にかけては素晴らしい時代だったなぁ…





# by malilion | 2019-10-23 17:23 | 音楽 | Trackback

ポップでキャッチーな北欧プログHMバンド A.C.Tの久しぶりの新譜をご紹介。

ポップでキャッチーな北欧プログHMバンド A.C.Tの久しぶりの新譜をご紹介。_c0072376_07204910.jpgA.C.T 「Rebirth」'19

北欧スウェーデン産プログHMバンドの、前作『Circus Pandemonium』'14 から5年ぶりとなる新譜EPがリリースされたのを、少々遅れてご紹介。

これまで5枚のアルバムをリリースしている彼等だが、なんでもアルバムリリースの間隔が長く空きすぎるので、これから1年に1枚EPをリリースする予定なのだとか。
だからか、本編最後の楽曲の終わり方が、如何にも次の曲へ繋がる風で突如途切れる終わり方なんでしょうね。

とは言え、手早く音源を纏められる音楽形態とそうでない音楽があるので、かなり創り込む系な彼等のサウンドがそんなに予定通りサクサクと完成させてリリース出来るとも思えないんだけどなぁ…(汗

デビュー当時は、大雑把に言ってDREAM THEATER+SAGA+QUEEN×UKプログレなサウンドだった彼等だが、本作に至っては夢劇場からの影響から完全に脱却し、オペラチックなヴォーカルアレンジにQUEENっぽさを感じさせるのみとなった、今や完全にオリジナルなテクニカル&シンフォなポップ・サウンドをクリエイトしていると言っていいだろう。

本作もプログレをベースにしているものの相変わらずポップで親しみ易いメロディアスな作風で貫かれており、非常にカラフルで艶やかなサウンドと爽快感抜群なコーラスワーク、そしてキャッチーな甘口ヴォーカルと総じて如何にも北欧産なポップ要素をしっかり感じさせつつ、一筋縄でいかぬ展開が織り込まれた複雑で緻密なアレンジと、それでいて少しも難解な所の無いフック満載な楽曲は最後の一音まで創り込まれた高品質作で、余りにカッチリ創られ過ぎているので生っぽいロックさが乏しく感じてしまう点と、EPなのでアッと言う間(22分!?)にアルバムが終わってしまう点以外は文句の付けようがない程だ。

彼等の複雑で豊かなサウンドを知る方ならご承知でしょうが、一応このバンドのサウンドのカテゴライズとしてはプログHMと言う事になるものの、既にバッキングや短いインタープレイ等で幾分かHM要素を感じさせる程度の、ギリギリでプログHMの範疇に収まっているといったボーダーレス・サウンドは既に殆どプログHMからはみ出している音楽性な訳ですが、前作のコンセプト作故の難解さの反動か本作はよりポップなフィーリングに寄った楽曲が納められており、その為にかちょっと軽目なヴォーカルと分厚いコーラスがオランダのメロハー・バンドTERRA NOVAっぽく聞こえたり、デジタリーな加工が施されたモダン・アレンジなサウンド等の実験も相変わらず行われており、万華鏡のようにクルクルと様変わりするその複雑にして美麗なサウンドには新鮮な驚きを覚え、さすがは70年代プログレをリスペクトするA.C.Tの頭脳 Jerry Sahlin(Key、Vo)の面目躍如と言った所だろう。

まぁ、ヘヴィ要素が今回は特に薄目なコンパクトにまとめられた軽いポップサウンドのEPなので、HM的なスリリングなエッジあるサウンドを求める方や、プログレ的な熱いインタープレイの応酬なんかを求める方には少々厳しい内容なのは否めませんけど…

とまれ、メロディアスでキャッチーなプログHM好きな方だけでなく、所謂普通にキャッチーなテクニカル・ユーロHM好きな方にも是非お薦めしたい一枚であります。

果たして来年、EPが届けられるか定かではありませんが、素晴らしい楽曲が詰まった新作がリリースされるのを首を長くして待ちましょうかね(*´ω` *)







# by malilion | 2019-10-16 07:14 | 音楽 | Trackback

カナダ人メロハー・シンガー Rob Morattiのソロ第三弾『Renaissance』を今頃ご紹介。

カナダ人メロハー・シンガー Rob Morattiのソロ第三弾『Renaissance』を今頃ご紹介。_c0072376_20211121.jpgROB MORATTI 「Renaissance」'19

様々なメロハー・プロジェクトへのゲスト参加やMORATTI、FINAL FRONTIER、SAGA、RAGE OF ANGELS等と参加するバンドを変えアルバム毎にハイトーンが冴える歌声のパワーと艶を増し、メロディアス・ロックシーンでその存在感を増してきたカナダ人シンガー Rob Morattiの、前作『Transcendent』から3年振りとなる待望のソロ三作目がリリースされたのを、かなーり遅れてGET!

前作が『超越』という大仰なタイトルのアルバムであったが、そのタイトルに偽りない高い完成度と優れた楽曲が詰め込まれた一枚であったのにメロディアス・ロックファンは異議を唱えないだろうが、続く本作タイトルが『ルネサンス(再生、復活の意)』とあって一体どんな変化が Rob Morattiの音楽に訪れたのかと少々心配したが、結局の所は音楽的に大きな変化は無く、過去2作のソロ作が気に入ったファンの期待を裏切る事無いだけでなく、幅広くメロディアス・ロック・ファンにアピール出来る安定安心な良作アルバムだ。

全ての楽曲に共通して、フックある美しいメロディーと爽快に突き抜けるコーラス、AOR風味が増し惰弱になりそうな楽曲をピリリと引き締めるツボを心得たエッジあるギタープレイと目立たぬバッキングで華麗に楽曲を飾り立てるキーボードのソツない伴奏、そしてそれらバックのサウンドを足がかりに縦横無尽にその美声を轟かせる Rob Morattiのヴォーカル・パフォーマンスが非常に優れているのは明らかであり、全体的にAOR風味の増したアルバムの楽曲の隅々にまで Rob Morattiの魅力が満載された一枚と言えよう。

アルバム制作陣は前作と同じで、ボスの Rob Moratti(Lead & Backing Vocals、Producer)をはじめ、Torben Enevoldsen(Lead & Rhythm Guitar、Keyboards:SECTION A、etc...)、Fredrik Bergh(Keyboards:STREET TALK、BLOODBOUND、etc..)、Tony Franklin(Bass:THE FIRM、BLUE MURDER、WHITESNAKE、Kate Bush、etc...)、Stu Reid(Drums:MORATTI)の五名となっており、特別なゲストなどは招かれておらず、プロデュースのみならずミックスやマスタリングまで Rob Morattiが手がけており、細部にまで自身の追求したいサウンドを創作するのに心血を注ぐ職人的な強いこだわり(の割に、楽曲フェードアウト部分がちょっとぞんざいじゃない?)が見て取れる。

ただ、何もかも手放しで褒め称えられるかと言うとそうでもなく、トリビュート・アルバムを創ってしまうくらいJOURNEY(と言うか、Steve Perryか)に影響を受けている Rob Morattiなので、彼の創作する音楽に80年代JOURNEYっぽさが漂うのは別段驚くに値しないのだが、前作は『タイトルに偽りなし!』な一作であったものの本作の楽曲の出来や音楽性の幅やバリエーションについては、この手のAOR風味なメロディアス・アルバムとしては少々典型的、類型的で、バックのメンツのプレイは総じて高いレベルで結実し文句の付けようがない高品質なのだけれど、如何せんこの手のジャンルに付きものな“独創性の欠如”や“未知のサウンドとの出会いや新鮮な驚きの欠如”という最大の弱点を覆い隠すには至らず、『アルバムタイトルに偽りあり』という印象が残ったのは少々残念でした…

とは言え、メロディアスでキャッチーな非常に強力な楽曲が最後まで途切れる事無く続くこのアルバムは多くの点で傑出しているのは疑いようもなく、その素晴らしい収録曲の多くにシングルヒットの可能性があり、AOR&メロハー・シーンだけでなくポピュラー・ミュージックシーンでも高い評価が得られるだろうハイクオリティーなサウンドであるのは間違いなく、JOURNEY、FOREIGNER、NIGHT RANGER、SURVIVOR、TOTO等のキャッチーなブライトサウンドが売りの80年代アリーナ・ロック系バンド好きな方ならば間違いなくチェックして損はない一枚と言えるだろう。

まぁ、Rob Moratti的には、煌びやかなアリーナ・ロックの本場であるはずのアメリカで、ラップやガレージロックに隅に追いやられて殆どその姿を消したロックバンド達に代わって、往年のサウンドを再生してる、決して焼き直しなんかじゃない、という意味くらいでアルバムタイトルを付けただけなのかもしれませんけど…(汗

文句の付けようのない高品質な楽曲だけれど、個人的にはもうちょい叙情的でウェットなメロディや陰影深いサウンドの“押し引き”な演出等が聴けると、本当に至極の一枚ってレベルになったように思うが、まぁ Rob Morattiの音楽的なバックボーンはUSAアリーナ・ロック的な部分が大きいのが丸分かりだし、見当違いなアーティストにユーロテイストを期待しちゃうのがそもそも間違っているのでしょう。

そうそう、やはり海外でも突き抜ける高音域を自信満々に歌う Rob Morattiの歌唱力はリスナーの多くを驚愕させるようで、Peter Cetera(ex:CHICAGO)や Jon Anderson(ex:YES)等のハイトーン・ヴォーカリストのビッグネームとも比較されるくらい知名度を上げて来た模様だが、反面あんまりにも高過ぎる天へ突き抜けるその歌声が“Mr.Autotune”と揶揄もされているようだ(笑




# by malilion | 2019-09-30 20:14 | 音楽 | Trackback

ライオンは消えたまま…北欧スウェーデンのクリスチャンHMバンドNARNIAが約3年ぶりに8thアルバムをリリース!

ライオンは消えたまま…北欧スウェーデンのクリスチャンHMバンドNARNIAが約3年ぶりに8thアルバムをリリース!_c0072376_22525435.jpgNARNIA 「From Darkness To Light」'19

北欧スウェーデン産クリスチャンHMバンドが約3年ぶりとなる8thと最新LIVE盤『We Still Believe Made in Brazil』を収録した日本独自仕様となる2枚組アルバムをリリースしたのを、ちょい遅れてGET!

デビュー当時はインギー張りの早弾きギターとキーボードのインタープレイが飛び交うド派手な様式美サウンドを奏でていたが、アルバムを重ねる毎によりテクニカルに、さらにヘヴィに、もっとモダンに、と音楽性の幅を半ば強引に拡げ、解散前には看板ヴォーカリストにして盟友の Christian Liljegrenと決別し、バンドコンセプトさえかなぐり捨ててヘヴィネスなダークサウンドにまで貪欲に手を広げた彼等だが、暫しの後の再始動作となる前作で一気に熟練度が増した、派手さの無い骨太なメロディアス・モダンHMサウンドを提示して初期からのファンを驚かせた訳だが、続く本作でも前作の流れを汲んだモダン・メロディアスHMサウンドを提示している。

また以前からイマイチ安定しないベーシストのポジションだが再び変動があった模様で、一度脱退し前作で復帰した Andreas Olssonが二度目の脱退をし、新ベーシストに Jonatan Samuelssonを迎えた以外は、リーダーの CJ Grimmark(Guitars、Backing Vocals)にデビュー作から相棒の Christian Liljegren(Vocals)に加え、2nd『Long Live The King』'98以来参加し現在はROYAL HUNTでも叩いているドラマー Andreas Johanssonの中心メンツに変動はなく本作は制作されているので、ファンの方には一安心といった所だろう(*´ω` *)

まぁ、MODEST ATTRACTION、DIVINE FIRE、GUILDER RESURRECTION等でも活躍する人気フロントマン Christian Liljegren脱退以上のメンバーチェンジの衝撃はもう誰が抜けようと無いでしょうから、ファンはそんなに驚かないか(w

前作の流れを汲んだ作風ではあるものの、初期テイストも残しつつ今風な鈍色北欧HMサウンドも取り込んだ、メランコリックでダークな雰囲気を漂わす、バランス重視のコンパクトな楽曲と、渋く隙無いツボを心得た手堅いプレイとメッセージ性の強い歌詞世界を繰り広げる王道ユーロピアンHM的なモダン・クリスチャンHMサウンドまんまと言う訳でもなく、以前挑んで巧く表現出来ず導入を断念したプログHM要素が再び本作には感じられ、明らかに複雑な楽曲構成でキーボードをプログHM的にフィーチャーしたDREAM THEATERやSPOCK'S BEARD等の影響が透け見える楽曲や、IRON MAIDENっぽさを臭わす楽曲もあり、それだけでなくグルーヴとテクノ風味をMIXした独特の雰囲気を持つパワー・メタルサウンドや、グルーヴィでありつつブルーズフィールあるサウンドなど、新たな試みにも果敢に挑んで叙情感ある北欧クリスチャンHMサウンドをさらに進化させようとしているのが分かる。

ライナーで Christian Liljegren自身が語っているように様々なアーティストの要素を取り込み、影響を受けつつして音楽性の幅を拡げる行動自体はアーティストなんだし当然だし、健全な行為なんだろうけど、以前の事があるのでちょっと心配になってしまいますね…(汗

LIVEアルバムの方は、信心深いお国柄と言う事もあってか熱狂的にバンドを迎え入れているのが伝わってくる一作で、バンドもそんな聴衆の熱気に導かれるように渾身のプレイを繰り広げており、聴衆との熱いやり取りや、大合唱に煽られるように熱が籠もっていく各メンバーのプレイといい、大層な盛り上がり(手拍子にオーレ~オレオレー♪って、サッカー会場かw)でこれだけ盛り上がってくれたらそりゃLIVE録音しちゃうよね、ってなアーティスト冥利に尽きる国なのは間違いないだろう。

しっかりしたバランスで録音されたLIVE作で曲間の編集もされており生々しさには少々欠けるかもしれないが、 CJ Grimmarkもアルバム以上に派手でエッジあるギタープレイを繰り広げており、Christian Liljegrenの安定した抜群の歌唱といい、力強くバンドサウンドを支える Andreas Johanssonのソリッドなドラムプレイといい、聴いていて実に爽快で、お手軽BEST的な聴き方も出来る一枚だ。

尚、日本盤にはボーナストラックを1曲追加収録予定とあったが、残念ながらボートラは追加されておらず Σ(゚д゚lll)ガーン 同梱のボーナスLIVEアルバムだけで我慢するしかないようだ。
まぁ、別売りされていたLIVEアルバム丸々一枚同梱してくれたんだし、そこは我慢しましょう(値段に文句は言いたいけど!)
でも輸入盤で既にLIVEアルバムを入手していた忠実なファン的には、8thもLIVEも輸入盤のままでOKって事になって買い直ししなくて済むと前向きに考えられるのかな?
価格的に手が出せない、って方はお安く輸入盤で済ませましょう。

妙な売れ線への色気を微塵も見せず、ヘヴィネス、パワー、そしてプログHM要素を巧みにMIXし、クリスチャンHM定番の分厚くパワフルで荘厳なコーラスをバッチリとフィーチャーしつつ真摯なメッセージを切々と歌い上げる、今時こんなに奇をてらわぬドストレートで勇壮な味わい深い王道ユーロピアンHMサウンドを聞かせる良いバンドもなかなか居ないので、クリスチャンHMと言うだけでも色眼鏡で見られるだろう彼等が無事活動を続けられる事を祈って、次作が一日も早く届けられるのを待ちましょう。



# by malilion | 2019-09-29 22:44 | 音楽 | Trackback

新旧DANGER DANGERメンバー3人が結成したサイドプロジェクト・バンドTHE DEFIANTSが新作をリリース!

新旧DANGER DANGERメンバー3人が結成したサイドプロジェクト・バンドTHE DEFIANTSが新作をリリース!_c0072376_17554436.jpgTHE DEFIANTS 「Zokusho」'19

DANGER DANGERの2代目ヴォーカリストにして“カナダのBON JOVI”なんて意地悪く囁かれる事もある Paul Laine(Vo&G)と、同じく2代目ギタリストとして現在もDDに在籍する Rob Marcello(G)、DDのオリジナルメンツにしてメイン・ソングライターのBruno Ravel(B)の、新旧DANGER DANGERメンバー3人が中心となり結成されたサイドプロジェクト・バンドの3年ぶりとなる日本先行リリースな2ndアルバムをちょい遅れてGET!

サウンドの方向性は全く変わりなく、DANGER DANGER要素と Paul Laineが持ち込んでいるだろうBON JOVI要素、そしてほんのりユーロテイストがまぶされた、デビュー作よりさらにビッグなコーラス、増々にキャッチーなフック、より華麗に弾きまくるギターと強力なヴォーカルが描き出すブライトなメロディにさらに磨きがかかった、日本人好みな適度にエッジの利いた爽快感抜群の安心安定なメロハー作だ('(゚∀゚∩

本作では前作より幾分か80年代要素は薄まって90年代初期DANGER DANGER要素なモダンさをサウンドに感じさせる箇所もあるが、抑えきれぬBON JOVI要素(笑)が上手い具合にミックスされた独特な明朗パワー・ポップサウンドへ巧みに仕上げられているのは、これまで各自が高評価を得ているソング・ライティングのテクニックを活かし良質のメロディック・チューンを書き上げてきたキャリアが伊達でない証明と言えるだろう。

一聴した時、アルバム前半の楽曲が出来は良いもののちょっと大人しめなサウンドに思えて『掴み弱くね?』と、戸惑わされるものの、聞き込むうちに新人バンドのようなハチャメチャな勢いやキレは無いけれど、プロフェッショナルな楽曲構成やアレンジ、プロダクションがしっかり効いた、耳に残る朗らか爽快メロディアスなパワー・ポップらしい楽曲から、哀愁香るブルージーな楽曲、AOR風味なヴォーカル推しな楽曲、ちょっとヘヴィでダーク目な楽曲、各楽器陣が巧みなプレイヤースキルを見せつける楽曲等々と、実に魅力的な楽曲が多種多様にズラリと並び、デビュー作よりさらにバラエティさを増し、尚且つ上の完成度を目指したバランス重視なアルバムだと分かる。

なお、本作の制作にはDANGER DANGERのドラマー Steve Westが参加しており、それによってよりDANGER DANGER風味が強まった一枚と言えるかもしれない。

このバンドにリスナーが求めるモノは斬新さや新人バンドのような勢いではないでしょうから、より完成度を増す方向性でモダン・パワー・ポップな楽曲の質を高めた本作をリリースしてくれたのは、まさにファンが求める通りな一枚と言えるだろう(*´ω` *)

なんか本家DANGER DANGERの活動が停滞気味っぽいから、どうせならこのままパーマネントなメンツを加えてバンドとして本格的に活動してもっと素晴らしい作品を届けて欲しいですねぇ~♪




# by malilion | 2019-09-28 17:50 | 音楽 | Trackback

インドのシンフォ・バンド COMA ROSSIがデビュー作をリリース!

インドのシンフォ・バンド COMA ROSSIがデビュー作をリリース!_c0072376_09063032.jpgCOMA ROSSI 「Same」'18

プログレ未開の地と思っていたインド(!!)から、去年末にデジタル先行で配信を開始していた本格シンフォ・バンドのデビュー作が遂にプレスCDで入手可能になったのでご紹介。

Tom Borah(Vocals、Acoustic Guitar)、Gaurav Govilkar(Guitars)、Udayan Kashalikar(Bass、Vocals)、Juby Thomas(Keyboards、Samples & Pre-production)の4名からなるバンド編成に、セッショドラマーを2名招いてデビュー作は制作されている。

アルバム製作時の正式メンバーは4名だったがサイト等で5名のメンバーフォトが表示されており、アルバムリリース後に新ドラマー Anupam Pandaが正式メンバーへ迎え入れられた模様。

まず、ジャケがいいよね!('(゚∀゚∩

物悲しくもミステリアスな物語を連想させる幻想的でとても美しいデザインで、シンフォ系にピッタリなセンスあるジャケだ(*´ω` *)

で、注目のサウンドはと言うと、シンフォとフュージョンをミックスしてサイケ風味をまぶしたイメージのモダン・サウンドで、ロングトーンのギターやダークなトーンが主体なヴォーカルメロディや楽曲の方向性等からPINK FLOYDっぽさがそのサウンドから嗅ぎ取れるが、無論モロなフォロワーと言う訳ではなく一要素としてバンドサウンドに溶け込んでいて、コレという似たシンフォ系のバンドサウンドがちょっと思い浮かばない独特なサウンドを奏でている期待のニューカマーと言えるだろう。

エッジあるギタ-・リフやハードなディストーションサウンドを聞くに、間違いなく夢劇場等のプログレHM的な影響も Gaurav Govilkarが受けている模様で、歪んだHM的なギター・サウンドとソリッドなリズムが叩き出すグルーヴを覆い隠すようなキーボード主導によるミステリアスでムーディーなパッセージや不安感を煽るピアノ等に、憂鬱なイメージを醸し出す引きずるようなギターの残響音や無機質なループ音等のSEに加えサイケ風味が合わさって、単なるPINK FLOYDフォロワーでない、シンフォサウンドとフュージョン、さらに環境音楽的な要素まで混合させた独特な叙情感を伴ったサウンドを生み出している。

ドラムクレジットのない楽曲もあるが、この単調なリズムループは打ち込みを使用して意図的に無機質な感触を演出しているのだろう。

少し東欧シンフォっぽいアンビエントでミステリアスなムード漂うシンセとロングトーンのギターの音色がダークで霧深いサウンドを紡いでいくパートが聞けるが、東欧バンドのような凍てつくような寂寞感やシャープな感触は無く、少しサイケっぽいタッチも感じる深いエコーがかかったその柔和でディープなサウンドは、もっと壮大で濃厚な乳白色の濃霧が無限大に拡がっていくようなイメージを思い起こさせると言えば伝わりますでしょうか?

サウンドの感触的にアジア要素はほぼ無く、寧ろユーロ圏のシンフォサウンドに近いように思えますが、他のインドバンドやインド・シンフォバンドの音を知らないので、何とも言えないのが…(汗

また、英詞を歌うヴォーカルもミドルレンジ主体で朗々と歌い上げるパートが多いものの、時折HR風な熱くワイルドな歌唱も聞かせ、これだけ上手いヴォーカルなのにインストパートが多目な楽曲形態の為にその素晴らしい歌声(時々、声質のせいかARENAっぽく聞こえるんだよな~)を披露するパートが楽曲の長さに対して少ないのが実に勿体なく思える程だ。

サウンドは現代社会のカオス、機械世界、そして生命に関わる人間の存在を描写し、歌詞は、喪失感、悲しみ、及び人間関係に対する時間の影響を語っていて、ちょっと取っつき難い所謂一般受けするように思えぬ方向性なものの、歌詞は最終的に非常に希望が持てる結びになっているのが救いと言えば救いでしょうか…それでもちょっと一般受けはしにくい暗いイメージのサウンドと歌詞ですよね…(汗

欲を言えば、もっと分かりやすくインドらしいメロディやフレーズなんかが聞けると”インドのシンフォバンド”というワードに興味を惹かれたリスナーを簡単に満足させられると思うのですが、あえてそういった手法をとらぬサウンドを演っている所を見るに、英詞のヴォーカルといい彼等がインターナショナルでメジャーな活動を目指しているのが窺えるような気がします。

果たしてインドにプログレ&シンフォ・シーンが存在しているのか定かではありませんが、出来る事なら次なる作品を早く届けてもらいたいものです。




# by malilion | 2019-09-25 08:59 | 音楽 | Trackback

メロハー系ハイトーン・ヴォーカリスト Tony Millsが死去…


メロハー系のプロジェクトやソロ、そして英HMバンドSHYや、ノルウェーのHMバンドTNTでの活躍で知られるヴォーカリストの Tony Millsが9月18日に死去した模様…


彼の妻リンダの声明によると、Tony Millsは今年4月に末期の膵臓癌と診断されていたらしい…享年57歳。

折しもSHYの初期アルバムが今年デジタルリマスターでリイシューされたばかりだと言うのに…

もう彼の真っ直ぐに突き抜けるハイトーン・ヴォーカルを聞く事は出来ない…R.I.P.



# by malilion | 2019-09-19 14:14 | 音楽 | Trackback

STRYPERの弟分バンド、USクリスチャンHMバンドHOLY SOLDIERのデビュー作がデジタルリマスターでリイシュー!

STRYPERの弟分バンド、USクリスチャンHMバンドHOLY SOLDIERのデビュー作がデジタルリマスターでリイシュー!_c0072376_10535025.jpgHOLY SOLDIER 「Holy Soldier +2(2019 Remastered Limited 500)」'19

85年にカリフォルニア州ロサンゼルスで結成され“STRYPERの弟分”という振れ込みで活動し、強固なCCM系ファンベースを築いたツインギター5人組のUSクリスチャンHMバンドが90年にリリースし大ヒットしたファーストアルバムが、ボーナストラック2曲追加、Digital Remasteredで500枚限定(!?)の新装リイシューされたのをGET!

因みに、2ndアルバム『Last Train』も同じレーベルからDigital Remastered、500枚限定でリイシューされております。

90年と言えばSTRYPERは、徐々にメインストリームのサウンドが変化しつつあるのを敏感に察知したのか、マンネリズムから脱却する為か、クリスチャンHMスタイルからより幅広いHMサウンドへ音楽性を変化させ、トレードマークのストライプも捨て去った5thアルバム『Against The Law』をリリースし、結果的に旧来からのCCM系ファンベースから失望を買う失敗作となってバンドは解散の憂き目を見てしまう頃だ。

丁度、兄貴分がCCMファンベースを裏切る形のアルバムをリリースしたのも彼等に運が向いたのでしょうが、元から独自の音楽スタイルを保守的に護り続け、求め続けて来たクリスチャン系ファンの期待を一身に集め、初期STRYPER風なゴージャスで造り込まれた分厚いビッグサウンド、そしてストレートに朗らか爽快なアメリカンHMスタイルでファンが求める通りのサウンドを引っさげデビューした訳ですから、ダークで鬱なサウンドが主流になりつつあるポピュラーロック界の気配を身近に感じていたであろうCCM系ファンにとって、彼等は正に“救世主”に感じられた事でしょうね(*´ω` *)

クリスチャン系のバンドは大抵コーラスが分厚く綺麗だし、STRYPER風サウンドにピッタリなハイトーンのリードヴォーカルが甲高い声でシャウトしまくるハードでエッジがあるキャッチーな楽曲と、兄貴分のサウンドを研究しただろうコンパクトに纏められたそのサウンドは、まんま80年代風アメリカンHMスタイルなもののSTRYPERと比べると幾分ギタリストの弾く音符の数が少なく、どちらかと言うとブルージーさを感じさせるベーシックなアメリカンHR風なプレイをしており、トリッキーでド派手なギタープレイをギンギンに繰り広げる、というパートは少なく、歌パートをより重要視してバックの各パートがしっかりコンポーズされた楽曲バランスになっているように感じます。

パワフルでスピーディーな楽曲の時はSTRYPERとの類似点が多いドライなアメリカンHMサウンドになるが、一転ミッドテンポでしっとり歌モノ風な楽曲や、バラード風の楽曲ではブルージーさが滲み出てくる大陸的な大らかさ漂うアメリカンHR風サウンドになる点が彼等の独自色と言えなくもないかも?

後は、弟分とは言うけれど実際はSTRYPER程に分厚いコーラスとハイトーンでグイグイと派手にキャッチーに押しまくるオーバープロデュースぎりぎりなサウンドではない、比較的オーセンティックなHRサウンドスタイルな点も兄貴分との音楽性の差異と言えるだろう。

クリスチャンミュージックという特殊なファンベースが存在するアメリカの、当時の状況からCCM系で大ヒットを記録した実績はあるものの、よくよく聞くとそのメロディの質は兄貴分に及ばず、楽曲のフックもキャッチーさもA級クラスかと問われると、お世辞にもそうは言えぬレベルだと思うので、フォロワー的な情報の他にもそういった点故にか、ここ日本で彼等の知名度や人気がマイナーな存在とされるのも納得なのかもしれません…(汗

独自の流行とスタイルを貫いてきたクリスチャン系バンドの多くも、この後暫くして世間で流行っているダルくダークなグランジーサウンドなバンドばかりになっていく訳で、グランジーの暗黒に飲み込まれていなかった残された健全な音楽シーンであるCCM系で最後まで気を吐いた、ゴージャスで華やかなアメリカンHM最後の輝き、ヌーメタル時代の徒花のようですよねぇ…orz

ただ、グランジーの波が来なくとも彼等がその後も順調に活動出来たかどうかは、実際はかなり怪しかったように思えます。

何故なら、このバンドはメンバーチェンジが本当に激しかったのです……

85年、Andy、Jamie、Robbieを中心にバンドは結成される。

結成当時のラインナップは、
Andy Robbins(Bass、Guitar、Backing Vocals)
Jamie Cramer(Guitar、Backing Vocals)
Robbie Wolfe(Lead Vocals)
Chris Hyde(Drums、Backing Vocals)
Larry Farkas(Guitar、Backing Vocals)

85年にドラマーを Chris Hydeから Terry Russellへチェンジ。

86年に Larry Farkasから Michael Cutting(Guitar、Mandolin、Backing Vocals)へギタリストをチェンジ。

メジャーデビュー寸前の88年に、フロントマンを Robbie Wolfeから Steven Patrickへチェンジ。

この当時、ハリウッドサンセットストリップとその周辺でLIVEを繰り返し腕を磨き、Doug Aldrichが在籍していたLIONや、NIRVANA、NEW HAWK(THE BULLET BOYSの前身バンド)、GUNS N'ROSES、WARRANT等々の、多くの有名無名アーティスト達とステージを共にし、しのぎを削っていた。

89年、Word/A&Mのインプリントレーベルであるメジャー・クリスチャンレコードレーベル Myrrh Recordsと契約し、プロデューサーの David Zaffiroと6週間に渡りスタジオに籠もってアルバムを制作し、90年にセルフタイトルのデビューアルバム『Holy Soldier』をリリースする。

好評を博したデビューアルバムを引っさげ、ハードにLIVEサーキットを続けたバンドだが、ツアーの過酷さが原因でフロントマン Steven Patrickとギタリスト Michael Cuttingが脱退。

バンドはツアーを続けながら、フロントマンをシアトル出身のシンガー Eric Wayneへ、ギタリストを Scott Soderstromにチェンジさせる。

91年、再びフロントマンに Steven Patrickが復帰し、Eric Wayneが入れ替わりに脱退。

と、短期間の間にコロコロメンツが変動したのが順調なバンド活動の足を引っ張ったのは確実な上に、92年の2ndアルバム『Last Train』にして既にSTRYPERが音楽性を変化させたように、彼等もクリスチャン系HMのポリシーというか、CCM系というカテゴリーの存在意義である、神を称えるような歌詞から脱却し、所謂一般音楽市場向けな普通の歌詞の楽曲を収録して、兄貴分と同じようにCCM系リスナーから不評を買ってしまった訳で…('A`)

2ndのサウンドはよりオリジナリティが増した結果のSTRYPERサウンドからの脱却が感じられ、ピロピロと早弾きもフィーチャーした派手なギタープレイ・パートが増え、キャッチーでゴージャスなイメージより、よりタフでヘヴィになった骨太HMサウンドなイメージが強く、元々持っていたブルージーな要素もさらに強まり、コーラスの使い方やリズムアプローチ等より幅が拡がった楽曲の数々に、さらなる音楽性の進化を感じさせただけに残念でなりません。

結果、レーベルの期待する売り上げを果たせなかったのが原因でMyrrh Recordsから契約を切られてしまう。

メジャーからドロップしたのも影響したのか、94年にギタリストへ Michael Cuttingが復帰し、オリジナル・ギタリストのJamie Cramerが脱退する。

3rdアルバム制作前にフロントマンが Steven Patrickから Eric Wayneへ再びチェンジし、Eric Wayneが自身の低目な声域を活かした全米を席巻するグランジサウンドへバンドサウンドを移行するよう強く進言し、結局時流を鑑みて音楽性をガラリと変えたダークでヘヴィなダルサウンドの3rdアルバム『Promise Man』を95年にForeFront Recordsからリリースし、その他大勢の80年代風ブライトサウンドなバンド群と違い上手く時流にったサウンドを披露してラジオ等でシングルは好評で迎えられる。

だが、彼等の元々のファンベースであるCCM系リスナーはその転身を快く思わず、新たなサウンドは受け入れる事はありませんでした…

また好評だったアルバムに対するForeFront Recordsのサポートも不十分だった上に、CCM系ファンから求められるサウンドと流行のグランジーサウンドとのギャップもあってか、95年に Terry Russellが脱退し、ツアードラマーとして Jason Martinがバンドへ雇い入れられる。

結局、デビューアルバムがCCM系リスナーに余りにも受けてしまったが為に、その後に一般市場へ迎合したグランジーサウンドを器用に披露したものの、新たなレーベルからのバックアップ不足と元々のCCM系リスナーにニューサウンドが受け入れられ難かった事が、不運に次ぐ不運のように避けがたいダメージとなって彼等を襲ったのが致命傷になったのでしょう。

バンドはベーシストの Andy Robbinsプロデュースの元、彼自身のレーベルSpaceport Recordsから、フロントマンの Eric Wayneとオリジナル・ボーカリストの Steven Patrickの両名をフィーチャーしたLive Retrospectiveアルバム『Encore』を97年にリリースし、程なくして解散を迎える流れは、ある意味で必然だったと言えるかもしれません……

しばしの後、04年に Michael Cutting、Jamie Cramer、Steven Patrick、Andy Robbins、Terry Russellからなるメジャー・デビュー時と同じラインナップで一時的にリユニオンし、カリフォルニア州ロサンゼルスで特別な再会ショー『Up from the Ashes』を開催する。

05年に再びオリジナル・ラインナップでリユニオンが成され、ベネフィットコンサートやスタジオアルバム制作の話が持ち上がる中、たった3ステージを経ただけで三度 Steven Patrickが脱退し、急遽ドラマー Terry Russellの兄弟 Don Russellをフロントマンへ迎えて06年夏のフェスティバル等に出演したが、結局バンドはそのまま再び解散してしまった…

なんだか Steven Patrickに振り回されてるイメージしかないバンドなんですが(汗)、仮に彼が脱退しなければ器用にグランジーサウンドへ転身した3rdアルバムはリリース出来ず、その他大勢の80年代ポップメタルのバンドと同じく惨めな活動状況に陥って解散するしかなかったでしょうし、初期のままなクリスチャン系サウンドを固持していればバンドは存続したかもしれませんが、より一般的な認知度を高める事は出来ず兄貴分が陥ったマンネリズムに遠からず陥るのは目に見えていた訳で、簡単に言えば時代が悪かったって事になってしまうんですが、なかなかに有望な変化をしそうなサウンドを鳴らすバンドだっただけに、グランジーブームとメンバーチェンジの多さに祟られた不運なバンドだったなぁ、と今なら思えてしまいます。

後、Eric Wayneの歌声自体は枯れた味わいの埃っぽいアメリカンロックによくマッチする渋めないい声質してると思うし、実際アーシーなスライドギターが活躍するブルージーな楽曲やカントリー調な楽曲、そしてバラード調な楽曲等でその実力を遺憾なく発揮しているのでその辺りを鑑みて迎え入れたのかもしれませんが、だとしても何故にハイトーン・ヴォーカルがトレードマークな Steven Patrickの後釜として彼をフロントマンに迎え入れたのか、そこが疑問ですね…

元々ハイトーンが苦手っぽいんだよなぁ、Eric Wayneは…『やっぱりミスキャストだったんでは?』と、今ならそう強く思えます。

とまれSTRYPERが好きな方やハイトーンでコーラスばっちりなクリスチャンHMがお好みな方なら購入しても損はない一枚だと言えますので、ご興味あるようでしたらお早めにお求め下さい。



# by malilion | 2019-09-11 10:41 | 音楽 | Trackback

北欧ハードポップBAD HABITの記念すべきデビュー作がリマスター&未発音源&デモ追加で限定リイシュー!

北欧ハードポップBAD HABITの記念すべきデビュー作がリマスター&未発音源&デモ追加で限定リイシュー!_c0072376_00122798.jpgBAD HABIT 「After Hours(re-cap)」'19

今やAOR風味が強い穏やかでキャッチーな爽快サンドを奏でているスウェディッシュ・ハードポップバンドの彼等が、まだハードエッジなサウンドを轟かせていた頃の89年デビュー作『After Hours』が、新曲、デモを大量に追加して待望のオフィシャル再発されたのを、幾分遅れてやっとこ入手したのでご紹介。

『After Hours』はこれまでにも何度かリイシューされているのだが、未発音源追加盤というと00年リリースの『13 Years of Bad Habits』が思い出される訳だが、今回は『13 Years of Bad Habits』収録の1st未収録音源の一部をカットし、新たなボーナス曲を一曲追加、1stリリース後のデモ、さらに二曲の未発新曲も追加した充実の二枚組で、ギタリストの Hal Marabel本人によるリマスターも施されている決定盤と言えよう。

今聞いても心地よい1stのサウンドは、キラキラしたキーボードがフィーチャーされた80年代北欧ハードポップサウンドで、幾分アメリカナイズされた方向性なものの、哀愁漂うウェットなメロディとキャッチーなコーラス、そしてハードでテクニカルなギターもフィーチャーしたメロディアスでフック満載な楽曲がコンパクトにまとめられており、ホントにメロハー好きなら小躍りする事間違いない一枚だ(*´ω` *)

この後、全米がグラジーの波に覆われ彼等のようなキャッチーなブライトサウンドのバンドは軒並み姿を消してしまい、彼等も活動を一時中止せざるおえず、2ndの『Revolution』がやっと96年にリリースと、クソグランジブームの為のタイムロスが本当に悔やまれる…orz

因みに『13 Years of Bad Habits』の内容はと言うと、

BAD HABIT『13 Years of Bad Habits』'00

01.Living On The Edge
02.Rainbow
03.Don't Stop
04.Play The Game
05.More Than I
06.Rowena
07.Coming Home
08.Never Find Another You
09.Winner Thakes It All
10.More Than A Feeling

 87年リリースのEP『Young & Innocent』収録音源

11.Dreams Die Hard
12.Try Me
13.Young & Innocent
14.Let It Go

 シングル『More Than I』のB面曲

15.Need Somebody

 日本盤『Adult Orientation』収録のボーナストラック

16.I Live For You

 未発表セッション。エディットされている短縮バージョン。

17.I Never Knew What Love Could Do

となっている。

また、今回の二枚組リイシュー盤は、ジャケのデザインに少々手が加えられている。
そして、同名バンドが存在するので混同を避ける為か、バンド名の後ろにSwedenの文字が追加されている。
00年盤にはSwedenの文字は無かったんだけどなぁ…ジャケのセピアな色味もちょっと違うし…

BAD HABIT 『After Hours(re-cap)』'19

Disc1 『After Hours』
01.Living On The Edge
02.Rainbow
03.Don't Stop
04.Play The Game
05.More Than I
06.Rowena
07.Coming Home
08.Never Find Another You
09.Winner Thakes It All
10.More Than A Feeling
11.Dancin'(New Song)

Disc2 DEMO
01.Love Will Find a Way (2010 New Song)
02.Reach for You     (2010 New Song)
03.Rainbow        (1988)
04.I Never Knew What Love Could Do(1988)ノイズや音飛びがある。ノンエディット・バージョン。
05.Need Somebody     (1988)
06.Til the End      (1988)
07.Mystery        (1988)
08.Get Wild       (1990)
09.I Want It       (1990)
10.Lay Down        (1990)
11.Let's Get High     (1990)
12.Ramona         (1990)
13.Ridin' High      (1990)

新曲の音と1stの音が全然違って、プロダクションの差が激しいのに驚かされたが、まぁウン十年経ってるし仕方が無いけど(汗

デモ音源の方は、如何にもDEMOというこもったボトムな上にバランスが不安定な劣悪サウンドながら十分その楽曲は楽しめ、当時メジャーからドロップしていた彼等が次なるレーベルとの契約を目指して2nd用の楽曲を造り込んでいた痕跡なのだろう。

結果的に2ndにはこの楽曲は収録されずボツになってしまった訳だから、今回初披露されたメロディアスでキャッチーな楽曲の数々に耳を傾けながら、もし当時活動休止せずそのまま活動継続していたならばどんな2ndがリリースされたのか、と思いを馳せてしまう…

また、DLが主流になっている為か、今回のUSリイシュー盤は限定500枚(!?)との事なので、ファンは即GETしましょう!
音源自体はDLでお手軽に入手出来るけど、やっぱり現物を手元に置いてナンボですからねぇ(*´ω` *)


# by malilion | 2019-09-10 00:06 | Trackback

35年ぶりに蘇った幻のUSメロハー・バンドFORTUNEが2ndをリリースしたのを遅ればせながらご紹介。

35年ぶりに蘇った幻のUSメロハー・バンドFORTUNEが2ndをリリースしたのを遅ればせながらご紹介。_c0072376_09360969.jpgFORTUNE 「Ⅱ」'19

カリフォルニアをベースに活動し、85年にアルバムをメジャーシーンに放ったものの、プロモーション不足に加え所属レーベル倒産と言うアクシデントによって早々に解散した幻のKey入り5人組USメロハー・バンドFORTUNEの、35年ぶり(!!)となる2ndアルバムがリリースされたのを幾分遅れてGET!

そもそも彼等が注目された切っ掛けは、FORTUNEの元メンバーである L.A.(Larry)Greene(Lead Vocals & Guitars)と Roger Scott Craig(Keyboards & Backing Vocals)がUSメロハー・バンドHARLAN CAGEを結成し、そのAORテイスト香る憂いを帯びた叙情的なメロディとキャッチーなサウンドが日本でも受けて96年にデビュー作が国内盤でリリースされた事にはじまる。

HARLAN CAGEが好評となると、そのメンバーがかって在籍し、しかもメロディアス作の名盤をリリースしていというバンドFORTUNEの噂が知れ、当然の如く多くのメロハー愛好家がFORTUNEの唯一作を探し求めたんですが、当時はオリジナルアルバムはアナログLPでしか存在せず、しかも解散して既に十年近い歳月が流れていた為にプレミア価格でしか入手する事は叶わず、多くの愛好家が涙を呑んだのでした…(ノД`)

04年にGYPSY Rock RecordsなるUSAレーベルから、オリジナルリリースから20周年を記念してのCD化が成され、3曲の未発曲をボーナストラックとして収録したリイシューが成されるまで、長い間メロハー愛好家には手の出ない噂先行の幻のメロハー名盤アルバムでありました。

最も、04年のリイシューの前に、既に大量の板起こしブート『FORTUNE』CDが出回っていましたけど…(汗

ただ、3曲の未発曲を追加して記念盤をオフィシャルリリースしてくれたのは有り難かったのですが、GYPSY Rock Records盤は明らかに板起こしの音源でありました…('A`)グアァ

結局、11年にメロハー愛好家御用達なドイツのレーベルAOR Heavenで好評の『AOR HEAVEN Classix』シリーズの再発第9弾アルバムとして、オリジナル・マスターテープからのDigitally Remastered盤がリリースされるまで、ノイズ混じりな音でFORTUNEのアルバムを楽しむ他なかったんだよなぁ…

只、何か問題があったのか、オリジナルテープが見つからなかったのか、はたまたクオリティにメンバーが納得いってなかったのか、このAOR Heaven CLASSIX盤では、GYPSY Rock Records盤のボーナス3曲のうち2曲(2曲共にLIVE Track)がカットされ、1曲のみがボーナス曲として収録されておりますので、板起こし盤だからと言ってGYPSY Rock Records盤を無視も出来ないのがなんとも…

デビュー作のサウンドは、煌びやかでメロディアスなキーボードサウンド、エッジを保ちつつメロディ至上なプレイを奏でるギター、分厚くキャッチーなコーラスと、しっとり歌い上げるヴォーカル全てが、USバンドらしからぬウェットな美旋律を紡ぎ、メロディアスHRバンドのアルバムとして理想的なサウンドが詰め込まれた名盤と言え、ポップ系ならREO SPEEDWAGONやJefferson STARSHIP、HM系ならSAXON、Y&T、KEEL、LEATHERWOLF、Michael Schenker Group等々のプロデュース及びエンジニアリングを手がけた Kevin Beamishのビッグで光沢あるプロダクションによって、ブライトでキャッチーなサウンドに一層に輝きが与えられておりました。

タイプとしてモロに80年代アリーナロックの流れを汲むポップロックで、JOURNEY、STYX、SURVIVOR、FOREIGNER、ASIAと同じ系等のバンドと、当時は騒がれていたなぁ…

実際は、上記のバンドとは少し毛色の違うウェット感がより強いサウンドで、NEW ENGLANDやWHITE SISTER、初期のHOUSE OF LORDS等がお好みな方ならきっと気に入る、ユーロ風な香り漂うメロディとUSバンドらしいキャッチーなサウンドが楽しめるそんな一枚と言えば伝わりますでしょうか?

さて、長い長いインターバルを経て遂にリリースされた本作についてですが、残念ながらオリジナルメンバーでのリユニオンとはなりませんでした…(ノД`)

Richard Fortune(Lead Guitars & Backing Vocals)と Mick Fortune(Drums & Backing Vocals)のFortune兄弟は変わらず本作でも参加しており、フロントマンだった L.A.Greeneも今回のリユニオンに馳せ参じてくれておりますが、ベーシストに Ricky Rat、キーボ-ディストに Mark Nilanなる二人の新たなメンバーが加わっての再始動となっている。

まぁ、35年もインターバルがあった訳だし、L.A.Greeneはソロ名義で映画『Top Gun』や『Over the Top』のサントラに参加し知名度を上げ、HARLAN CAGEを Roger Scott Craigと共に結成して好評を博して未だに活動継続中な訳だし、オリジナル・ベーシストの Bobby BirchもWARPIPESなるメロディアスバンドで活動していたりで、それぞれ各自に音楽活動を継続していたのですから流石に完全なるリユニオンが成されると期待していたリスナーはそう居ないでしょうが、ソングライティング面で中心人物の一人であった Roger Scott Craigが今回メンバーに名を連ねていないのが非常に残念であります。

とは言っても、本作でも作曲やキーボード演奏で半数の楽曲に参加をしているので、彼自身も色々なプロジェクトや自身のバンドで活動をしている為、残念ながら今回メンバーとしては参加出来なかっただけ、と言う事なのでしょう。

同じくデビュー作でベースをプレイしていた Bobby Birchも本作ではメンバーではないものの一曲客演を果たしておりますので、Fortune兄弟と元メンバー達は今でも優良な関係のままなのが窺えます(*´ω` *)

ただ、バンド名が示している通りこのバンドは78年レコードデビュー当時(最初は Richard Fortuneと Richardの妻のデュオ編成で音楽性もAORセッション・プロジェクトだった)から Richardと MickのFortune兄弟が中心でありますし、オリジナルメンバーも二人を除いて82年のメジャーデビューに向けてのバンド再編成時点で他に居らず、1stのソングライティング面で中心人物だった L.A.Greeneと Roger Scott Craigの二人はその再編成時から参加したメンバーだった訳ですから、仮に L.A.Greeneと Roger Scott Craigの二人が今回のリユニオンに全く関わっていなかったとしてもバンド名はFORTUNEであっただろう事は予想出来ますけどね。

で、新作のサウンドですが、35年ぶりと言うのが嘘のようにデビュー作のままな音楽性で、よりモダンでシャープになったキャッチーでウェットなメロディが眩く輝くようなメロハー愛好家大興奮のサウンドを楽しませてくれる('(゚∀゚∩

懸念していた Roger Scott Craigの穴の影響は窺えず、自身のリーダーバンドである意地とでも言えましょうか、Richard Fortuneの頑張りが素晴らしく、デビュー作で幾分キーボードの煌びやかで分厚いサウンドに隠れていたきらいのあったギターサウンドが、美旋律に溢れたメロディアスHRサウンドの上で、伸び伸びとセンス良い、リフに、ソロにと大活躍しており、待ちに待たされた彼等のファンは歓喜する事間違いなしのウェットなメロディが心地よい、キャッチーでポップなコンパクトに纏め上げられたサウンドを披露している。

新加入の二人も控え目ながらソツないプレイを繰り広げ、デビュー作と比べると幾分裏方に回った感じなキーボードパートな配分の楽曲ではあるものの Mark Nilanがモダンでセンス良いキーボードプレイを聞かせている点も見逃せない。

まぁ、半数の楽曲に Roger Scott Craigのクレジットがあって、彼の関わった楽曲ではググッとキーボードが前に出てくるので、そう音楽性が変化する訳もないっちゃないんですけどね(汗

本作は彼等の1stアルバムを長く愛し続けてくれたメロハー・ファンへの感謝を表す意を込めてリリースされたらしく、今後バンドが本格的に活動を継続するのか幾分曖昧な状況ではありますが、出来る事なら是非このまま本格的な活動へつなげて欲しいものであります。



# by malilion | 2019-09-09 09:30 | 音楽 | Trackback

LAメタル・リヴァイバルな80年代風バッドボーイズ・サウンドから、北欧サウンド要素追加でさらなる進化!? CRAZY LIXX

LAメタル・リヴァイバルな80年代風バッドボーイズ・サウンドから、北欧サウンド要素追加でさらなる進化!? CRAZY LIXX_c0072376_20581074.jpgCRAZY LIXX 「Forever Wild」'19

スウェーデン出身のツインGを擁する5人組スリージーHRバンド2年ぶりの新作となる6thを遅れてGETしたのでご紹介。

前作からツイン・ギター2人をゴッソリ新メンバーへチェンジし、単なる80年代LAメタルリスペクトなバッドボーイズ系ロックンロール・サウンドから北欧出身らしいウェットなメロディアス要素が加味されるサウンドを提示し俄然興味を惹いた彼等ですが、本作ではさらにスケールアップしたキャッチーでメロディアスな北欧スリージー・ロックンロールを披露している。

新世代北欧バッドボーイズ系バンド群に共通している、MOTLEY CRUE、GUNS N'ROSES、SKID ROW等の華やかでゴージャスなサウンドがトレードマークな80年代風アリーナ・ロック&グラムHMをルーツにするサウンドをベースに、アルバム毎に着実に音楽性の幅を拡げ楽曲のクオリティを上げてきた彼等だが、本作では前作で披露した哀愁漂う80年代風北欧HM&メロハーなタッチをエッジーなギターが縦ノリを刻むロックンロールに程良くまぶし、人工甘味料に包まれたキャンディの如く毒々しくも甘々なメロディを、よりキャッチーに、よりコンパクトに、より弾むリフと跳ねるリズムで、そして分厚いバッキングコーラスでさらに塗り固めたカッチリ造り込まれたプロダクションで、お手本の80年代LAメタルをよりモダンでシャープにしたバッドボーイズ系ロックンロール・サウンドを屈託無く奏っている姿(馬鹿っぽいジャケも、お手本のマンマなんだよなぁ~)には苦笑するしかない(w

やはりギタリストがゴッソリ入れ替わった影響は大きかったのか北欧ミュージシャンである血は抑えられないのか、バッドボーイズ系ロックンロール・サウンドを演奏してはいるもののLAグラムHMが垣間見せたドライさやささくれたような荒々しいヘヴィさは弱く、キャッチーな80年代風グラムHM路線なハードライヴィンするタイプの楽曲では、より勢い良くキレあるポップサウンドを叩き出し、仄かに80年代風北欧メロディアスHM風な哀愁感が香るタイプの楽曲では、よりリリカルなメロディアスサウンドを披露と、前作から持ち込まれたウェット感あるマイナーなメロが光る80年代風北欧メロディアスHM要素がまだ初期の音楽性と完全に融合しておらず幾分混沌としていたが、本作では二つの要素が完全にMIXされてサウンドのメリハリがクッキリと浮かび上がり、より一層に他の北欧バッドボーイズ系ロックンロール・バンド群のサウンドとの差別化に成功していると思う。

とは言っても、まだまだ80年代LAメタルのビックネーム達の影響から抜け出せないフォロワー・サウンドなのに変わり無いので、オリジナリティ云々については、もう少しアルバムの枚数を重ねないとダメでしょうね……

個人的には、彼等が持っている北欧HM定番な煌びやかなキーボードや透明感ある爽快でキャッチーなメロディ等の北欧メロディアス・ロック要素がより強まれば、本当の意味でのオリジナリティの確立が成されると思っておりますが、ルックスやサウンドの方向性を含めてお手本バンド達への憧憬が未だに強い彼等は、なかなかそっち方面の音楽要素を強めないかもしれません。

また、前作で苦言を呈した Danny Rexonのちょっと音域狭い、ザラつき気味な歌声と歌唱力が不足して感じられる問題点は相変わらず解消されていないが、前作でちょっと抑え気味になった分厚いバッキングコーラスが再び復活し、さらに煌びやかなサウンドプロデュースでそういった弱点は覆い隠されているので、アルバムを聞く分には大きく目立つような事はないのが救いだろう。

純粋な80年代LAメタルリスペクトなバッドボーイズ系ロックンロール・サウンドからは幾分サウンド傾向がズレ始めているので、ソレ系を求めている向きには不純物が混じったサウンドに思えて不満かもしれないが、このまま試行錯誤して自分達だけのオリジナルサウンドを見付けて欲しい、期待の北欧ロックンロール・バンドであります。





# by malilion | 2019-09-04 20:51 | 音楽 | Trackback

LAの一流セッション・ギタリスト Michael Thompson率いるバンド作が久しぶりに新作をリリース!

LAの一流セッション・ギタリスト Michael Thompson率いるバンド作が久しぶりに新作をリリース!_c0072376_18062900.jpgMICHAEL THOMPSON BAND 「Love & Beyond 」'19

70年代末期から活動を開始し、今やLAの一流セッション・ギタリストとしての名声を揺るぎ無いものとしている実力派アメリカ人ギタリスト Michael Thompsonがリーダーバンドの3rdアルバムが、前作から約7年ぶりにリリースされたのを、ちょい遅れてGET!

USポピュラー・ミュージックシーンの大物達だけでなく、日本の歌謡歌手のレコーディングにも参加と、有名無名問わずセッションやレコーディングに膨大な数参加してきたベテランだけあって、そのエモーショナルでフレキシビリティの高いギター・プレイは無論の事、サウンドの質や幅広い嗜好な楽曲の出来、そしてプロダクション等に問題など欠片も見当たらぬ、Michael Thompsonの癖がなく、それでいて円熟したギター・プレイが実に魅力的な、良く造り込まれた高品質メロディアス・ロックアルバムだ。

残念ながら前作と同一メンツは、前作でリード・ヴォーカルを担当した Larry Kingが数曲でその歌声(ちょっと苦汁声で、熱くイイ歌声なんだよなぁ~、ホントHR向き!)を披露するのみで、ほぼメンツは入れ替わっている。

まぁ、継続的に活動しているバンドでもないし“ソロ作には向かない Michael Thompsonが伸び伸びとギターを弾きまくる、お仕事のセッションでは抑えているギタープレイ欲を満たすロック寄りなサウンドを出すバンド作”というコンセプトだけ固持されていればいい、というようなスタンスのバンド作だろうから、毎回メンツが入れ替わるのはデビュー作からの恒例なのでコレは驚くに値しないだろう。

今回リードヴォーカルをとるのは、アメリカン・メロハーバンドUNRULY CHILDのベーシストでもある Larry Antoninoで、作詞でも全面的に本作に参加するだけでなく、無論ベースもプレイしている。

意外に Larry Antoninoのヴォーカルがイケていて、ちょっと甲高い掠れ気味なミドルレンジ主体のアメリカンロックに実によくマッチする穏やかながら力強い歌声を披露していて、今さらながらにUNRULY CHILDで彼の歌声が殆どフィーチャーされてこなかった(まぁ、Marcie Free“ex:Mark Free”の歌声の方が強力だし…)のが悔やまれる程だ。

その流れで、と言う訳でもないだろうがキーボードにもUNRULY CHILDの Guy Allisonが全面的に参加し、オルガンやピアノで小気味良いプレイを披露している。

また、2曲でHEART、CHEAP TRICK、REO SPEEDWAGON、BAD ENGLISH、John Waite、GIANT 、MR.BIG等に楽曲提供をしている他、プロデューサーとしても活動をするアメリカ人SSWの Mark Spiroが、その伸びやかな歌声を披露している。

ドラマーは複数参加で、楽曲のコ・プロデュースやミックス、そしてアルバムのプロデュースも複数の手によるものだが、そこはしっかり Michael Thompsonが陣頭指揮をとって不具合ない仕上がりに纏め上げられており、アメリカン・ロックをベースにしつつ、AOR風だったり、キャッチーな歌メロが際立ったHR風だったり、泣きのギターが心に迫るブルージーな作風だったり、ちょっとフュージョンぽいギターが聞けるモダンサウンドだったりと、実に幅広いサウンドの楽曲を取り揃えたアルバムで、インスト・ギター小曲(ちょっと日本っぽいメロディが聞けて、驚き)を小刻みに収録して Michael Thompsonの巧みでセンス良いギタープレイもタップリとフィーチャーしている構成も、実に隙がありません(*´ω` *)

裏方作業が長いベテランだから当然だけど、もうちょいバランスを無視した、意図的に完成度より勢いを優先して Michael Thompsonがハードにギターを弾きまくる楽曲なんかも収録されてたならば、とかあんまり出来が良いから無い物ネダリをしてみたりして(w

デビューしたての新人バンドのようなキレや勢いは無いけれど、円熟のプレイと完成度の高い楽曲が取り揃えられたハイクオリティな本作は、メロディアスなアメリカン・ロック好きやAORファンにお薦めな一作なのは間違いないので、ご興味あるようでしたら一度チェックしてみても損はしませんよ?


# by malilion | 2019-09-03 18:00 | 音楽 | Trackback